_TAK0405hd

店主・北浦宏平さん

「目指したのは、築130年を経た古民家の味わいを残しつつ、クリエイティブな空間に再生すること。土壁や柱をただ補修するのではなく、現場監督の友人やアーティストたちと一緒に作品として新しい価値をプラスしました。私たち[ACTUAL KYOTO]のテーマは、実体験の素晴らしさを再認識できる場所になることです。店でしか味わえない体験をなによりも大切にし、店内で感じる音や香り、点在するアート、人との会話などを通じて感情の変化を楽しんでほしいです。嵐電の線路に沿った路地を進むアプローチ、店内で聞く踏切や電車の音もじっくり体感してくださいね」

右から、店主・北浦宏平さん、真由美さん。オーストラリアや京都でバリスタの経験を積んだ宏平さんが焙煎を、真由美さんがスイーツを担当する。

居心地のいいカフェ 空間をCHECK!

  • 入り口付近のコンクリート床には、施工当時3歳だった息子さんのかわいい足型が。「子どもの成長と共に、店も進化できたら」との思いが込められている。
  • 古い柱の“ほぞ”を埋めて補強するためのコマ埋めにもこだわりが。写真のバラの彫刻など、店内の柱に数カ所ある小さな作品を探してみて。
  • 不規則な形の型にコンクリートを流し込み、スタンディング用のカウンターを製作。京北町から運んだ岩を埋め込むことで有機的な印象に。
  • 土壁に入ったひび割れには金継ぎを施し、強度をプラスしつつさりげない輝きを添えて。角度や光の加減によって少しずつ表情が変わる。
  • 崩れ落ちていた土壁を日本画家の手によってグラフィティの作品に。日本画材の岩絵具は自然由来の顔料で、深みのある発色が土壁と好相性。
  • 一部の壁に残っていたクロスは「民家の歴史が感じられるように」と、あえてそのままに。レトロな花柄の、朽ちていく美しさにはっとさせられる。
  • 古い柱の“ほぞ”を埋めて補強するためのコマ埋めにもこだわりが。写真のバラの彫刻など、店内の柱に数カ所ある小さな作品を探してみて
  • ドリップコーヒー用のカップは岐阜・多治見の工房に特注したオリジナル。白磁の土を使い、外側は無釉で磨き上げ、手にしっくりなじむ風合いに。

単一農園・単一品種で選び抜いたコーヒー豆を店内で少量ずつ焙煎。特に浅煎りに注力し、品種ごとの鮮やかな個性を発信している。季節のフルーツなどを取り入れ、日々進化を続けるチーズケーキはイートインのみのお楽しみ。洞窟的なイメージの1階のほか、行き交う嵐電を見下ろせる隠れ家的な2階席、ペットOKのテラス席もお待ちかね。

濃厚でいて口溶け軽やかなクラシックバスクなど、3種から選べる自家製チーズケーキとドリンクのセット1,300円~。浅煎り中心のコーヒー650円〜のほか和束町産抹茶のラテやクラフトホットチョコレートも。

写真/エレファント・タカ 取材・文/本庄 彩

店舗情報
京都・大宮
ACTUAL KYOTOアクチュアル キョウト
  • 電話番号
    なし
  • 住所
    京都市中京区壬生賀陽御所町20-2
  • 営業時間
    10:00~18:00(夜営業は不定)
  • 定休日
  • カード使用
  • 席数
    20
  • アクセス
    阪急大宮駅、嵐電四条大宮駅から徒歩すぐ
※この記事は2024年4月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。
Share
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
SAVVY1月号『よしもと漫才劇場となんば』
発売日 2024年11月22日(金)定 価 900円(税込)