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ブドウ栽培に適した冷涼な気候の北海道は、世界でも注目される日本ワインの生産地。丘陵地に美しいブドウ畑が広がる様子はまるで海外!絶景に加え、ワインも食も味わいに、関西からも意外と気軽に行ける北海道へ。

ワイナリーを目指して!

水はけが良く、昼夜の寒暖差がある余市・仁木は道内屈指の銘醸地。近年、レストランやホテル、ショップも誕生して、注目のワインの街に!

雄大な余市・仁木を一望する丘の上のワイナリー
[NIKI Hills Winery(ニキ ヒルズ ワイナリー)]

心地よい風が吹き抜けるブドウ畑が目の前に広がり、丘の上から余市湾までをも見晴らすパノラマに息を飲む。そんなこちらは、設立10年目を迎えるワイナリー。ワイン造りに徹する小規模生産者が多いエリアにあって「地元を活性化させたい」と、旅行者を迎えてくれるホテルやレストラン、試飲スペースも併設。畑や醸造所の見学ができるワイナリーツアーのほか、敷地内の自然森を歩くネイチャートレッキングツアーなど、アクティビティも充実。カーヴに充満するワインや樽の香りや緑に囲まれて心がほどけていく。「仁木町のテロワール(土地の特性)を表現したい」と醸造家・太田麻美子さんが話すワインは、透明感のある味わいが印象的。モダンフレンチと共にペアリングや飲み比べを楽しみたい。

窓枠で切り取る眺望が、自然との一体感を感じさせるVIPヴィンヤードルーム。宿泊特典で1本贈られるワインをゆっくり堪能する時間も格別。余市湾方面から昇る美しい朝日は感動もの。


宿泊客は地下のカーヴで食事をすることも可能。[リーガロイヤルホテル大阪]内[シャンボール]出身のシェフによる料理はペアリング付きコースの他、11月からはプレートランチも登場。

スタッフの解説を聞きながら、畑や醸造所、樽庫などを見学できるワイナリーツアーは試飲3種付き3,300円と6種付き4,950円が。ピノ・ノワールやメルローは、まるで果実をそのままかじったようなピュアな味わい。


ワインは太田さん(写真)とウィズリントン・マリコさん、業界でも注目の二人の女性醸造家が担当する。北海道を代表するブドウ、ケルナーを醸したフラッグシップワイン・HATSUYUKIは青リンゴや柑橘の香り、輝く酸が心地よい。ブドウの収穫を遅らせ熟度を高めたコンテスト受賞作・はつゆき レイトハーヴェストは貴腐ワインのようなとろみのあるテクスチャーや奥深い甘みに感激。
店舗情報
北海道・余市
NIKI Hills Wineryニキ ヒルズ ワイナリー
  • 電話番号
    0135-32-3801
  • 住所
    北海道余市郡仁木町旭台148-1
  • ショップ営業時間
    10:00〜16:00
  • レストラン営業時間
    ランチ12:00〜、ディナー18:00〜※共に要予約
  • IN/OUT
    14:00/11:00 
  • 定休日
    不定
  • 料金
    49,390円〜(1室2名利用時1名あたり、夕朝食付き)
  • カード使用
  • 席数
    24
  • 部屋数
    全3室
  • アクセス
    JR仁木駅から車で10分

熟練の醸造家が追求する、余市の可能性を体験
[OcciGabi(オチガビ)]

「温暖化のため、冷涼な場所を求めて余市に」と話すのは、ドイツで醸造を学び、国内のワイナリーの立ち上げや経営を経験したこの道50年の醸造家・落 希一郎さん。その欧州での豊かな経験から、ピノ・ノワールやシャルドネといった世界的に有名なブドウに加え、日本では珍しいドイツ生まれのワイン用ブドウ、アコロンなど欧州生まれの12品種を栽培し、余市の可能性を探究する。16.5haの敷地面積には、地下に醸造所、地上にはレストランやショップを設け、2025年にはホテルも完成予定! 落さんが畑や醸造所を案内してくれるワイナリーツアーは、楽しいトークやランチ&ワイン付きでお値段以上の価値を実感できる。

ドイツや国内で経験を積み、約12年前に妻の雅美さんとこちらを設立した落さん。ワイナリーツアー6,600円は管理された畑やワインの香りに満ちた醸造所、ワイン庫などを見学した後、レストランで下記のランチコースとワイン2杯を楽しめる大満足の内容。


左から、ベリーの香りと樽香が溶け合うエレガントなピノ・ノワール’21、厚みのある口当たりに驚くピノ・グリ’23。いずれも、まるで欧州のワインを飲んでいるようなクオリティー。1杯550円の手頃さもうれしい。


ランチ4品4,070円〜のコースは地元の肉や野菜、前浜エリアで揚がる魚介を使用。主菜の余市豚のプルーンと赤ワイン煮など、7品から選んで。予約がベター。


 

店舗情報
北海道・余市
OcciGabiオチガビ
  • 電話番号
    0135-48-6163 
  • 住所
    北海道余市郡余市町山田町635
  • 営業時間
    11:00〜17:00(レストラン11:00〜14:00、17:00〜18:00共にLO ※夜は予約営業のみ)
  • 定休日
    なし
  • カード使用
  • 席数
    60
  • アクセス
    JR余市駅から車で10分

半島の絶景を目指して!

