FUJIMARU SIDEWAYS 藤丸さんと “おいしい”ワイナリー巡り vol.8 | SAVVY.jp | 関西の!すてきを見つける!
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個性豊かなワイナリーを目的地に、[ワインショップFUJIMARU]の藤丸さんと全国を巡る旅企画。収穫目前のブドウが出迎える山形県の[ウッディファーム&ワイナリー]では、いったいどんな出合いがあったのでしょうか。

藤丸智史さん/大学卒業後、ソムリエを経て海外でワイン作りを学び、大阪で[ワインショップFUJIMARU]を開業。現在はブドウ作りからレストランまで展開する株式会社パピーユの代表取締役。 Instagram@winefujimaru

 取材は9月の終わり。まだ夏服で過ごせる関西に比べると気温は低く、少し肌寒い。山形に到着し、そんなことを思っていると藤丸さんは、[八百坊温泉]へ連れて行ってくれた。聞けば、山形市にあるワイン酒場[プルピエ]の店主がお薦めしてくれたそう。温泉は身体に活力を、ワインは新しい出合いをもたらすことを、この旅は教えてくれる。

 天然温泉で癒やされたあと、目的地のワイナリーへと車を走らせる。田んぼや果樹園が広がる気持ちの良い景色の遠くに見える、身を寄せ合うかわいい建物を目指してあぜ道を進む。[ウッディファーム&ワイナリー]があるのは蔵王連峰の麓。西向きの斜面に作られたブドウ畑では太陽の光を浴びて、今にもはち切れそうなブドウの姿が。「育てるのは上山の風土にあったヨーロッパ系品種だけ。ワインの主役はやっぱりブドウなので」と、代表の木村さん。1年かけて育てたブドウもいよいよ収穫期。搾られたブドウが次々とタンクへと運ばれる。出来立てのロゼを試飲させてもらうと、まだ若くフレッシュだ。目の前で仕込まれているワインは、発酵と熟成をかけるため、これからしばらく眠りにつくのだそう。完成したワインを飲むとき、タイムカプセルのように今日の出来事を思い出すだろう。そんな近い未来がすでに待ち遠しくてたまらない。朝一で大阪を飛び立ち、到着したのはそのわずか3時間後。想像していたよりもぐっと近かった山形。そこで見た光景に、ようやく夏の終わりを感じたのだった。

Vol.08
[山形・上山]ウッディファーム&ワイナリーへ

果物栽培の適地である上山市で2013年に開業したワイナリー。ワイン専用品種のブドウ栽培は古く、およそ50年前から行なっており、現在も西洋ナシを中心にした高品質な果物栽培とワイナリーの二つの顔を持つ。

夏と秋の狭間に出合った、時をかけるワイン造り

ワイン用のブドウ畑のほか、自社で育てるサクランボや洋梨の果樹園がワイナリーを囲む。
  • プレス後、タンクへ運ばれるシャルドネの果汁。
  • 温かみを感じる手製の看板がお出迎え。
  • 案内をしてくれた醸造家の金原勇人さん。
  • 収穫寸前のブドウがたわわに実った畑。
  • 「今年は苦労しました」と金原さん。自然が相手のワイン作りの難しさ。
  • 地下に並んだタンク。秋は収穫と仕込みの一番忙しい時期。
  • プレス後、タンクへ運ばれるシャルドネの果汁。
  • 温かみを感じる手製の看板がお出迎え。
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丁寧に一房ずつ傘掛けしたブドウ。上山の風土にあった9種のヨーロッパ系品種のみ栽培する。
  • 併設のショップではワインの他に、ジャムやドライフルーツ、ジュースなども販売。
  • 赤ワインは1年ほど樽貯蔵。
  • 発酵を終えたばかりのロゼワインを試飲。
  • 宿泊用のワイナリーコテージが2棟。16,500円〜(1棟6名利用時1名あたり)
  • キッチン付きで、ワインと食事を楽しめる。
  • ワイナリーコテージは、木の香りに包まれた空間で、畑を一望できる。
  • 併設のショップではワインの他に、ジャムやドライフルーツ、ジュースなども販売。
  • 赤ワインは1年ほど樽貯蔵。
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〜今月のワイン〜

