日本海と山の幸に恵まれた鳥取県は、
おいしいものの宝庫。
東部・中部・西部と、
鳥取の土地の恵みを目いっぱい楽しむ旅へ。
ブルーベリーレアチーズ750円。鳥取県産の生クリームを使ったレアチーズは濃厚な舌触り。
戦国時代に整備され、江戸時代以降は山陰道の一部である「鹿野往来」の宿場町として発展した鳥取市鹿野町。この町に残る洋館を利用したカフェがある。店主は松本 凌さんと松井日向さん姉妹。高校生の頃から食に興味を持ち、カフェ経営を夢見た二人は、まずは野菜を作れるようになりたいとそれぞれ大学で農業を学ぶことに。自家菜園や鳥取県産の素材、そして全国にいる知人の生産者から届く食材を使ったメニューを振る舞う。旬の素材をそのまま、またはシロップやペーストに加工して作るメニューは、どれも素材の力強い味わいや香りが印象的だ。その上でビジュアルもかわいく仕上げる点は、カフェ好きでもある二人ならでは。
店主の松本 凌さんと松井日向さん。フードは凌さん、スコーンなどスイーツは日向さんが担当。
トマトとバジルのオープンサンド900円は、鳥取県産トマトが主役。
時々
鳥取県鳥取市鹿野町鹿野1727-1
営業時間/11:00~16:30LO 定休日/木・金
カード/可 座席/17
Instagram/@t_kidoki
アクセス/瑞穂宝木ICから車で15分
鳥取を象徴する圧倒的な自然風景
観光できる砂丘として日本最大級の広さを誇り、日本海沿いに広がる壮大な砂丘。鳥取、兵庫、京都にまたがる山陰海岸ジオパークの一部にもなっている。高さ約47mの「馬の背」と呼ばれる丘や、風と砂が織りなす風紋など自然が作り出す風景が幻想的。ラクダと記念撮影すれば、さらに異国情緒まで味わえること間違いなし!
鳥取砂丘
0857-22-0021
(山陰海岸国立公園鳥取砂丘ビジターセンター)
鳥取県鳥取市福部町湯山
営業時間/見学自由
料金/ラクダ記念撮影料金100円〜
HP/www.sakyu-vc.com
アクセス/鳥取ICから車で20分
バターチキンカレー(写真中央)と特製チキンカレー(同左)のセット2,310円。サイドディッシュとパパド付き。
総務省の家計調査で、二人以上の世帯で過去10年間のカレールゥの購入額が全国トップになるほどのカレー好きと言われる鳥取県民。こちらは白壁土蔵群の町並みの中で2012年にオープンした人気店だ。歴史的な町並みに溶け込む古民家で営まれる店内には、無国籍かつ穏やかなムードが。店主は千葉県の有名インド料理店で腕を磨いた石亀綾子さんと、倉吉市出身でコーヒー担当の政宏さん夫妻。定番のバターチキンカレーには大山乳業の生クリームとバターをたっぷり加え、クリーミーなコクを味わえるように。特選チキンカレーには骨付きの鹿野地鶏を使い、その豊かなうま味をホールスパイスで引き立てている。地元の福光焼の器など、店内の随所に漂う鳥取メイドのエッセンスもすてき。
店内では地元の食材やオリジナルの雑貨、クラフトビール330㎖770円などを販売。
鎌倉[café vivement dimanche]焙煎の豆で淹れるコーヒー440円は深煎りのこっくり風味。
夜長茶廊よながさろう
鳥取県倉吉市西町2698
営業時間/11:00~14:00LO
定休日/月・火(祝の場合は営業、翌日休) カード/可
座席/12 HP/yonagasarou.com
アクセス/倉吉ICから車で5分
江戸時代の町並みが時を経て残る
室町時代に打吹城の城下町として形成され、江戸時代には陣屋を中心に武家屋敷が建てられたエリア。その当時の建物が多く残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。蔵にかかる赤色の瓦は、山陰地方の風土の一つ。赤い瓦と白壁の蔵が玉川沿いに建ち並び、風情豊かな景観を生み出している。
山陰地方を代表する良港であり、日本国内でも有数の漁獲量を誇る漁港、境港。水揚げ量日本一の生マグロやカニをはじめ、さまざまな魚介が1年を通して水揚げされる。そんな港から車で5分の海産物市場[大漁市場なかうら]に隣接する[お食事処 弓ヶ浜]では、新鮮な魚介を丼や定食で気軽に楽しめる。海鮮丼はその日のお薦めネタ9種類ほどを盛り合わせ、旬の味を一度に堪能できるお値打ちの品。冬季には、名物のかにトロ丼も一押し。カニの身を熟成させることで、まるでマグロのトロのような深いうま味が味わえる。メニューに使うネタの豊富さと鮮度の良さは、市場が母体だからこそ。旬の魚介を思う存分どうぞ。
隣の[大漁市場なかうら]では山陰の海産物、特産物などお土産にしたい品が見つかる。
海鮮丼1,800円。夏から晩秋にかけて捕れるソデイカは、弾力ある食感と甘いうま味。ほかに鯛、アジ、水ダコなど大半のネタが境港で揚がったもの。小鉢、漬物、みそ汁付き。内容は時期によって変わる。
“日本一の低さ”でも眺望は抜群!
