豊かな自然に育まれた日本の土地には、それぞれの風土を生かした個性豊かなワイナリーが点在。海を望む丘陵地や山あいの小さな町に根ざしたワイナリーには、造り手たちの情熱と地域への深い愛情が詰まっています。
連載『FUJIMARU SIDEWAYS』は、[ワインショップFUJIMARU]の藤丸さんとともに、全国のワイナリーを巡る旅の記録。全国各地のワイナリーを訪ね、ワインの味わいだけでなく、そこに息づく人々のストーリーや土地の魅力に触れてきました。
この記事では、これまでの連載で訪れたワイナリーをお薦めのワイン、立ち寄りスポットと共にご紹介。旅のヒントやワイン選びの参考にチェックしてくださいね!

[ワインショップFUJIMARU]藤丸智史/大学卒業後、ソムリエを経て海外でワイン作りを学び、大阪で[ワインショップFUJIMARU]を開業。現在はブドウ作りからレストランまで展開する株式会社パピーユの代表取締役。Instagram @winefujimaru
1.富山・氷見
[SAYS FARM(セイズファーム)]
氷見だけの味わいを目指す
ワイナリーとオーベルジュ
2011年にオープンした100%自社原料のみのブドウで生産するワイナリー。シャルドネや注目のアルバリーニョなど、現在の取り扱いは7品種。風土を生かして醸されるワインは常に品薄の人気で、農園内には地元食材にこだわったオーベルジュやギャラリーが併設。氷見の自然に溶け込むような体験ができる。HPから事前予約すればワイナリー見学も可能。
SAVVY.jpで記事を読む
2.宮崎・綾町
[香月ワインズ(かつきワインズ)]
完全無農薬で醸造する、
自然に一番近いワイン
宮崎では不可能と言われた完全無農薬を実現し、現在は約40品種のブドウを栽培する。野生酵母でじっくりと発酵させ、ろ過器を通さずに時間を掛けて、クリアな上澄みだけを抽出するなど、完全無添加でワイン作りを行う。少人数のワイナリーのため、見学の際はメールから問い合わせを。
SAVVY.jpで記事を読む
3.宮崎・都農
[都農ワイン(つのワイン)]
地元産のブドウを使った
風土を表現するワイナリー
雨と台風が多くブドウ栽培には適さないとされる都農町で、1996年に設立。「ワインは地酒」という信念のもと、使用するのは地元で作られたブドウのみ。豊富な日照を受けたフルーティーなワインを中心にそろえ、国内外で高い評価を獲得する。ワインのテイスティングもできるワイナリーツアーは一人2,000円で、HPから要予約。
SAVVY.jpで記事を読む
4.長野・東御
[VILLA D’EST GARDENFARM AND WINERY
(ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー)]
壮大な景色を眺める、
丘の上のワインリゾート
北アルプスと千曲川を望む丘の上の耕作放棄地を開墾したワイナリー。12haの広大なブドウ畑のほか、花やハーブ、野菜を栽培するガーデンがあり、里山での自然豊かな暮らしとワインの魅力を体感できる。営業時間内であればブドウ畑やガーデンは自由に散策ができ、前日までの要予約でワイナリーツアーも参加可能。
SAVVY.jpで記事を読む
- 長野県東御市和6027
- 公式HP
5.長野・東御
[Rue de Vin(リュードヴァン)]
地元の人の日常になる
ワイナリーを目指して
地元の食材と共に地元のワインが飲まれる「地産地消のワイン文化」を根付かせるため、機械による効率化やコストダウンを積極的に行い、事業としてのワイン作りの存続を目指す。週末限定で宿泊も行っており、夜はコース料理に合わせたワインペアリング、朝食はフレンチスタイルでワイナリーを満喫できる。レストランは2日前までに要予約。
SAVVY.jpで記事を読む
6.山梨・甲州
[甲斐ワイナリー]
歴史と伝統を引き継ぐ
ワイン職人の蔵屋敷