余市・仁木から車で約1時間で着く積丹半島の先、神威岬はアイヌの人々が信仰したパワースポット。神秘的な美しい絶景が広がります。

視界いっぱいの海と空にまるい地球を実感!
[神威岬・神威岩(かむいみさき・かむいいわ)]

岬の尾根伝いに片道約30分の遊歩道を進むと目の前に開けるのは“シャコタンブルー”と呼ばれる、エメラルドやコバルトブルーのグラデーションが美しい海。船が通った跡がつくほど凪いだ海に、周囲300度を見渡すことができる地平線と巨大な複数の岩礁で、海の中からそそり立つ神威岩と呼ばれる信仰のシンボルも。カムイとは、アイヌ語で「神」を意味し、神威岬から、信仰された当時に思いを馳せる幻想的な景色が広がる。積丹町は、明治期にはニシン漁が最盛期を迎える大漁場として知られ、神威岬へ向かう道中にも旧番屋が1棟現存し、一般公開されている。


上から、女人禁制の門とチャレンカの小道と呼ばれる遊歩道を通って岬の展望台へ。諸説ある女人禁制の理由の一つに、平泉の戦いで敗れた源義経がこの地でアイヌ首長の娘・チャレンカと恋仲になるも中国大陸へ渡り、取り残されたチャレンカが身投げして、以来女性が乗った船が転覆する事故が続いたことから女人禁制になった伝説が。女人禁制は明治頃に解かれている。
店舗情報
北海道・積丹町
神威岬・神威岩かむいみさき・かむいいわ
  • 電話番号
    0135-44-3381(積丹町役場)
  • 住所
    北海道積丹郡積丹町大字神岬町
  • 時間
    4・8〜10月8:00~17:30(5・7月~18:00、6月~18:30、11月~16:30、12月~3月 10:00~15:00、※最終入園は全て1時間前) 
  • 定休日
    なし
  • アクセス
    余市町・仁木町から車で1時間

地元のおいしいを目指して!

とびきり新鮮な魚介類や人気のスイーツもお目当て。地元っ子も大好きな、とっておきのお店をご紹介。

地元民から観光客まで通う、選んで楽しい海鮮食堂
[柿崎商店 海鮮工房]

創業90年以上の水産会社直営スーパーが、約20年前に2階で始めた海鮮食堂。自慢の海鮮は余市湾や小樽など積丹半島周辺で取れたものが中心。10月からは秋シャケ漁が盛んとなり、この時期に1年分を仕込むというイクラの“新もの”が登場。皮が軟らかくふんわりとした弾力をぜひ味わいたい。好みの丼や定食に一品やトッピングをカスタマイズして。年末〜春は、子持ちニシンの塩焼きも人気!

旬の貝類3種を盛り合わせた磯丼1,870円〜(価格変更予定)に、イクラの醤油漬け50g580円を追加でトッピング。たっぷりのったホッキ貝、つぶ貝、ホタテは、産地ならではの鮮度抜群で、甘さが格別だ。

左から、みそ汁にカニが入ったてっぽう汁800円は、北海道の漁師料理。ホッキ貝の塩焼き1,150円はヒモや貝柱など部位ごとに異なる食感が楽しい。1階のスーパーでは購入した海鮮を地方発送できる。
店舗情報
北海道・余市
柿崎商店 海鮮工房かきざきしょうてん かいせんこうぼう
  • 電話番号
    0135-22-3354
  • 住所
    北海道余市郡余市町黒川町7-25
  • 営業時間
    9:00〜18:00(海鮮工房10:00〜17:30LO) 
  • 定休日
    木&不定 
  • カード使用
    不可
  • 席数
    100
  • アクセス
    JR余市駅から徒歩3分

道産素材にこだわった行列のできるおやつ
[merciscone(メルシースコーン)]


愛らしい一軒家が目を引くスコーン専門店。オーナーの坪田秀明さんとアカネさん夫妻は約6年前に地元・余市で店をオープン。以前は神戸でカフェを営んでいた経験もあり、神戸時代から人気のスコーンを提供する。北海道産バターや小麦粉、牛乳、平飼いの卵を用い、外はザクザク、中はしっとり。秋冬はリンゴやカボチャなど、果樹で有名な余市のフルーツや野菜を使う季節限定品も登場。

あんバターサンド390円のあんは、十勝産小豆とバターを混ぜ合わせ、ほのかに塩を効かせた自家製。

焼き込んだ小麦粉の香りがたまらないプレーン290円やチョコ350円も。
店舗情報
北海道・余市
mercisconeメルシースコーン
  • 電話番号
    なし
  • 住所
    北海道余市郡余市町大川町16-12-1
  • 営業時間
    11:00〜15:00
  • 定休日
    日〜火&不定
  • カード使用
    不可
  • アクセス
    北海道中央バス「旭中学校」バス停から徒歩5分

INFORMATION
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キュンちゃん
北海道の観光PRキャラクターで、エゾナキウサギがモチーフ。キュンちゃんが北海道の見どころを紹介する取材日記も必見。
公式HP https://visit-hokkaido.jp/line/


【関西からのアクセス】大阪国際空港→新千歳空港→JR新千歳空港駅→余市駅or仁木駅。大阪から約4時間。(神威岬は、余市町・仁木町から車で1時間)

写真/コーダマサヒロ 取材・文/佐藤良子 
協力/北海道観光機構(www.visit-hokkaido.jp

※この記事は2024年12月号からの転載です。記事に掲載されている情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。

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