久しぶりの旅は、
急がず、のんびりと、新型フェリーが誘う、聖地・大分へ。
由緒ある神社で心を浄化した後は気の向くまま
ご当地の味を巡って。
1月に就航した「くれない」。現行船に比べ窒素酸化物と二酸化炭素の排出を大幅削減。静粛性も向上した。
当時の最新技術を搭載した客船「くれない」と「むらさき」が、大阪〜別府就航110周年を記念し、復活。伝統の名にふさわしく、環境負荷の低い日本初のLNG燃料で地球に優しい船旅を提案する。乗客を出迎える3層吹き抜けのアトリウムや、現行船の倍の広さになった展望大浴場を含む共有スペースは“非日常”そのもの。他にもデッキからの夜景や、レストランではりゅうきゅうといった航路ゆかりの郷土料理など、船旅だからこその体験に心が躍る。
ホテルのような3層吹き抜けのアトリウム(左)。客室は、コンパクトだけど快適なスーペリアツイン(右上)や和洋コネクトのセミスイート(右下)などタイプもさまざま。
レストラン(バイキング大人2,000円)では大分の郷土料理も。
さんふらわあ くれない
大阪南港発→別府行き(下り)
日~木 19:05発→翌朝 6:55着
金・土 19:55発→翌朝 7:45着
HP/www.ferry-sunflower.co.jp
※ 時刻は2023年3月現在。
ハンカチや紙に数滴垂らして。貴重なクスノキの精油100%の「くすの香」13㎖ 3,000円
三角形が寄り添うように並ぶ「夫婦石」(下)。石を踏むと夫婦円満、良縁を結ぶ御利益が。
全国に4万余社ある八幡社の総本宮で、725年(神亀2年)、現在の場所に社殿が造立。国宝の本殿もさることながら、目を奪われるのが脇にそびえるクスノキの御神木だ。樹齢800年とも言われる霊木、それを御守に仕立てたのがこの「くすの香」。天然精油に御神木の一片を加えたもので、社の澄んだ空気ごと瓶に閉じ込めたかのよう。清浄な香りと共に、宇佐の神々のパワーを身にまとって。
宇佐神宮 うさじんぐう
大分県宇佐市南宇佐2859
営業時間/5:30~19:00(10~3月は6:00~)
定休日/なし
HP/www.usajinguu.com
アクセス/宇佐ICから車で15分
静ひつな空気が満ちる三角池。現在もハスやオニバスなど貴重な水生植物が自生し、県の天然記念物に指定されている。
宇佐神宮の祖宮と伝わる古社。外宮の社殿に対し、内宮の御神体は5万ヘクタールもの広さを誇る三角池で、宇佐神宮の神事ではこの池に自生するマコモで編んだ枕を神輿に納めるのが慣例だった。原始の生態系を今に残す三角池の歴史は創建よりもさらに古く、祭神として祀られる八幡大神は池の守り神でもあったそう。参拝方法は宇佐神宮と同じ「二拝・四拍手・一拝」。御朱印の授与も。
「米の蔵」の酒蔵見学では酒造りの講習を受けた後、醸造場にて櫂入れを体験。日本酒の飲み比べができるバーや限定酒·和香牡丹 輪奏 生酒を販売するショップも。
本格麦焼酎・いいちこで知られる三和酒類が、創業の地である宇佐に新施設をオープン。原材料にちなんだ「米の蔵」と「麦の蔵」を舞台に、“体験”を通じて発酵の面白さを発信する。例えば平日1日2組(無料・定員5名)の酒蔵体験では、蔵人の案内のもと酒造りの現場を体感。学びを深めた後にいただくお酒のおいしさはひとしおだ。日本酒や焼酎、クラフトビールなどここだけの限定酒も忘れず手に入れたい。
クラフトビールを醸す「麦の蔵」。飲食スペースでは特製アテと共にフレッシュな1杯を。地元産大麦使用のニシノホシエール610円、宇佐辛島“味噌麹”焼き3品盛り合わせ1,080円
辛島 虚空乃蔵 からしま こくうのくら
大分県宇佐市辛島4-3
営業時間/10:00~17:00(フード16:00LO、ドリンク16:30 LO)※酒蔵見学(平日)10:30〜11:00、14:30〜15:00
定休日/水(祝日の場合は営業)
席/米の蔵4席、麦の蔵22席
カード/可
HP/www.sanwa-shurui.co.jp/factory/karashima
アクセス/宇佐ICから車で8分
男湯、女湯は週で入れ替え。ゆったりした内湯に、趣の異なる数種類の露天風呂。気分に合わせてぜひ湯巡りを。
春は山桜が彩る中津のシンボル、八面山の裾野に広がる温泉施設。里山の風景が残る敷地に自然美を生かした数種類の露天風呂、開放的な大浴場、貸切家族風呂を擁する。泉質は関節痛や冷え性を改善する低張性弱アルカリ性。とろみのある湯触りで、美肌効果も期待できるそう。春の訪れをそばで感じながら、温泉に思う存分浸りたい。
八面山金色温泉
はちめんざんかないろおんせん
大分県中津市三光田口字金色584-1
営業時間/10:00~22:00
定休日/なし
料金/700円
HP/www.kanairo.co.jp
アクセス/中津ICから車で10分
生地の小麦粉も地元産。1枚につき一束分のネギを使って焼きあげる豚ねぎ焼き700円〜
大分の特産品「味一ねぎ」の農家による直営店。自慢の味わいを引き出すため辿り着いたのが、関西でもおなじみのねぎ焼きだった。じっくり火を通すことで持ち味の辛みが甘みに変化。一枚で新鮮さの証であるみずみずしい食感と、土壌栽培だからこその凝縮感のある味を満喫できる。ソース以外にしょうゆや塩レモン味も。
ねぎ屋さんのねぎ焼き 神宮店
大分県宇佐市南宇佐2222-4 宇佐神宮仲見世
営業時間/11:00~16:00 定休日/火・金
席/12 カード/不可
HP/neginegidan.jp
アクセス/宇佐ICから車で11分
地元では砂糖代わりに料理にも使う宇佐飴200円(5個)〜。県産イチゴなどフレーバーも多彩。
神功皇后が皇子で宇佐神宮祭神の八幡大神に与えたといういわれのある宇佐飴。麦芽ともち米の水飴を用いた昔ながらの製法で手作りする飴は口溶け良く、砂糖不使用・無添加で、溶けるほどに甘みが増す穏やかな味わいに思わず頬が緩む。宇佐の人でなくてもバッグに忍ばせておきたい名品だ。
是恒商店 これつねしょうてん
大分県宇佐市南宇佐2222-5
営業時間/10:00~16:00
定休日/水・木 カード/不可
Instagram/@usa.ame.koretsune
アクセス/中津ICから車で30分
力のある食感で噛むほどに味わいが増す、砂ずり串1本120円。からあげ100g 210円
コンビニよりもからあげ屋が多い“からあげの聖地”こと中津で、1975年に精肉店として開業。店頭で揚げるからあげが大人気となり、現在は専門店に。仕込みは市内の養鶏場から届く丸鶏をさばくところから。ニンニクが香るしょうゆベースのタレと秘伝タレの2段仕込みで、軽やかな衣とパンチのある味わい。揚げたてあつあつにかぶりついて。
からあげ おきな
大分県中津市耶馬渓町柿坂525-4
営業時間/9:00~19:00
定休日/火 カード/可
Instagram/@okina_yabakei
アクセス/中津ICから車で28分
ACCESS
別府から薦神社まで/車●別府港から東九州自動車・別府IC→中津IC→R212→県道663号。別府から約1時間