1997年の山陰・夢みなと博覧会の際に建てられたが、近くに飛行場があるため高層建築がかなわず、地上43mという「日本で一番低いタワー」に。太い骨組みを使わないテンセグリティ構造を採用し、全面ガラス張りの開放感と鳥取・日南町産の杉を生かした温かみが特徴。最上階の展望室からは弓ヶ浜半島や大山を望むパノラマビューが広がる。
夢みなとタワー
鳥取県境港市竹内団地255-3
営業時間/9:00~18:00(10~3月は~17:00)
料金/入館料300円 定休日/第2水
HP/www.yumeminatotower.gr.jp
アクセス/米子東ICから車で30分
グルメを堪能したあとは、日常のテーブルを彩る、器をお土産に。
全国的に人気の窯元が多く、木工も盛んな鳥取だから、好みのものがきっと見つかるはず。
山根窯
因州和紙でも知られる青谷町山根にある窯元。登り窯で焼成した形、あめ釉薬で描くダイナミックな模様は、一つとして同じものがないのも魅力。スリップウエア皿18,700円
延光寺窯
岩美町の山あいに工房を構え、地元で採れた土、石、もみを材料にし、手作りの登り窯で焼き上げる。ふっくらとしたフォルムと深い瑠璃色が美しい面取りポット9,680円
東部の岩美郡にある[おぐら屋]が約90年作り続ける木彫り人形。ろくろでひいた体に泥絵の具で着色する十二支(木箱付き)17,600円
まずはここ、日本初の民芸専門店
鳥取の新作民芸をけん引した吉田璋也が1932年に創業した、日本最古の民芸専門店。屋号は民芸運動の父と呼ばれる柳 宗悦が命名したもの。鳥取市にある窯元の陶器をはじめ、木工、染色、竹工、漆工、紙など、民芸の心を受け継ぐ新作作家の品々を扱う。企画展を開催する2階のギャラリーは、民芸の家具で設えられた空間自体もすてき。
鳥取たくみ工芸店
鳥取県鳥取市栄町651
営業時間/10:00~18:00
定休日/水 カード/可
Instagram/@tottori_takumi
アクセス/鳥取西ICから車で8分
鳥取民芸木工
県の無形文化財に指定されている福田豊の作品。使い込むと木目がより鮮明になり、表情の変化も楽しめる。菓子器(栗材)拭き漆仕上げ(内側木瓜面・高台付き)27,500円
福光焼
蹴ろくろで成形、登り窯で焼成する福光焼は倉吉市の窯元。面取りの大胆でシャープなラインが特徴的! 右から、稲わらの灰釉で焼き上げたピッチャー7,700円、湯呑2,200円
2014年まで86年間続いた玩具工房[柳屋]の技を受け継ぐ「YANAGIYA REPRODUCT」が制作した堂内天神1,760円
現代の暮らしになじむ生活道具
自身も木工を学んだ店主の田中信宏さんが地元の民芸品の魅力を発信するショップ。陶器をはじめ織物、鍛造品、食品まで、扱うのはほぼ100%鳥取県内で作られたもの。倉吉市で活動する二人の木工家が共作したランプや、鍋敷きにも鍋つかみにもなる程よいサイズをオーダーしたあじろ織のマットなど、田中さんと作り手が協働して作られたオリジナル製品も多い。
COCOROSTOREココロストア
鳥取県倉吉市魚町2516
営業時間/10:00~17:00
定休日/月・火&第1・3・5日曜 カード/可
Instagram/@cocorostore
アクセス/倉吉ICから車で5分
智頭曲げわっぱ
智頭町で多様な木材を使って木工品を制作する職人、草刈庄一のブランド「モッカツ」から、智頭町産の杉を使った曲げわっぱ(小)市松6,600円。木の香りが、すがすがしい。
国造焼
県内の窯元、国造焼の四代目が[SHIMATORI]とコラボレーションした、カフェでも使われる白釉飛鉋カレー皿3,850円。すくいやすいようへりの角度が計算されている。
伯州綿で名高い弓ヶ浜地方にある[工房ゆみはま]による正藍染め、はた織りのポーチ4,400円。格子柄が素朴なかわいさ。
地元の名物書店が雑貨を目利き
山陰でチェーン展開する書店[今井書店]が手掛ける、ライフスタイル雑貨とカフェの複合ショップ。「ほんとのくらし」をコンセプトに、繰り返し読みたい本や、全国からセレクトした生活雑貨をそろえる。デザイン性、機能性を兼ね備えた雑貨が並ぶなかでも、山陰地方で作られたアイテムが充実。作り手とのコラボレーションで生まれたアイテムも。
SHIMATORI 米子店シマトリ
鳥取県米子市新開2-3-10 本の学校内
営業時間/10:00~22:00(カフェ〜21:00LO)
定休日/なし カード/可
HP/www.shimatori.net
アクセス/米子ICから車で10分
ACCESS(大阪市内から鳥取市内まで)/車●阪神高速池田線・福島料金所→中国縦貫自動車道・中国池田IC→佐用JCT→鳥取自動車道・佐用平福IC→鳥取IC→R29。大阪市内から約2時間30分、片道料金4,050円〜