王道 悠久の昔から続く飛騨の山並み
あたらしい ライブラリーから足湯に続くシームレスな空間

飛騨高山にまつわる本を備えた離れ棟(左下)と、湯の川が注ぐ中庭をつなぐようにしつらえた足湯は、雄大な自然と地域の文化に触れることができる[界 奥飛騨]の象徴的な場所。

旅のお目当ては温泉旅館。木々の声に耳を澄ます【界 奥飛騨】

北アルプスの山々に抱かれ、
全国でも有数の
豊富な湯量を誇る岐阜県の奥飛騨温泉郷。
2024年誕生の[界 奥飛騨]は
“飛騨デザイン”を
テーマに森林の恵みを堪能できる場所に。
すがすがしい山の空気を味わいながら
山岳地帯ならではの湯治体験を。

写真/竹田俊吾 取材・文/村田恵里佳

北アルプスの恵みに癒やされ
山岳の文化に触れる湯宿

岐阜県北東部に位置する奥飛騨温泉郷。中でも平湯と呼ばれるささやかな温泉街に誕生した[界 奥飛騨]は、標高1250m付近にたたずむ山の湯宿。周囲には活火山のアカンダナ山や焼岳など、北アルプスの名峰がそびえる。すがすがしい山の空気に満ちた敷地内には、二つの客室棟と湯小屋棟、離れ棟が点在し、その中央に中庭(写真上)が。奥飛騨温泉郷の中でも最も長い歴史を持つ平湯には、共同浴場へ歩いて出掛け、湯浴みする習慣があった。そのため滞在中は館内の湯小屋だけでなく温泉街も巡ってもらえるようにと、地域の路地や辻へ通じる配棟に。コンセプトは「山岳温泉にめざめ、飛騨デザインに寛ぐ宿」。「飛騨MOKUの間」と名付けられた客室には、露天風呂を備えた空間もあり、上質な滞在時間を通して、地域伝統の文化に触れることができる。

伝統的な湯治をヒントに考案されたさまざまなステイプランを、「ご当地楽」「ご当地部屋」など地域の伝統文化を取り入れたサービスと共に楽しめる、星野リゾートの温泉旅館ブランド。国内の温泉地に23施設を展開し、温泉大国の恵みを新しい形で提案する。

日本各地の界も要チェックです!

GUEST ROOM 木の温もりに包まれる 客室

広葉樹の美しさを引き出す“飛騨デザイン”を堪能

洗練されたモダンな装いながらも、飛騨地方の代表的な広葉樹を用いた曲木のヘッドボードや、地元の飛驒産業が地域の材から作る椅子、伝統的な漆塗りで仕上げたウッドアートなど、天然木が随所に散りばめられた客室はまさにくつろぎの間。木工にとどまらず、手すきの山中和紙を張ったあんどんや、日本三大美祭の一つ、高山祭の衣装に欠かせない飛騨染のクッションなど、地域伝統の多様な工芸を身近に感じることができるのもぜいたくだ。

あたらしい 曲木の技術を用いた室内デザイン
王道 地元メーカーが手掛ける家具

1/木肌の美しさを引き立てる飛騨春慶(漆器の一種)のウォールアート。そのたたずまいはクールで優美。 2/寝台を覆うヘッドボードは、ブナ、タモ、サクラ、ナラといった木材をグラデーション状に配したもの。 3/クルミやウダイカンバなど、地域の樹木を素材にした愛らしいルームキーホルダーは手触りも抜群。 4/全客室に地元・飛驒産業による曲木の椅子を完備。ロッキングチェアは2室ある特別室限定。

GUEST ROOM 木の温もりに包まれる 客室

\曲木にトライ!ご当地楽/

古来より樹木を生かした物作りが盛んだった飛騨。そんな土地だからこそ生まれた職人集団(通称「飛騨の匠」)による技術の一つ・曲木を実際に体験! 参加無料、要予約。

湯巡りのお供にピッタリ

館内の椅子にも掛けてみて!
全客室(1〜3)はもちろん、ご当地楽が行われる離れ棟(4)や大浴場の湯上がり処(5)、夕食や朝食をいただく食事処など、館内のあちこちに地元メーカーの飛驒産業が手掛ける名作チェアを配置。空間ごとに造形や仕様が異なる多彩さで、それぞれの座り心地を楽しむことができる。ひとたび座ればお尻に根が生える、その安心感は体験してこそ。

HOT SPRING 大自然を体感する湯治体験

山の麓に抱かれるような空間で肌に柔らかな名湯を

40種の源泉がある平湯温泉。外湯を巡れば個性豊かな泉質を楽しめるからこそ[界 奥飛騨]のお湯は癒やし効果が期待できる治し湯に。泉質はナトリウム・カルシウム−炭酸水素塩・塩化物泉で、癖がなく肌触り滑らか。塩分を含むため保温&保湿の効果も備え、湯上がりはぽかぽかに。大浴場には成分が少しずつ異なる「あつ湯」と「ぬる湯」があり、山の気配を感じる露天も併設。穏やかな名湯をゆったり堪能できる。

3種の源泉をブレンドした掛け流しの「あつ湯」と、心身ともにリラックスできる「ぬる湯」は交互入浴が最適な美肌の湯。

王道 治し湯として最適な肌をいたわる温泉
あたらしい 空を切り取ったようなデザインの露天風呂

豪雪地帯である奥飛騨の冬の風物詩、“雪の回廊”をモチーフにした露天風呂は、まるで雪原にたたずむような心地に癒やされる。

うるはし現代湯治
お湯印帳を持って参加してみて!

