岐阜県北部にある、飛騨地域。白川郷の合掌造り集落や高山の“古い町並”など、
日本の原風景ともいえる景観は、昔から多くの人を魅了し続けています。
自然の恵みを生かしたおいしいものもいっぱい! 奥深い飛騨の魅力に触れる旅へ。
Where is HIDA AREA?
岐阜県の北部、白川村(白川郷)、下呂市(下呂温泉)、高山市(飛騨高山)、
飛騨市(飛騨古川)の3市1村が飛騨地域と呼ばれています。
人と自然が調和する美しき村
白川郷(白川村)
岐阜県の北西部に位置する、飛騨地域唯一の村。アユが捕れる川として知られる庄川が村の中央を南北にわたって流れている。日本有数の豪雪地帯であることから造られるようになったのが、急勾配の屋根と太いはりや柱を持つ合掌家屋。その集落が1995年にユネスコ世界遺産に登録されて以降、海外からも注目を集めている。
日本の原風景とも称される美しき村を散策
白川村のほぼ中心に位置する世界遺産の白川郷・荻町は、100戸以上の合掌造りが点在し、今も500人近い村民が暮らしている。タイムスリップしたかのような気分に浸れる里には、内部見学可能な和田家(江戸時代後期築、国の重要文化財)などがあり、かつての暮らしぶりをしのぶことができる。飲食店やカフェなどとして活用されている合掌家屋も多いので、じっくり時間をかけて散策したい。特にシャトルバスまたは徒歩で行ける荻町城跡展望台からの眺めは圧巻で集落と辺りの山々が一望できる。
- 電話番号05769-6-1013(一般社団法人白川郷観光協会)
- 住所岐阜県大野郡白川村荻町
- 営業時間8:00~17:00入村可(展望台行きシャトルバスは9:00~15:40、12時台を除き20分ごとに発車)
- 駐車場あり
- アクセス白川郷ICから車で9分
山の恵みで手作りする料理を味わいに
自分たちの宿を、という思いで白川村に移住した稲葉さん夫妻。2023年に源泉かけ流しの露天風呂が付いたホステルをオープンし、併設したのがこちらの発酵食レストランだ。自家栽培の無農薬野菜や山で採る山菜、白川郷特産のブランド豚などで仕立てる、体に優しい料理が味わえる。ケチャップやマヨネーズも自家製。雄大な山の景色を眺めながらほっこり和みたい。
- 電話番号05769-5-2101
- 住所岐阜県大野郡白川村御母衣316-17
- 営業時間11:00~14:00、17:00~20:30共にLO
- 定休日月・火昼・日夜
- カード使用可
- 席数20
- 駐車場あり
- アクセス白川郷ICから車で20分
室町時代からにぎわう湯の町
下呂温泉(下呂市)
南北に飛騨川が流れる下呂市には、日本三名泉の一つに数えられる下呂温泉をはじめ、それぞれに特徴が異なる7つの温泉が湧く。街ぶらで温泉情緒を満喫するも良し、鶏肉と野菜をたれで炒める郷土料理・鶏ちゃんを味わうも良し。豊かな自然を満喫できる、水辺のアクティビティなども充実している。
野菜に生ハム、自家製食材も魅力のイタリアン
代々続く旅館の跡継ぎとして生まれた松山 豪さんが、和食、フレンチ、イタリアンの修業を経て開いたオステリア。旅館の面影を残しつつリノベーションし、レトロな調度品をセンス良く配した店内では、昼はパスタやメインが選べるセット、夜は迷うほど多彩なアラカルトやコースが気軽に楽しめる。「食器以外はなるべく自分で作りたい」と話す松山さんは近くの畑で野菜を育て、パンやパスタ、生ハム、ソーセージ類も手作り。地元名産の「なっとく豚」や脂の乗った飛騨牛と取り合わせた、下呂ならではの料理で心身を満たしてくれる。
- 電話番号0576-52-1028
- 住所岐阜県下呂市萩原町萩原1425
- 営業時間11:30~14:00、18:00~21:30
- 定休日月
- カード使用不可
- 駐車場あり
- アクセスJR飛騨萩原駅から徒歩5分
温泉もグルメも楽しめるまち
徳川家康から四代の将軍に仕えた儒学者、林 羅山(らざん)により、有馬・草津と並ぶ三名泉の一つと称された天下の名泉。源泉は84度の高温。pH9.18のアルカリ性単純温泉で、湯上がりの肌が滑らかになることから美人の湯の別名も持つ。飛騨川畔の噴泉池をはじめ、無料で使える足湯が点在しているため、散策の途中でも気軽に温浴が楽しめる。
- 電話番号0576-25-4711 (下呂市総合観光案内所)
