九州の隠れ里［界由布院］憩い旅 | 星野ケーションのススメ

全国2位の湧出量と源泉数を誇る人気の由布院温泉に、この夏、星野リゾートが手掛ける温泉旅館ブランド「界」の20施設目となる［界由布院］が誕生した。JR由布院駅から車で約10分という好立地ながら、宿の中心には由布院の原風景とも言われる棚田が配され、季節や時間によって変化する景色に癒やされる。山の緑が映える日中や空が赤く染まる夕方もいいけれど、秋から冬にかけての朝霧に包まれる幻想的な風景は格別だ。棚田のランドスケープを囲む施設の設計・デザインを手掛けたのは建築家の隈研吾。客室や館内には、棚田に由来する稲やわらのほか日田杉や竹、七島藺（しちとうい）といったご当地の素材をふんだんに用いて、上質でありながら里山の温もりを感じさせる、由布院らしい空間を演出する。

界とは？･･･伝統的な湯治をヒントに考案したステイプランを、「ご当地楽」「ご当地部屋」など地域の伝統文化と共に伝える、星野リゾートの温泉旅館ブランド。国内の温泉地に20施設を展開し、温泉大国の恵みを新しい形で提案する。

丸竹の連なる外壁が印象的なエントランス。由布岳を望む大自然に包まれて気分も高揚。

農家の台所に欠かせないかまどをイメージし、ユニークな羽釜オブジェを配したフロントカウンター。

上、棚田や由布岳が見える大浴場の露天風呂。季節や時間帯によって変化する雄大な景色を眺めながら、開放的な湯浴みを楽しめる。下、内湯のあつ湯は源泉掛け流し。泉質は弱アルカリ単純温泉。肌触りがやわらかく刺激が少ないため、子どもから高齢の方まで幅広い世代が入浴しやすい。

毎日開催される講座「温泉いろは」、紙芝居などを用いながらスタッフが温泉の楽しみ方を伝えてくれる。

毎日16：15から15分程度開催される講座「温泉いろは」（無料）。由布院の歴史や環境、泉質、界オリジナルの湯治スタイル「うるはし現代湯治」など、紙芝居などを用いながらスタッフが温泉の楽しみ方を伝えてくれる。

棚田に面した「棚田テラス」の席は、この宿を象徴する特等席。座イスにのんびり腰掛けながら、開放的な空と季節や時間で移り変わる棚田の情景を一望できる。青空や夕景、星空など移り変わる景色を眺めながら、癒やされてみて。

コンセプトは「棚田暦で憩う宿」。季節や時間の変化と共にさまざまな表情を見せてくれる。湯上がりには、かぼす蜜（右）などオリジナルドリンクをどうぞ。

「界」ブランドではおなじみ、ご当地の文化を体験できる「ご当地楽」。［界由布院］では、農閑期の手仕事である「わら綯（な）い」を体験しお守りを作る。手を合わせてわらをより合わせる様子は「祈りの形」にも通じるとも言われている。

右上、お造りや八寸などを盛り合わせた華やかな「宝楽盛り」。右下、先付はイノシシと由布院名産のシイタケをミンチにし、最中で挟んだ「猪と椎茸の最中パテ」（手前）。カボスのドレッシングで味わうクレソンのサラダを添えて。

メインの台の物は、イノシシ、鹿、アナグマ、牛肉という4種類の肉を、滋味豊かなすっぽんのだしに潜らせていただく「山のももんじ鍋」。スモモやカボスなど、それぞれの肉に合う薬味を使ったタレをつけていただく。1年を通して地元・九州のアナグマなどの希少なジビエを味わえるのは、ジビエ専門の食肉加工施設がある由布院だからこそ。山の恵みを存分に味わいたい。