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かわいい銭湯へ、行こう!

SAVVY12月号は、SAVVY初の銭湯特集。

かつて銭湯は徒歩圏内に何軒もあって、
夕暮れ時に入浴客が押しかける場所でした。
そんな時代に作られた銭湯は、
とても丁寧で凝ったデザインがたくさん。

タイルが、建物が、壁画が、レトロが、不思議が……、
すてきがあふれてる場所へ。

先代おかみも日々番台に
60年以上続く薪焚きの湯

かつては大阪市内の別の場所で銭湯を営んでいたが、太平洋戦争の激化でやむなく疎開。戦後になって、「廃業状態だったこの[福寿湯]を祖父が買い取り、営業を再開させたと聞いています」と、三代目主人の冨田隆晴さんはにこやかに話す。最後の大きな改装は、冨田さんが小学生だった約60年前のこと。以来、薪を焚いて湯を沸かし、90歳を超えた先代のおかみともども、家族で当時のたたずまいを守り続ける。

銭湯業を始めた冨田さんの父は、石川県小松市の出身。

 女湯に今も置かれているベビーベッドは8台。ベビーブームだった昭和30年代には、それでも足りなかったとか。ロッカーの扉などには、ひと昔前は革新的な素材だったデコラ化粧板が使われている。時代は何周か回って、その化粧板のなんとも言えない柄がかわいく感じられる不思議。

1枚ものの黒御影石、滑りにくい石畳の床など、貴重な素材があちこちに。

天井に設置されたプロペラ扇風機、男女で絵柄が違う浴室のタイル絵、脱衣室に引かれた籐筵(とうむしろ)など、昭和なアイテムに囲まれた空間は、なぜかほっこりと落ち着く気分になるから、これまた不思議!

  • 下駄箱の数に圧倒されるが、最盛期はそれでも不足していたそう。
  • 金魚柄と呼ばれる、スペイン製のタイルが使われている洗面台。
写真/コーダマサヒロ
※この記事は2022年12月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。
店舗情報
大阪・西天下茶屋
福寿湯ふくじゅゆ
  • 電話番号
    06-6651-2626
  • 住所
    大阪市西成区千本北2-24-13
  • 営業時間
    13:30~23:00
  • 定休日
  • 料金
    490円(サウナなし)
  • アクセス
    南海西天下茶屋駅から徒歩8分
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SAVVY2月号『関西美術館さんぽ』
発売日:2024年12月21日(土)定 価:900円(税込)