関西で出合える、世界の伝統的なお菓子。なかには、珍しい名前の郷土菓子や、店オリジナルのアレンジスイーツも!各国の文化や風土から生まれた味わいを四つのお店で教えてもらいました。
昔から酪農が盛んな地域が多く、良質なバターや生クリームをたっぷり使用した焼き菓子が豊富。地域ごとに代々伝わる焼き菓子も充実している。一つ一つ、上品で香ばしい、豊かな風味を楽しんでみて。
▶[Un Son Doux pâtisserie]で発見!
フランス北東部ロレーヌ地方の発祥。“修道女”という意味の名の通り、修道院で作られていたとか。店主の清水孝志さんを今の道に進ませた思い入れ深い菓子でもある。メレンゲとアーモンドプードルを多めに加えている。360円
ピティヴィエ郡に伝わる伝統菓子。三つ折りを5回繰り返したパイ生地の中にアーモンドクリームを入れて焼き上げる。サクサクのパイとしっとりアーモンド生地、二つの対照的な食感が魅力。420円
ブルターニュ地方で長く愛され続ける厚焼きのサブレ。セルクルに入れて焼かないと生地が広がってしまうほど、たっぷりのバターを使っている。香り付けのラム酒と塩味がアクセントに。340円
サヴォア地方の名物、ヘーゼルナッツとフランボワーズを使った焼き菓子。サクサクのタルトに、フィナンシェのようなしっとりした生地と、フレーク状のフランボワーズを詰めている。果実の味わいを楽しめる。460円
ピカルディー地方のアミアンに古くから伝わる焼き菓子。タルト生地に、甘酸っぱいアンズのコンポートと、生クリーム入りのアーモンド生地を詰めて、粉糖をたっぷり散らして香ばしく焼き上げる。430円
京都・御所南
[Un Son Doux pâtisserie(アン ソン ドゥ パティスリー)]
情熱の職人が手作りする
焼き菓子でフランス巡りを
オーナーパティシエの清水孝志さんは、出身地である高槻市のパティスリーで腕を磨いた後、多くの菓子職人が憧れる東京の[オーボンヴュータン]へ。約5年修業した後、フランス菓子の第一人者として知られる同店の河田勝彦シェフの勧めもあり、フランスのサヴォア地方で1年を過ごした。各地での経験をベースに創意工夫を加えた焼き菓子は多彩。「お菓子で各地方を巡ってもらう趣向です」と話す清水さんは、スペインマルコナ産の最高級品を自家焙煎してアーモンドプードルを作り、チョコレートもカカオを焙煎するところから一人で行う情熱の菓子職人。売り切れ次第終了となるため、購入はお早めに。
\定番スイーツ発見!/
ケイクアングレ
清水さんの修業先である[オーボンヴュータン]の人気商品でもあるイギリス風のパウンドケーキ。ラム酒に漬けたプルーンやアンズ、チェリーなどのドライフルーツがたっぷり。1.5㎝程の厚さに切って食べるのがお薦め。1本2,500円
写真/エレファント・タカ 取材・文/小林明子
店舗情報
Un Son Doux pâtisserie アン ソン ドゥ パティスリー
- 電話番号なし
- 住所京都市中京区麸屋町通二条上ル布袋屋町495-1
- 営業時間8:00~18:00(イートイン~17:30LO)
- 定休日日・月
- カード使用可
- 席数スタンディング約4名
- アクセス地下鉄丸太町駅から徒歩10分
※この記事は2025年3月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。