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「京菓子は季節を映すもの。でも、自分でお店をするなら、もう少しフラットな感じで、若い人たちにも興味を持ってもらえるお菓子を作りたくて」と、店主の伊藤達也さん。例えば、アイシングクッキーからヒントを得て色付けられたクマのもなかは、世相を反映してマスクを着けていたり、イベントごとに装いが変わったりするのがかわいいと評判になり、一躍人気の品に。

「お客さんとのおしゃべりするのも楽しみの一つです」と、気さくな伊藤さん夫妻。

いと達のもなか

希少なしゅまり小豆のこしあんに、麹菌で発酵後に乾燥熟成させた一休寺納豆と黒糖を加えて。一休寺納豆の塩気と、コク深さが甘みを引き締める。1個300円(竜王戦バージョンのみ400円)

もなかの皮は、鉄板で焼いてパリッとさせるひと手間を加えてから、あんを詰める。

ほかにも、やわらかさをとことん極めたわらび餅や故郷である愛知県の銘菓・ういろうの生地を焼いたもちもちの皮×京都ならではの白みそ文化を融合させた包み餅など、昔ながらのお菓子に新しい発想や食感を巧みに取り入れ再構築するのが、伊藤さんの得意技。「見た目だけでなく、口にしたときに上質な素材の味や、17年の修業で培った技が伝わるお菓子で、地元の人にも認めてもらえる店を目指しています」

包み餅

平安装束の配色をもとに、左から、桜・楓・紅葉・雪中花という四季の移ろいを表現。桜と紅葉には香ばしさを感じる白みそきな粉あん、楓と雪中花にはこしあんを合わせて。さらに今年新しいカラーも追加。1個240円

飲めるほどの柔らかいわらび餅

とろ~りとやわらかなわらび餅が、喉をするんと滑り落ちる爽快さがたまらない! 香り豊かな北海道産黒豆きな粉、上品な甘さのこしあんとのバランスもお見事。1個324円
写真/エレファント・タカ 取材・文/下川あづ紗

※この記事は2022年3月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。
店舗情報
京都・仁和寺
御室和菓子 いと達おむろわがし いとたつ
  • 電話番号
    075-203-6243
  • 住所
    京都市右京区龍安寺塔ノ下町5-17
  • 営業時間
    10:00~17:00
  • 定休日
    日・水
  • アクセス
    嵐電妙心寺駅から徒歩4分
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