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山や海に囲まれた景色や、近代建築、地産の食材など
ほかの街にはない、とっておきがたくさんある神戸。
朝、昼、夕暮れ、夜と、さまざまな顔を持つこの街の
とっておきの過ごし方をご案内します。

エディター 長瀬 緑/兵庫県出身、元『SAVVY』副編集長。現在は食、暮らし、美容など多岐にわたって手掛けるフリーエディター。京阪神の衣食住を取材し続け早23年、現在も日夜“おいしい・かわいい”を探索中。

#3
店主のセンスに惚れる
大人のすてきなお買い物

こんな大人の女性になりたい! そう思わせてくれるセンスあふれる店主のいる3軒へ。
東京で雑貨などのバイヤーとして活躍していたオーナーが営む[OBG eu.]。
器、アート、アパレルなど内容も幅広く、
オーナー山上さんらしいセレクトで、関西ではまだなじみが少ない作家の展示も。
そして、栄町で25年、界隈の店主からも一目を置かれる存在なのが[plage]。
お店には海外から買い付けたアンティークのステーショナリーや紙雑貨が並びます。
ただ販売するだけではなく、飾ったり、コラージュしたりその紙の使い方や提案が面白く、
いつもそのセンスに感嘆します。夫婦で営むアンティークショップ[ambiant]は、
イタリアやフランスの田舎町まで出向いて買い付けた希少な雑貨を扱っているのが特徴。
商品は汎用性が高くて、どうやって使おうかなぁ……といつもわくわくとした気持ちにさせられます。
そしてこの3軒の共通点は、なんといっても店主の皆さんがとってもおしゃれなこと!
3人のファッションチェックは、来店時の密かな楽しみでもあります。

新神戸[OBG eu.(オービージー ユー)]

「これ欲しい!に
高確率で出合います」

東京で[TODAY’S SPECIAL]の立ち上げにも関わり、その後、自身の雑貨店を福岡で開き、神戸へ移住したオーナー山上祐子さん。そんな山上さんの作家とのつながりを生かしたギャラリー&ショップが2021年に誕生した。食、アート、工芸品、アパレルと自身がほれ込んだ作家のみで企画展を開催する。またイベントも同時開催し、食事会やアートイベントなど実際に食べて、話して、使って……と、より作品を身近に感じられる工夫も。新神戸駅近くということもあり、東京など県外からの来店も多い。

陶芸家・中本純一、谷口嘉などの日本の作家やポルトガルの工芸品などが並ぶ常設販売も。写真は、中本純也のティーポット16,500円、茶杯3,300円、南 裕基の輪花盆26,400円、市川陽子の茶托4,400円、増子浩代の真鍮(しんちゅう)スプーン3,300円、羅以音窯 豆皿1,650円。料理会の開催のために作られたキッチンスペースでは、山上さんセレクトのワインなども楽しめる。
店舗情報
神戸・新神戸
OBG eu.オービージー ユー
  • 電話番号
    なし
  • 住所
    神戸市中央区熊内町7-4-4 F2
  • 営業時間
    イベント開催時のみ営業(10/5〜27、11/2〜10は開催予定)
  • カード使用
  • アクセス
    各線新神戸駅から徒歩5分

栄町[plage(プラージュ)]

「書く、飾る、包む。
使い方も自由な紙の世界へ」

栄町の路地裏に店を構えて25年。5坪足らずの小さな店内に、店主が、ヨーロッパで買い付けてきたペーパーや文房具がぎっしり並んでいる。「商品を購入した際にぱぱっと包んでくれる紙がすてきだったり、紙をアートとして壁に飾ったり、ヨーロッパでは紙自体の取り入れ方が日本と違っていて面白い」と店主。便せんやノートなど文房具をはじめ、ビンテージのペーパーや使用済みのポストカードなど、自身でその用途を考えるのが楽しいアイテムは選ぶ時間もわくわくする!

ペーパーや文房具のほか、気に入ったものがあれば、洋服や器も買い付けるという店主。どのアイテムも華美な装飾はないが、味わい深く、静かな存在感を放っている。フランスやドイツの手すきペーパーは、工房や職人によって紙の質感が変わり、表情豊か。名刺サイズ50枚2,900円〜。ヨーロッパの紙作家による型染め紙はそのままポスター感覚で飾る人も多い。机に並ぶ文房具は、ビンテージと現行品を織り交ぜて。
店舗情報
神戸・栄町
plageプラージュ
  • 電話番号
    078-391-2668
  • 住所
    神戸市中央区栄町通2-2-10
  • 営業時間
    14:00〜19:00
  • 定休日
    不定
  • カード使用
  • アクセス
    各線元町駅から徒歩5分

西元町[ambiant(アンビエント)]

「想像をかき立てられる
見たこともないプリミティブなアンティーク」

イタリアはプーリア、フランスはプロバンスなど、ヨーロッパの地方都市を巡り、現地で買い付けをする菅原博之さん、沙耶香さん夫妻。17〜19世紀に作られたアンティークをメインに、器はもちろん、用途不明な古道具をあえて選ぶなど、買い手の遊び心をくすぐるものが並ぶ。「例えばブリキの円盤は壁掛けや収納、花入れと、使い方次第で幾通りにもなるんです」。年代物の民芸品などは、作り方や使われ方など現地でのエピソードを添えて紹介してくれるのも面白い。

写真手前のメインテーブルに置かれるのは、南イタリア・プーリア州・グロッターリエの1700年代の深皿。手前と奥は現地でも珍しい∅21cm 49,500円、中央 ∅30cm 33,000円。9月中旬頃よりプーリアで買い付けたばかりの商品が並ぶ予定。
店舗情報
神戸・西元町
ambiantアンビエント
  • 電話番号
    なし
  • 住所
    神戸市中央区元町通6-5-8 松尾ビル5F 56屋上先
  • 営業時間
    12:00〜18:00
  • 定休日
    火・水・日
  • カード使用
  • アクセス
    阪神西元町駅から徒歩3分

写真/わたなべよしこ
編集・取材・文/長瀬 緑 取材・文/天野準子(plage)

※この記事は2024年11月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。
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SAVVY11月号『神戸』
発売日 2024年9月21日(土)定 価 900円(税込)