アルバリーニョ 2023


スペイン品種「アルバリーニョ」を、収穫時期と区画の異なる4種類の原酒からブレンドする。芳醇な柑橘を思わせるフローラル豊富なエキスとフレッシュ感。3,630円(750㎖)

ヨーロッパ品種だけのドメーヌワイナリー
自社畑のブドウだけでワインを造る、ドメーヌスタイルのワイナリー。山形県では初となるアルバリーニョなど、国内では難しいとされるヨーロッパ品種の栽培にこだわりながら、ブドウを主役にしたワイン造りを行う。ショップではワインのほか、果樹園で作ったドライフルーツやジャムの販売も。コテージでの宿泊やワイナリーの見学は、HPから事前予約を。

店舗情報
山形・山上
ウッディファーム&ワイナリー
  • 電話番号
    023-674-2343
  • 住所
    山形県上山市原口829 
  • 営業時間
    8:00〜17:00
  • 定休日
    土・日&不定(4〜11月休なし) 
  • カード使用
  • アクセス
    JRかみのやま温泉駅から車で20分

立ち寄りスポット①

[山形・山形]ぐっと山形


あらゆる土産物がそろう巨大な観光物産館
県内で最大級の規模を誇る観光物産館が、昨年リニューアル。山形の銘菓や銘酒、工芸品に至るまで、約4,000品目の名産品を取り揃えるお土産コーナーに加え、人気の飲食店が並んだフードコートも。地元産の旬な青果が並んだ[食の駅山形蔵王店]や[道の駅やまがた蔵王]も併設する。お土産を買う場所に迷ったら、まずここへ!

  • 山形と言えば! の芋煮の屋台が。じんわり染みる温かさとおいしさ。
  • 松尾芭蕉が羽黒山で食べたそばをヒントに生まれたという羽黒そば432円
  • お土産にピッタリなカゴ入りの玉こんにゃく702円。
  • 山形と言えば! の芋煮の屋台が。じんわり染みる温かさとおいしさ。
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店舗情報
山形・山形
ぐっと山形
  • 電話番号
    023-688-5500
  • 住所
    山形県山形市表蔵王68
  • 営業時間
    9:00~17:30(フードコート10:00~17:00LO)
  • 定休日
    1/1 
  • カード使用
  • アクセス
    JR蔵王駅から車で5分

立ち寄りスポット②

[山形・山形市]天然温泉 八百坊

湯量は豊富で、ザアザアと流れているので贅沢な気分に。

2種類の天然温泉を贅沢に掛け流し
100パーセント源泉を掛け流しの天然温泉で、高温でややとろみを感じる温泉は美人の湯としても有名。温泉と水風呂一つずつに、シャワーといったシンプルな造りの浴場は、全てに温泉水を使用する。温すぎず、冷たすぎない低温泉という温泉水の水風呂と交互に、2種類の源泉を贅沢に堪能し、心身共にリフレッシュして。

  • 館内はどこを見ても、なんともエモかわいい。懐かしい雰囲気が落ち着く。
  • 入口に「福神之湯」の看板が掲げられた八角形の屋根の建物が目印。
  • 遠方から足を運ぶ客も多いとか。
  • 館内はどこを見ても、なんともエモかわいい。懐かしい雰囲気が落ち着く。
  • 入口に「福神之湯」の看板が掲げられた八角形の屋根の建物が目印。
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店舗情報
山形・山形市
天然温泉 八百坊
  • 電話番号
    023-624-9800
  • 住所
    山形市東青田5-1-1
  • 営業時間
    6:30~22:00最終入館
  • 定休日
    第3水 
  • カード使用
    不可
  • 料金
    630円
  • アクセス
    JR山形駅から車で10分

【大阪からのアクセス】

大阪→上山/飛行機 大阪空港→仙台空港、仙台空港からレンタカー→JR奥羽本線かみのやま温泉駅/大阪から約3時間、片道料金42,000円〜※山形県内の移動はレンタカーが便利

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写真/西島 渚 取材・文/関戸ナオヒロ
協力/パピーユ www.papilles.net

※この記事は2025年2月号の転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。
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SAVVY2月号『関西美術館さんぽ』
発売日:2024年12月21日(土)定 価:900円(税込)