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今月のイチオシ作品を、20年以上関西の演劇シーンを見つめ続けるフリーライター・吉永美和子が5作品をピックアップ!

文/吉永美和子
20年以上関西の演劇シーンを見つめ続けているフリーライター。地元の小劇団から伝統芸能まで、ジャンルを問わずに観劇している。趣味は旅行といろんなお茶をたしなむこと。

※チケットの販売状況、当日券については各HPやSNS等で最新の情報をご確認ください。

<今月の“超”劇推し!>
☑劇団四季オリジナルミュージカル
『ゴースト&レディ』

写真/上原タカシ

歴史×アクション漫画が原作の新作、ついに関西に

海外の名作のみならず、最近はアニメや漫画を題材にしたオリジナルミュージカルにも挑戦している劇団四季。2024年に初演され、「今まで見た舞台の中で最高の作品」という観客が続出した傑作が、ついに大阪に初上陸する。原作は『うしおととら』などで知られる藤田和日郎の中編コミックス。劇場に住み着くゴーストとなった元決闘代理人・グレイの元に「私を殺して」と願う令嬢、フローレンス・ナイチンゲール(フロー)が現れる。彼女が絶望の底まで落ちたときに殺すという約束をしたグレイだが、フローは看護師として目覚ましく活躍。しかしフローが派遣されたクリミア戦争の野戦病院で、二人は思いがけない存在とぶつかることになる……。
 看護師としての地位を高めたナイチンゲールの若き日の物語に、胸が躍るようなアクションやファンタジーを絡めた大胆なストーリー。そこに「劇場のゴースト」という設定を生かした舞台ならではの仕掛けと、劇団が長年培ってきた技術を最大限に詰め込んで、最高にスリリングで風変わりな舞台作品が誕生した。原作と同じく、ラストでは多くの人を涙させたという必見の舞台。完売の回も多いけれど、来年の日程ならチケットゲットのチャンスあり!

劇団四季オリジナルミュージカル『ゴースト&レディ』
日程/12月7日(日)~2026年5月17日(日)
場所/大阪四季劇場
原作/藤田和日郎「黒博物館 ゴーストアンドレディ」(講談社『モーニング』)
演出/スコット・シュワルツ
脚本・歌詞/高橋知伽江
作曲・編曲/富貴晴美
料金/S席12,000円~(全席指定)ほか 発売中
チケット情報/https://www.shiki.jp
問い合わせ/0570-008-110(劇団四季ナビダイヤル)

☑ヨーロッパ企画『インターネ島エクスプローラー』

宣伝美術/山下浩介

冒険に同行する感覚を味わえる、京都の劇団のコメディー

一風変わったシチュエーションと、予測不能なアイデアに満ちたコメディーが人気な、京都の劇団・ヨーロッパ企画の最新作。今回は「冒険」をキーワードに、現代でもまだ前人未踏の島へ探検しに来た人々の、悲喜こもごもを見せていく。近年の舞台では、観客に旅行中みたいな感覚になってもらえるよう、異国感や非日常感が強めの設定を意識しているという“ヨロ企”。今作ではまさに、登場人物たちと共に未知なる場所を巡っているような感覚を、斬新な仕掛けを使って体感させてくれるはずだ。主宰・上田 誠脚本のドラマ『魔法のリノベ』での好演も記憶に新しい、金子大地がゲスト出演するのも期待大!

ヨーロッパ企画『インターネ島エクスプローラー』
日程/12月18日(木)~21日(日)
場所/京都府立文化芸術会館
作・演出/上田 誠 音楽/王舟 
出演/石田剛太、金丸慎太郎、呉城久美、金子大地 ほか
料金/一般7,000円(全席指定)ほか ※土・日は+500円 
チケット情報/https://www.europe-kikaku.com
問い合わせ/06-6357-4400(サウンドクリエーター)

