今宵は十五夜なりけり……。琵琶湖の水面に映る月をきっかけに、誕生したと伝えられる源氏物語。石山寺と三井寺を結ぶ電車に乗って、作者・紫式部のゆかりの地を巡りに行きませんか?
お参り①石山寺
瀬田川のほとりにある源氏物語誕生の場所へ!
文学とお花に彩られた 紫式部ゆかりの名刹
大津の南端、瀬田川の西岸に位置する真言宗の大本山で、聖武天皇の勅願により奈良時代の747年に創建された。平安時代に貴族の間で石山詣が流行し、紫式部も参籠。その折に、琵琶湖の湖面に映る満月を目にして『源氏物語』を着想・起筆したと伝えられている。紫式部をはじめ松尾芭蕉や島崎藤村といった数多くの文学者が訪れた「文学の寺」であり、春のサクラやキリシマツツジから、冬のツバキやロウバイまで、四季折々の花々が境内を彩ることから「花の寺」とも称される。
石山寺で紫式部のことをもっと知ろう
境内の隣接する二つの建物では、
紫式部をさらに深掘りする展示が開催中!1.光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館 〈明王院〉
大河ドラマ『光る君へ』に登場する衣装や小道具、撮影の裏側を知ることができるパネルなどを展示。キャスト、スタッフのインタビュー映像も上映されていたりと、ドラマの世界観に没頭できるはず!
2.源氏物語 恋するもののあはれ展 〈世尊院〉
人気イラストレーターによるイラストや、アーティストによるオリジナル楽曲で平安時代の“恋”を現代的に表現した企画展。中には、好きな花を選び恋のアドバイスがもらえる「花みくじ」なども!
期間:開催中~2025年1月31日(金)
時間:9:00~17:00(最終入館~16:30)
料金:600円(石山寺入山料別途)
主催:大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会
- 電話番号077-537-0013
- 住所大津市石山寺1-1-1
- 時間開門8:00~16:30(最終受付〜16:00)
- 料金600円(本堂内陣は別途500円)
- アクセス京阪電車石山寺駅から徒歩10分
お参り②三井寺
三井の晩鐘の音が響く 長等山の山腹を目掛けて
1300余年の歴史を誇る文化遺産の宝庫へ
正式名称は長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)。686年に創建された天台寺門宗の総本山で、東大寺・興福寺・延暦寺と並んで日本四箇大寺の一つに数えられる。天智・天武・持統の三天皇の産湯に用いたと伝わる霊泉があることから「御井(みい)の寺」、後に「三井寺」と称されるように。紫式部の親戚が僧侶を務め、父・藤原為時も晩年に出家するなど、一族と深い縁を持つ。参拝客を最初に迎える仁王門(重要文化財)、総本堂である桃山建築の金堂(国宝)をはじめ、文化財が豊富なことでも名高い。
- 電話番号077-522-2238
- 住所大津市園城寺町246
- 時間開門9:00~16:30(最終受付〜16:00)
- 料金600円
- アクセス京阪電車三井寺駅から徒歩7分
寄り道①都湯
オリジナルグッズもかわいい銭湯でひとっ風呂!
昭和レトロな銭湯で湯上がりにお買い物も
膳所で半世紀近く愛されてきた銭湯が、新店主の原 俊樹さんへバトンタッチして6年。昭和の趣をそのまま生かしたノスタルジックな空間と、地下水をまきで沸かした肌触りのいいお湯、掛け流しの水風呂やサウナで迎えてくれる。原さんの気さくなキャラクターゆえに思わず長居してしまうロビーでは、リラックスウエア「ダルギ」やタオル、キーホルダーなど、原さん監修のオリジナルグッズも充実。遠方から足を運ぶ若いファンと地元客で、今日もにぎわう。
- 電話番号090-3820-1126
- 住所大津市馬場3-12-21
- 営業時間15:00~24:00(日8:00~)
- 定休日木
- 料金490円(サウナ別途110円)
- カード使用不可(グッズ購入は可)
- アクセスJR膳所駅、京阪電車京阪膳所駅から徒歩4分
寄り道②PATISSERIE LA POCHE
旬のフルーツがごろっと! 青い看板を目掛けて坂を上ろう
季節をぎゅっと閉じ込めたフレッシュなケーキたち
大阪の名門ホテルでキャリアを積んだ中島孝太さん・広美さん夫妻が営むパティスリー。「素材のおいしさを生かしたい」と作るケーキは、要素を潔く絞ったシンプルさと、洗練された味わいが魅力。「栗感」を重視してきんとんのように濃密に仕上げた季節限定のモンブラン、旬のフルーツを惜しみもなく使ったタルトやショートケーキなど、美しい品々が並ぶショーケースは目移り必至です。
- 電話番号077-548-8624
- 住所大津市松本1-1-1
- 営業時間10:00~18:00※売り切れ次第終了
- 定休日月・火
- カード使用可
- アクセス京阪電車石場駅から徒歩8分
寄り道③茶菓 山川
湖西の自然の恵みをいただける茶房でひと休み
円熟の和菓子職人による地産地消の逸品に注目
店主の山川 誠さんは、滋賀の和菓子舗で職人として30年以上勤務し独立。週の半分は高島の畑へ足を運び、大納言小豆の自家栽培に情熱を注ぐ。手塩にかけた小豆で炊き上げるあんに加え、県内産の羽二重もち米でついた餅、マキノ産中心の和栗など、土地に根ざした素材で季節感豊かなお菓子作りを展開。水餅入りパフェや秋冬限定の栗しることいった、併設の茶房でしか味わえないメニューも楽しみ。
- 電話番号077-527-0088
- 住所大津市長等2-10-5
- 営業時間10:00~18:00(イートイン10:30〜17:00LO)
- 定休日月~水&第1・3日
- カード使用不可
- 席数12
- アクセスJR大津駅から徒歩12分
寄り道④awai
ニューオープンのアジアなランチとデザートもお見逃しなく!
築120年の古民家をコミュニティーカフェに再生
商店街に隣接するお寺・本要寺の敷地内に登場したのは、開放感あふれるカフェ&ギャラリー。大津市役所職員やフォトグラファー、空間デザイナーといったジャンルレスな4人が店を切り盛りし、「メンバーみんなが好き」というベトナム料理・フォーを中心にアジアンな美味を供する。レンタルスペースやフリーマーケットなどのイベント主催を通して、地域を盛り上げる交流拠点としても要注目。
- 電話番号なし
- 住所大津市長等2-3-29
- 営業時間11:30~15:30(ランチ~14:00)共にLO
- 定休日不定
- カード使用可
- 席数13、テラス5
- アクセスJR大津駅から徒歩12分
写真/竹田俊吾 取材・文/本庄 彩
協力/大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会 https://otsu-murasakishikibu.jp/
※この記事は2024年12月号からの転載です。記事に掲載されている情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください