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大通りの喧噪から少し離れた路地裏に、川沿いに……。
ちょっとミステリアスで、とびきり幸せな空間が広がっていました。
京都へ小さな旅にでかけませんか?

路地裏を奥にずんずん進む現れる
癒やしの空間

目印に指定された美容室の向かい側に見える路地を進む。看板などは特になく、店であることはドアに掛けられた、大きな木のスプーンとタンバリンが示すのみ。勇気を出して引き戸を開けると、天井の高い空間が眼前に広がる。「ココは西陣テキスタイルのファクトリーだったんだ」と、説明してくれるシェフのピチューさんは南フランス出身。祖母はモロッコ人で、野菜や果物をたっぷり使う地中海料理に親しんできた。縁あって3年前に来日した。

大きな木のスプーンがお出迎え。

引き戸を開けると、こんな景色が。

日本各地を巡るうち、京都でパンとごはんの店を始めようと思い立ったそうだ。気になるメニューは黒板に。レモンさわやかなレバノンサラダ、タラゴン香るチキンなどを盛り合わせたプレートや、天然酵母で焼く素朴なパン、さらにデザートが日替わりで楽しめる。とはいえ、サービスも調理も基本的にピチューさんが一人で行っているため焦りは禁物。モロッコで買い付けてきたり、手作りしたオブジェを眺めたりしつつ、ワールドワイドな音楽に耳を傾けてゆっくり過ごしたい。「山や川があるキョウトが好き」。そんなピチューさんは、自転車を走らせてキョウトライフも楽しんでいる。「もうすぐ畑を借りて野菜も育てるんだ」。スラングで〝funny fighter〟 の意味を持つ店名を選んだ理由がだんだんわかって来た。

プレートには、京都の恵みがたっぷりと。

友人と作り上げた空間にはオブジェがいっぱい。

ファンタジックな空間は友人でデザイナーの2islands travellersが手掛けた。写真のメニューは本日のプレート1,500円。取材時はオレンジ果汁で味をつけたブロッコリー、ビーツサラダ、ローストした野菜などが山盛りに。フォカッチャとクルミパン、カボチャのスープ付き。

パンだけを買いに来る近所の人もちらほら。

手書き文字が愛らしい、名刺代わりのショップカード。
写真/竹田俊吾 取材・文/小林明子
※この記事は2022年4月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。
店舗情報
京都・天神仁和寺
RIFIFI STUDIOリフィフィ スタジオ
  • 電話番号
    なし
  • 住所
    京都市上京区下堅町152-25
  • 営業時間
    10:00〜17:00LO
  • 定休日
    金・土・日のみ営業
  • アクセス
    京都市バス「大将軍」バス停から徒歩6分
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