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色も香りもさえわたる
蔵の中の静かなおもてなしを
☑ 京都・蛸薬師柳馬場[茶房 居雨/KYO(さぼう きょう)]

築130年の伝統的な京町家を利用した工芸品店[KYO AMAHARE]の奥にたたずむ、重厚な蔵を生かした予約制の茶房。

美しい中庭を望む廊下を渡って蔵へ進むと、紙漉キハタノによる漆黒の壁に包まれた空間に、水流を連想させる風炉釜を備えた大テーブルが一つ。

テーブルの中央には上からぽつりぽつりと水が降り注ぐ。「雨と居るところ」という意味を持つ[居雨/KYO]は、雨と共に過ごしお茶やお酒と菓子をいただきながら晴れを待つような心地よい時間を過ごしてほしいという思いから名付けられ、福岡にある茶酒房[万 yorozu]の茶司、德淵 卓さんがその思いをくんで、雨を感じる空間や演出、おもてなし、品書き等を監修する。

漆黒の部屋に明かり取りから届く柔らかな光、静寂の中に聞こえる水滴の音。“暗”と“静”に満ちた空間が、非日常を演出する。

メニューはコース仕立てが主体で、国内外のフランス菓子の名店で活躍後、家業である福井の老舗和菓子店[昆布屋孫兵衛]17代目店主となった昆布智成さんによる和洋のエッセンスを織り交ぜた菓子のペアリングが楽しめるぜいたくな趣向に。

お茶とお菓子のコース「白霖」の内容は……

コース「白霖」5,500円より、お出迎えの一煎”としてカクテルグラスで供される八女茶の玉露とピスタチオの干菓子。お茶は、うま味とだし感が味わえるようにと人肌ほどの温度で提供する。www.tablecheck.com/ja/sabo-kyo より要予約。

季節の御菓子は4種類から好みのものを選べる。この日、お薄に合わせたのは、ホワイトチョコと抹茶のムースケーキにアンズのジュレと大納言小豆のつぶあんを忍ばせた「常磐」。抹茶は福岡[星野製茶園]の「星の露」。

季節のお茶は3煎まで楽しむことができ、2煎目をいただくころに菓子の盛り合わせが登場。宇治抹茶のひと口ケーキやようかん、一煎目に登場した八女茶玉露の茶葉のおひたしなど、こちらも趣向を凝らした品々が。

季節のお茶は、国産白茶、レモンと黒文字の釜炒り茶など5種からセレクト。取材時は、ライムを搾っていただく涼やかな寒天菓子「みぞれ」と相性の良いオリジナルの煎茶を選択。

その日のお茶から好きなものを。

随所に美を感じる空間とおもてなし、品や器まで、五感を研ぎ澄ませじっくりと味わいたい。

店舗情報
京都・蛸薬師柳馬場
茶房 居雨/KYOさぼう きょう
  • 電話番号
    なし
  • 住所
    京都市中京区蛸薬師通柳馬場東入ル油屋町127 
  • 営業時間
    11:00~19:00※要予約
  • 定休日
  • カード使用
  • 席数
    10
  • アクセス
    地下鉄四条駅、阪急烏丸駅から徒歩10分

※この記事は2025年8月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。

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