山梨の固有品種「甲州」を中心に、現在は3品種のブドウを生産。歴史と伝統を引き継いだ基本に忠実なワイン作りで、クリーンで飲みやすく滑らかな飲み心地のワインを生産。土蔵を改装した併設のカフェ[古壺]では、カジュアルなランチセットも。9月と10月の繁忙期を除き、一人1,000円でテイスティングもできるワイナリーツアーを実施。前日までに電話かHPから要予約。
SAVVY.jpで記事を読む
7.山梨・甲州
[MGVs WINERY(マグヴィス ワイナリー)]
土地の恵みと個性を
素直に表現するワインを
日本の固有品種である「甲州」と「マスカット・ベーリーA」の2種がメイン。同じ品種でも土地により味わいに違いがあることに注目し、個性に合わせた醸造方法で、テロワール(気候や風土)を最大限に表現したワイン造りを行う。営業日であればワイナリーは自由に見学可能。発酵タンク室や樽貯蔵室などをワイナリーショップからガラス越しに見ることができる。
SAVVY.jpで記事を読む
8.山形・上山
[ウッディファーム&ワイナリー]
ヨーロッパ品種だけの
ドメーヌワイナリー
自社畑のブドウだけでワインを造る、ドメーヌスタイルのワイナリー。山形県では初となるアルバリーニョなど、国内では難しいとされるヨーロッパ品種の栽培にこだわりながら、ブドウを主役にしたワイン造りを行う。ショップではワインのほか、果樹園で作ったドライフルーツやジャムの販売も。コテージでの宿泊やワイナリーの見学は、HPから事前予約を。
SAVVY.jpで記事を読む
9.山形・上山
[タケダワイナリー]
日本ワインの歴史を刻む、
自然と共生するワイナリー
山形県で2番目に長い歴史を持つワイナリーで、欧州系ブドウ品種の栽培を国内でいち早く実践。現在は5代目の岸平典子さんが代表を務める。長い年月をかけて有機的土壌を育て上げ、自然のサイクルを最大限に生かした減農薬・無化学肥料で栽培。山形県産のブドウにこだわったワイン造りを行う。ワイナリー見学会は無料で、予約はHPから。
SAVVY.jpで記事を読む
10.東京・御徒町
[葡蔵人~BookRoad~]
2017年に開業。山手線・御徒町駅から徒歩5分の場所にある都市型ワイナリー。主に山梨県の契約農家や自社農園の国産ブドウを使って、年間およそ2万本のワインを生産。ペアリングを提案するエチケットが特徴的。
SAVVY.jpで記事を読む
11.東京・清澄白河
[清澄白河フジマル醸造所]
大都市ならではの交通網を生かして、周辺産地の契約農家から集めた新鮮で良質なブドウを使用する都市型ワイナリー。2階には直営のレストランもあり、ワインを通じたストーリーが建物全体で楽しめる。
SAVVY.jpで記事を読む
- 住所東京都江東区三好2-5-3
- 公式HP
12.香川・小豆島
[224ワイナリー]
豊富なミネラルが自慢な、
小豆島唯一のワイナリー
大阪の[カタシモワイナリー]で5年間修業を重ねた志賀隆太さんが、子どもの頃からの思い出が詰まった小豆島で設立。丘の上に自ら開拓したブドウ畑では、除草剤や肥料は使わず、自然に近い状態でブドウを栽培し、海のミネラルがたっぷり。今年は新たにデラウェアの畑を開墾予定。ブドウ畑は自由に見学可能だが、団体での見学の場合は事前に連絡を。
SAVVY.jpで記事を読む
13.愛媛・大三島
[大三島みんなのワイナリー]
島のブドウで作る、
瀬戸内ならではの味わい
建築家の伊東豊雄さんが大三島の魅力を表現する方法の一つとして設立した、ワイナリー。シャルドネとマスカット・ベーリーAを中心に、少量・多品種で栽培した自社畑のブドウを使いワインを作る。瀬戸内の穏やかな海風と水はけの良い土壌で、ミネラル感のあるブドウの味わいが特徴的。販売所では試飲(グラス550円)も可能。ワイナリー見学は要問い合わせ。
SAVVY.jpで記事を読む
写真/西島 渚 取材・文/関戸ナオヒロ
協力/パピーユ www.papilles.net