壁一面のパンと対峙できる。
極小空間ならではの特別感!

河原町丸太町の少し東にたたずむ、戦前に建てられた商家。６坪という広さゆえ、大通り沿いでありながらも数十年空き家だった。「暮らしが根付いた場所で、ご近所さんが日常遣いできるパン屋をしたくて。一軒丸ごと借りられる路面店を探していたら、この物件と出合いました。

余計な空間がない分、パン作りに集中できるし、お客様も集中してパンを選ぶことができると思ったんです」と、接客を担当する松岡磨朋さん。極小空間だけど、ご主人の英樹さんが作るパンの魅力がひと目でわかるよう店舗設計にはこだわった。壁に設えた棚や台には、食パンやハード系の食事パン、菓子パンなど約50種がずらり。

道路沿いの壁に大きく設けられた窓からはその様子が見え、看板はなくとも「パン屋さんだ」と気付かせる絶妙な設計。「小さくても種類は豊富に。お一人ずつ店内に入って、じっくりパンを選ぶ時間も楽しんでいただければ」

写真／米田真也　　　取材・文／杉田裕路子

※この記事は2021年1月号からの転載です。