石川県と富山市の間に位置する富山県西部エリア。海に面した氷見市、射水市、高岡市では、ダイナミックな港を含む富山湾の風景や、きときと（富山弁で「新鮮」の意味）な海の幸。山側の小矢部市、砺波市、南砺市では、峡谷が織りなす絶景や、歩いて楽しい歴史的な町並み。海と山、違った魅力があるんです!どちらも知れば富山を2倍好きになるかも！？

海側のすてきな見どころ
〈高岡市・氷見市・射水市〉

「海の貴婦人」の麗姿は必見! 乗船見学でわくわくは倍増
☑射水市［海王丸］

伏木富山港の［海王丸パーク］で美しい姿を見せる、全長97.05ｍの大型練習帆船・海王丸。1930年に建造され、1989年に引退するまで地球約50周分の距離を航海し、延べ11,000人以上の訓練生を育成した。内部は見学でき、レトロな船長公室から士官サロン、訓練生宿泊室までが間近に見られ、航海に出ている気分に。甲板から望む新湊大橋と立山連峰の絶景もお見事。年に10回実施される、全29枚の帆を全て広げる「総帆展帆も見もの」。かつて約100人の乗組員と訓練生が行っていたもので、現在は訓練を受けたボランティアたちの手で行われている。

触れて、眺めて、遊べる 海辺の全天候型オアシス
☑氷見市［氷見市海浜植物園］

「日本の渚100選」の一つとしても知られる、松田江の長浜に面する施設。園内には、絶滅危惧種のトゲオニソテツなどの貴重な植物が植わる温室、ツル性の植物が壁面を彩るグラスチューブがあり、花や緑が存分に楽しめる。2021年のリニューアルで誕生した“木育”を推進する木工体験ゾーンや大型遊具があるスペースも人気。最上階に位置する［seaside cafe ソラトキ］からの眺望も魅力。

土蔵造りが建ち並ぶ商人町で、ほっこり過ごせるカフェ
☑高岡市［COMMA, COFFEE STAND］

慶長年間に開かれた商人町・山町筋の小馬出町（こんまだしまち）にあることと、ひと息ついてほしいとの思いから区切りの意味も持つ“コンマ”を店名に。「初めはスタンドでしたが、座ってゆっくりしてもらえるスタイルに変わっていきました」と、オーナーの大菅麻希子さん。注文を受けてから濃厚なクリームを手作りの生地にたっぷり詰めるシュー、旬の食材を使ったランチなど、手の込んだメニューが人気。

山側のすてきな見どころ
〈南砺市・砺波市・小矢部市〉

名瀑が潜む秘境の 清流と緑でリフレッシュ
☑小矢部市［宮島峡］

清流の里として知られる宮島峡は、小矢部川に流れ込む子撫川（こなでがわ）の渓谷。一の滝、二の滝、三の滝の三つの見どころが点在する。一番のハイライトは川幅いっぱいに流れる二の滝（写真）で、そのダイナミックな眺めは圧巻! 一の滝には独自の地盤と川の流れから形成されるポットホール（甌穴・おうけつ）があり、県の天然記念物になっている。一の滝から二の滝へ続く遊歩道を散策すれば、心地よい水しぶきや川の眺めに癒やされそう。

一年中チューリップが咲く 光と花があふれる空間
☑砺波市［チューリップ四季彩館］

日本一のチューリップ球根産地ならではのユニークな施設。春の花であるチューリップを温度や湿度、植える時期などをコントロールし一年中鑑賞できるように。8〜11月にはチューリップの球根も販売。

今も多くの匠が活躍する、彫刻の町と北陸最大級の仏閣
☑南砺市［瑞泉寺門前町の八日町の町並み］

瑞泉寺は浄土真宗本願寺第5代・綽如（しゃくにょ）上人が開いた古刹。総ヒノキ造りの山門、北陸随一の本堂は何度も火災に遭うも、その度に再建されてきた。中でも目を引くのが太子堂の繊細な彫り物。200本ののみを使い、1本の木から仕上げる井波彫刻伝統の技が光る。今も参道沿いには多くの彫刻師の工房があり、木づちとのみの音が響くことから「日本の音風景100選」に認定されている。

ACCESS　大阪→JR新高岡駅／電車●JR大阪駅→特急サンダーバード・敦賀駅→北陸新幹線・新高岡駅。大阪から約2時間30分、片道運賃10,070円

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写真／沖本 明　取材・文／小林明子　
協力／富山県西部地区観光協議会 https://toyama-west.net/

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※この記事は2024年10月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。