山や海に囲まれた景色や、近代建築、地産の食材など
ほかの街にはない、とっておきがたくさんある神戸。
朝、昼、夕暮れ、夜と、さまざまな顔を持つこの街の
とっておきの過ごし方をご案内します。
エディター 長瀬 緑/兵庫県出身、元『SAVVY』副編集長。現在は食、暮らし、美容など多岐にわたって手掛けるフリーエディター。京阪神の衣食住を取材し続け早23年、現在も日夜“おいしい・かわいい”を探索中。
#2
近代建築×現代アート
大人の午後の学び時間
午後は、どちらも神戸を代表する近代建築の中に誕生した2軒へ。
神戸旧居留地・チャータードビル内の[VAGUE KOBE]は、デザイナーの柳原照弘さんが
手掛けるアート空間を体感できる場所。自身がデザインを手掛けた1616 / arita japanや
オリジナルフレグランスブランド「LICHEN」など日本で唯一のフラッグシップショップを構えながら、
館内の至る所に貴重な家具や陶器が配されていて見どころ満載。
作品鑑賞はもちろんですが、空間そのものを体感するのがこちらの醍醐味。
特にメインギャラリーは空間がシークエンス状につながって、場所によって作品の見え方が異なるのが面白い。
そしてこちらを訪れた人が併せて必ず訪れるのが、徒歩すぐの場所にある[THE BOOK END]。
写真に特化したブックショップで、海外の出版社とオーナーが直接やりとりをしてセレクトする書籍も多数。
日本ではここにしかないZINEや写真集もあって新たな出合いがあります。
日本人写真家のコーナーでは、本誌でもおなじみの写真家・横浪 修さんの作品集も
数多く並んでいます。誌面とはまた違う世界観の作品は必見です。
旧居留地[VAGUE KOBE(ヴァーグ コウベ)]
「敷居が高い!?
そんなこと言わず、その扉を開けてください」
フランス·アルルに続いて神戸に誕生したのがデザイナー柳原照弘さん率いる「Teruhiro Yanagihara Studio(TYS)」の拠点であり、ギャラリー、ショップ、カフェを併設した“オルタナティブな”スペース。撮影時は、フランスの現代アーティスト エドガー·サランの展示に合わせて、フランスのギャラリー/ブックショップ[Yvon Lambert]がポップアップを開催するなど、メインギャラリーの展示に合わせて各セクションが常に変化する。さまざまなリサーチを元にVAGUEが考案したスイーツと共に空間をぜひとも堪能してほしい。
- 電話番号080-9308-0759
- 住所神戸市中央区海岸通9-2 チャータードビル4F
- 営業時間12:00〜18:00(カフェ〜17:30LO)
- 定休日火〜木
- カード使用可
- 席数20
- アクセス地下鉄旧居留地・大丸前駅から徒歩すぐ
栄町[THE BOOK END(ザ ブック エンド)]
「世界中の知らない作家に出合える、
訪れる度に発見と学びの連続」
タイポグラフィーを中心としたデザイン書を扱う東京・目黒の[BOOK AND SONS]の姉妹店で、写真を主軸にブックショップ兼ギャラリーとして営業する。レトロビルの一室の広々とした空間は、日本の写真作家や気鋭のアーティストなど、それぞれセクションごとに分かれた構成に。また、世界各国の版元と深いつながりがあるからこそ手に入る貴重な海外の写真集やZINEなども並ぶ。作り手の思いに触れられる一冊をぜひ、見つけてみて。
- 電話番号080-7007-6949
- 住所神戸市中央区海岸通3-1-5 海岸ビルヂング 302
- 営業時間11:00〜18:00
- 定休日火・水
- カード使用可
- アクセス各線元町駅から徒歩5分
写真/わたなべよしこ
編集・取材・文/長瀬 緑