今月のブックショップスタッフ
［シスターフッド書店Kanin］京極祥江さん

京都・北白川［シスターフッド書店Kanin］

『女の本屋の物語』

著／中西豊子
ドメス出版　1,760円

日本初の女性問題専門店を京都で始めた女性の一代記

日本で初めての女性問題専門書店は、京都にありました。1982年に中西豊子さんが開いた［ウィメンズブックストア松香堂］です。フェミニズムが今ほど理解されていなかった時代に、女性問題についての本を販売・出版するだけでなく、イベントを企画したり、困った女性の駆け込み寺になったりと、そのバイタリティにわくわく。京都でまかれた女性連帯の種を継いでいきたいと、幼馴染と共に［シスターフッド書店Kanin］を始めたきっかけになった本です。

『決定版　第二の性』全3巻

著／シモーヌ・ド・ボーヴォワール　訳／『第二の性』を原文で読み直す会
河出書房新社（河出文庫）　1,320円～1,485円

全てはこの本から始まった。フェミニズムの古典

「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」というフレーズがあまりにも有名な古典。3巻もある上に文章は長くて引用が多いし、哲学用語が随所に挟み込まれてくるし、決して読みやすい本ではありません。けれども性差に関するもやもやを抱えている人なら、読み進めるうちに「私の悩みに対する答えが、ここに全て書いてある！」と思えるはず。［シスターフッド書店Kanin］で月1回、『第二の性』の読書会を開催していますので、ご興味ある方はぜひご参加ください。