- 住所岐阜県下呂市幸田
- 営業時間入湯自由
- 駐車場あり(下呂温泉栄パーキング)
- アクセスJR下呂駅から徒歩5分
江戸の面影を残す町並みを歩く
飛騨高山(高山市)
全国の市の中で最も広く、大阪府をも上回る面積の高山市は、飛騨地域の中心地として栄えた城下町。多くの観光客が訪れる「古い町並」では、江戸時代の面影を今に伝える商家などが保全・活用されていて、ショッピングや飲食が楽しめる。市内の中心を流れる宮川沿いや高山陣屋前にて毎日開かれる朝市にも足を運びたい。
老舗果物店直営、宮川が一望できるパーラーへ
創業83年、果物の目利きに定評がある[大倉食料品店]2階にあるフルーツパーラー。多彩なデザートを作るのは、パティシエでもある三代目店主の上北真純さん。オリジナルの配合で薄く焼き上げた生地に、全国から仕入れる旬の果物を一口大にカットしたっぷり添える「くだもの屋さんのパンケーキ」、果物とほんのり甘いヨーグルトをパフェ風に盛り付けた「フルーツヨーグルト」のほか、タルトやケーキ類も堪能できる。宮川を望む、風が心地よいテラス席も人気。対岸で開かれる宮川朝市の帰りにのんびりしても。
- 電話番号0577-32-2288
- 住所岐阜県高山市本町3-3-2
- 営業時間9:30~17:30LO
- 定休日火
- 駐車場なし
- カード使用可
- 席数27
- アクセスJR高山駅から徒歩12分
散策が楽しい「古い町並」
江戸幕府の直轄地で、商人町としても発達した飛騨高山エリア。「古い町並」と呼ばれるエリアには、江戸時代の全国の代官・郡代所の中で唯一現存する高山陣屋をはじめ、歴史的に貴重な建物が多く残る。出格子が美しい軒下には用水が流れ、行き交う人の目を和ませる。旧商家の多くは飲食店や民芸品店などに活用されているので、内部に入ることも。
- 電話番号0577-35-3145(高山市観光課)
- 住所岐阜県高山市上一之町ほか
- 営業時間見学自由
- 駐車場なし
- アクセスJR高山駅から徒歩12分
文化や伝統が身近な城下町
飛騨古川(飛騨市)
高山市に隣接する飛騨市は、ユネスコ無形文化遺産に登録されている古川祭をはじめ、多くの伝統行事が息づくことでも知られる城下町。町の中心部には、飛騨大工の技が光る白壁蔵造りの建物が並び、その合間を約1,000匹のコイが優雅に泳ぐ瀬戸川が流れる。霜降りが美しい飛騨牛や地鶏、飛騨トマトなど、食材の宝庫としての一面も。
森林が面積の9割を占める里ならではの体験を
市内に広がる森林に自生する薬草はなんと245種類以上。人々の薬箱のような役割を担ってきた。そんな毎日の暮らしに溶け込んでいる薬草をもっと身近に感じてほしいとの思いから誕生した、きっかけ作りのための施設。1階は乾燥させた薬草や多彩な関連グッズが並ぶショップで、薬草茶の試飲も可能。薬草の魅力に触れながら、薬草七味や入浴剤などが作れるワークショップ(全10コース)も開催されている。薬草を栽培する中庭は見学自由。2階は薬草について本格的に学べる場になっている。
- 電話番号0577-73-3400
- 住所岐阜県飛騨市古川町弐之町6-7
- 営業時間10:00~16:00
- 定休日なし
- カード使用可
- 駐車場なし
- アクセスJR飛騨古川駅から徒歩7分
飛騨市初のクラフトビール醸造所
店主の霜出悦生(しもでよしみ)さんが、ビール好きが高じて2021年にオープンさせたマイクロブルワリー。コンセプトに掲げるのは「ずっと飲み続けられる」ビール。飛騨産の蜂蜜や植物、果物類を使って仕込むフレーバービールが常時6種楽しめる。おつまみ類は持ち込み可で、自家製総菜を持参する常連客も少なくないとか。瓶詰めビールの販売もあり。
- 電話番号なし
- 住所岐阜県飛騨市古川町殿町6-16
- 営業時間16:00~19:30(土・日・祝13:30~)
- 定休日不定
- カード使用可
- 駐車場なし
- 席数スタンディング約8名
- アクセスJR飛騨古川駅から徒歩4分
※本誌掲載の商品は消費税10%を含む税込み価格です。店内飲食とテイクアウトでは税率が異なります。
※この記事は2024年10月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。