☑舞台『1995117546』

大震災のリアルな経験を、30年の時を経て舞台化

東京2020パラリンピック開会式の演出で、その名が知られた劇作家・演出家のウォーリー木下。関西で演劇活動を始めた彼は、阪神・淡路大震災で一時生き埋めになったという経験を持つが、震災30年となる年に、ついにその出来事を舞台化する。とはいえ決して直接的には描かず、猫に自分の救出を託す青年や、友人を探す学生たちなど複数の話を交錯させて、「あの日の神戸」を立体的に表現する。「過去を振り返るのではなく、未来を照らすような作品に」という木下。一見ネガティブな題材を、ポップで希望に満ちた世界へとトランスフォームさせてきた木下の集大成と言える舞台になりそうだ。

舞台『1995117546』
日程/12月13日(土)・14日(日)
場所/兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
企画・作・演出/ウォーリー木下 
出演/須賀健太、中川大輔、斎藤瑠希、前田隆成、田中尚輝、小林 唯
料金/一般9,500円(全席指定)
チケット情報/https://www1.gcenter-hyogo.jp
問い合わせ/0798-68-0255(芸術文化センターチケットオフィス)

☑『デスノート THE MUSICAL』

©大場つぐみ・小畑健/集英社

日本中を夢中にした、サスペンス漫画がミュージカルに

名前を書き込まれた者は、必ずそこに書かれた通りの死を迎える……そんな恐るべきノートを使って「神」になろうとする高校生・月(ライト)と、それを阻もうとする世界一の名探偵・L(エル)の手に汗握る心理戦を描き、大ヒットした漫画『DEATH NOTE』。ちょうど10年前に初演されたミュージカル版が、キャストをほぼ一新して再演される。それぞれの登場人物の心の声を、音楽を通して分かりやすく観客に提示していくミュージカルのスタイルと、原作との相性の良さにびっくりするはずだ。月役もL役も、有望な若手俳優たちがキャスティングされたなか、初演で月を演じた浦井健治が、死神・リューク役で戻って来るのにも注目したい。

『デスノート THE MUSICAL』
日程/12月20日(土)〜23日(火)
会場/SkyシアターMBS
原作/『DEATH NOTE』(原作:大場つぐみ 作画:小畑健ジャンプコミックス刊) 
出演/加藤清史郎・渡邉 蒼(Wキャスト)、三浦宏規、鞘師里保、リコ(HUNNY BEE)、濱田めぐみ、浦井健治、今井清隆 ほか 
料金/15,000円(全席指定) ※土・日・祝は+1,000円
チケット情報/https://www.umegei.com 
問い合わせ/0570-077-039(梅田芸術劇場)

☑雲門舞集(クラウド・ゲイト・ダンスシアター)『WAVES』

映像と身体の融合が作り上げる、未来形のダンス公演

音楽ユニット・Perfumeのステージ演出や映像制作をはじめ、テクノロジーとアートと音楽をハイレベルで融合させた活動で、メディアアートシーンをリードするクリエーティブ集団・ライゾマティクスの真鍋大度。台湾のダンスカンパニー・雲門舞集(クラウド・ゲイト・ダンスシアター)とコラボレーションした衝撃作が、京都で初めてお披露目される。人間の体から発せられても目に見えることはない、波のような動的エネルギーを、AI等のデジタル技術を用いてビジュアル化。その映像とダンサーたちの動きをミックスすることで、驚くような光景が舞台上に出現する。人間の動きに一層の躍動感と神秘性を感じられる、貴重な体験ができるはず。

雲門舞集(クラウド・ゲイト・ダンスシアター)『WAVES』
日程/12月17日(水)
会場/ロームシアター京都 メインホール
振付・コンセプト/鄭󠄀宗龍(チェン・ゾンロン) 
コンセプト・ビジュアル・音楽・プログラム/真鍋大度 
料金/一般5,500円(全席指定)ほか
チケット情報/https://rohmtheatrekyoto.jp 
問い合わせ/075-746-3201(ロームシアター京都 チケットカウンター)

※チケットの販売状況、当日券については各HPやSNS等で最新の情報をご確認ください。

※この記事は2026年1月号からの転載です。記事に掲載されている情報は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。

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SAVVY1月号「関西の手みやげ」
発売日:2025年11月21日(金)定 価:900円(税込)