全国23施設ある「界」の旅の記録を押印で残すことができる「お湯印帳」。「温泉いろは」参加者には無料で進呈され、館内での購入も可。300円

①温泉いろは
雨天を除き、毎日16:10〜開催。スタッフ自ら語り部のように、地域の山岳にまつわる話から平湯温泉の特徴、[界 奥飛騨]の泉質やお薦めの入浴法まで楽しく紹介。宿周辺のミニツアー付きで所要時間約30分。参加無料、予約不要。

あたらしい 名湯を楽しむための楽しいガイダンス

②現代湯治体操
アカンダナ山から太陽が昇る早朝に中庭で開催。おのやのこぎりを使う木こりの動作を取り入れた体操で心肺機能を活発に!通年7:10〜、所要時間約20分。参加無料、要予約。

Dinner&Breakfast 体にしみわたる山里の美味 料理

心の浮き立つ演出で味わう山の恵みや郷土の味

40種の源泉がある平湯温泉。外湯を巡れば個性豊かな泉質を楽しめるからこそ[界 奥飛騨]のお湯は癒やし効果が期待できる治し湯に。泉質はナトリウム・カルシウム−炭酸水素塩・塩化物泉で、癖がなく肌触り滑らか。塩分を含むため保温&保湿の効果も備え、湯上がりはぽかぽかに。大浴場には成分が少しずつ異なる「あつ湯」と「ぬる湯」があり、山の気配を感じる露天も併設。穏やかな名湯をゆったり堪能できる。

王道 伝統的な食べ方でいただく飛騨牛

夜の特別会席より、先付け(上右)(上)は豆乳で仕立てた茶碗蒸しに、“すったて”と呼ばれるすりたての大豆や野菜のあんを添えて。台の物(上左)(下)は焼き石で好みの加減に仕上げて味わう飛騨牛で、軟らかな食感から立ち上がる豊潤なうま味が絶品。飛騨コンロを模した器で供される甘味(右)(中央)は、地域特有の塩味が効いたみたらし餡でいただくマシュマロ。網の下には炭に見立てた黒ゴマアイス&竹炭のクランブルまで!

あたらしい 飛騨コンロ風!?遊び心いっぱいの甘味

冬の保存食に“寒干し大根”を仕込む奥飛騨らしい、干し野菜を盛り込んだみそ鍋が起き抜けの胃袋を温めてくれる至福の朝食。サラダなど洋の要素も織り交ぜた全15品からなる充実の内容、川魚を甘辛く煮上げた“ぼっか煮”、地域伝統の赤カブラの漬物“めしどろぼ漬”など、郷土色豊かな献立が旅の気分を盛り上げてくれる。

界 奥飛弾[岐阜・高山市]

050-3134-8092(界予約センター)

岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯138

IN●15:00 OUT●12:00 49 

31,000円~(1室2名利用時1名あたり、2食付き、サ・入湯税込み)

濃飛バス「平湯温泉」バス停から徒歩4分

ACCESS●
新大阪駅・新幹線→名古屋駅・特急飛騨→高山駅下車。
濃飛バス「高山濃飛バスセンター」→「平湯温泉」バス停から徒歩4分。
片道約12,710円、約5時間10分。

お土産にいかが?
パッケージもかわいい「飛騨の栗よせ」「味噌煎餅」

右から、“味噌煎餅”は、ハトムギやオオムギなどの野草&グラノーラを薄焼きの味噌煎餅に添えた現代仕様の逸品。5袋入り1,080円。ようかんに木の実と栗の実を忍ばせた“飛騨の栗よせ”6個入り880円は、風土が香る郷土菓子。

本館のショップには、お土産の他に、飛騨高山にまつわる伝統工芸品や、客室で使用する作家による器類など、心引かれる手仕事の品もそろう。

日本各地の界も要チェックです!
絶景な「界」へ!

界 秋保 [宮城・秋保]

050-3134-8092(界予約センター)

伊達家ゆかりの名湯として知られる秋保温泉に2024年開いた温泉宿。名取川の清流に面した開放的なラウンジや、渓谷の紺碧がそのまま染みこんだかのような客室で、奥州の美しい自然に心ゆくまで身を浸したい。

宮城県仙台市太白区秋保町湯元平倉1

IN●15:00 OUT●12:00 49 

31,000円~(1室2名利用時1名あたり、2食付き、サ・入湯税込み)

仙台西部ライナー「界 秋保前」バス停から徒歩すぐ

界 アルプス [長野・大町温泉郷]

050-3134-8092(界予約センター)

北アルプスの麓に位置する温泉宿。夜は満天の星空など四季折々の大自然を堪能できる大浴場をはじめ、伝統工芸の和紙で彩られた客室や、囲炉裏を囲む憩いの場など、信州の山里の空気を存分に味わえる空間に。

長野県大町市平2884-26

IN●15:00 OUT●12:00 48 

28,000円~(1室2名利用時1名あたり、2食付き、サ・入湯税込み)

JR信濃大町駅から車で15分