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SAVVY.jpの竹村です。

しゃべくり漫才で定評のある、漫才師・チキチキジョニー。
年明けに単独ライブを計画している彼女たちに、お話を伺ってきましたのでどうぞ!

S 芸歴22年になられるそうで、だいぶベテランの域に入られてきたと思います。
石原祐美子(以下、石) 森脇健児さんがいまだに「若手代表」って言ってるんで、私たちは「べてわか」です。
S べてわか?
石 ベテランの若手、です。ゆったりと時間が流れてる。それが松竹芸能なんですよ。
S なるほど。まず、お笑いの世界に入ったきっかけと、コンビを組んだ経緯を教えてもらってもいいでしょうか?
石 結成した2002年頃は、オセロさんがバーンって行ってる時で、「女芸人なら松竹」みたいな時代だったんですよね。大学在学中だったんですけど、「松竹は綺麗な女芸人しか入れない」みたいな噂もあって。「でも、私入れたで」みたいな感じでした。
岩見 真利(以下、岩) 石原から大学のときに誘われたんです。「オシャレな漫才師になりませんか」って。
石 私が勝手に、書類を出しました。
岩 大学の学祭で漫才とかしてましたね。
石 その漫才をする時ににみんなが教えてくれたんですよ、「あの人(岩見)とやったらええんちゃう」って。自分よりきれいな人はいややったから。不細工な方って言われるのがいやで。
岩 結局ブスの方と、おじさんの方って言われてるけどな! 
(編集部註、岩見さんは女性です)
石 ブスって言葉はきついけど、使い方によっては愛着がこもってるからいやじゃないと、今は思ってます。ただ、街で知らんおっさんにブスって言われるのはいやです。マジで腹立ちます。
S それは、純粋な悪口ですよ。
岩 ルッキズムの時代なんで、どうやってオブラートに包んで笑いとるか模索してます。
石 ルッキズムと戦ってます。世の中と逆行してます。SNSのコメントで「こんな時代にブスで飯食ってるのかっこいいです」って来てましたから。
岩 そんな重たい気持ちでは使ってないけどな……。
S 個性のひとつみたいな感じですかね……。
石 いくよくるよ師匠が、お互いけなしあって、言い合うのがめちゃくちゃ好きなんですよ。あれ見てたら、ええやんって思っちゃう。
岩 ライブは、そういうことをあまり気にせずにできるので。こういう時代だからこそライブが好きになりました。お客さんも距離が近いしお互いわかり合ってる中で、できるいい場所だと思って。
石 昔はライブが好きじゃなかった。マネージャーが変わってライブのギャラくれるようになったんですけど。「お客さんがなんぼ笑ってくれても一銭にもならんわ」て思ってた時代がありました。
岩 私はそんなこと思ってなかったわ!
石 ライブをがんばれば生活できるって言う実感、大事ですよね?

S 最近はYouTubeもかなり力をいれてやっておられる印象があります。あちこちにでかけられて、旅番組みたいなYouTubeですよね。

「チキチキジョニー」の公式YouTubeチャンネル

岩 もともとあちこち行くのが好きで。その延長でやってるというか。
石 実は、いやいやだったんですよ。「会社からYouTubeをやってみたら」って。でもお金にもなれへんし、毎週やるのとか大変じゃないですか。でもどっか行くのは好き、仕事のついでにおいしいもの食べるとか、それでよかったらって始めたんですけど。いまは楽しいですね。
岩 義務になるのが嫌やねんやろ?
石 なにかのためだと、縮こまっちゃう。何やるときも楽しんでます。その延長に漫才がある。
S それにしても、YouTubeを見るとずいぶんいろんな所に行かれてます。
石 仕事が決まったら、その前後のスケジュールを押さえて。効率よく回れるように考えてます。
岩 どっか行くとはいっても仕事もあるんで、やりたいことは全部できなくて。やり残したことが次行くときの目的になりますね。そういう感じであちこち行ってます。
S なるほど、趣味が仕事みたいな感じでしょうか?
石 でも好きなことを仕事にするっていうのを2人とも抵抗があるんです。趣味は趣味。その間のバランスを取るのをいつも模索してる感じですね。
岩 その距離感がYouTubeはいい感じですね。
石 儲かってないけど楽しい。ここから興味持ってくれて、ラジオとか舞台につながってる。うちのお客さんはYouTubeやラジオのリスナーさんが凄く多いんですよね。

S いろいろと経験されてきたお二人ですが、何か変わってきた部分ってありますか?
石 最初は、舞台で受けへんくて。斜に構えてた部分もあるし。二人で話してその話を聞いてくれる人を広げていく作業でしたね。10年くらいやってやっとそれに気づいた。
岩 お客さんと芸人という関係よりも、知り合いが前にいる感覚で見てもらえるようになった。今日は、みんなになにしゃべろかなみたいな舞台になってきましたね。
S それには何かきっかけが?
石 (笑福亭)鶴瓶さんが、もっと普通にしゃべった方がいいってアドバイスくれて。「長い目で見たら普通にしゃべるのがええんや」と。
岩 そこからラジオ番組に繋がって、出発点はここかもしれません。
石 特にお礼は言えてないけど、凄く感謝してます。
岩 漫才の感じが変わったのは、ほんとここからですね。

S しゃべくり漫才を得意とされると思うのですが、ライブはどんな感じに?
石 単独ライブではコントもやります。もともと女優になりたかったですしね。
岩 漫才コントもやりたいですね。コミカルな動きを生かしたり。
石 昔はめっちゃ動いてたけど、いまは太りすぎたわ・・・・・・。
S では最後に、読者にライブのアピールをお願いします。
石 実はサヴィに出てる人みんなオシャレやから、最初この取材断ろうかなって思ったんですよ。
岩 何いうてるねん。ライブは、一泊二日のツアーに参加したような満足感を一緒に味わってもらえるように出来れば。舞台と観客の垣根を取っ払って、同じ時間を楽しめればと思います!

それではどうぞよろしくお願いいたします。

大阪府門真市出身の岩見真利(左)と、岡山県新見市出身の石原裕美子(右)が大阪教育大学在学時に出会い結成。共通の趣味は、相撲観戦。2022年に文化庁芸術祭賞 優秀賞受賞
松竹芸能公式HP「チキチキジョニー」

チキチキジョニー単独ライブ「チキチキドーン!~ネタ大盛り~」
日程:2025年1月12日(日)
場所:ドーンセンターホール
時間:13:00開演(12:30開場)
[チケット情報]はこちら

写真/橋口まさみ

※〈編集日記〉は毎週金曜更新、次回は12/13(金)予定です
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SAVVY1月号『よしもと漫才劇場となんば』
発売日 2024年11月22日(金)定 価 900円(税込)