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場所の歴史や家族の思い、趣味や好みも??
“ちょっと”いいがいっぱい詰まった、
神戸・二宮にある家族のお店を紹介します。

家族の歴史が詰まった、
元・洋家具工場で

 駅からも遠く、商売向きの場所ではない。それでもこの地を選んだのは、「思いのある場所だったから」と店主の福持 温(あつし)さん。曾祖父がはじめた老舗の木地屋[神戸洋家具工場]跡地に小さなベーカリーをオープンした。木地屋で二代目として働いていた祖父の姿にあこがれて、「自分も職人になりたい」と、温さんは畑は違うがパン職人の道を志す。

[フロイン堂]や[ビゴの店]で修業した温さんと奥様の啓子さんが二人で切り盛り。

パン屋もまた"生地屋"。生地の風味を生かし、職人の手から生まれるさまざまな色や形のパンは、伝統的な洋家具作りの世界ともリンクする。店や周りには、温さんを支える家族や、その歴史のカケラがあちらこちらに。お客さんと、そして家族のために。訪れるだけでどこか"温"かな気持ちになる、そんな一軒だ。

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[Glück]のいいところ1
ちょっとウッド調な窓枠
店舗というよりも、小さなお家のよう。格子の窓枠をはじめ、木材を多用した店舗外装は、ロゴも手掛けた妻の啓子さん(シェフとは小学校からの幼なじみ!)がデザイン。

[Glück]のいいところ2
ちょっとクラシックな家具脚
ショーケースの下部分の装飾には、木工技術の中でも刳物(くりもの)の名人だった祖父が手掛けた脚を採用。木地の種類はナラで、神戸洋家具でよく使われるものなのだそう。

[Glück]のいいところ3
ちょっと外国みたいな看板
温さんのお父さんによる手作りの案内看板。ブルーとイエローのコンセプトカラーが、年季の入った物干し台になじむ。

[Glück]のいいところ4
ちょっと奥まった立地
曾祖父の作った元工房は、駐車場の奥にあるという、ちょっと不思議な立地。目印の看板がいくつもあるのは、「お店を見つけやすいように」と“ちょっと”した心遣いによるもの。

[Glück]のいいところ5
ちょっと手づくりの紙袋
持ち帰り用のパンを入れる紙袋は、その絶妙なサイズ感もあって大切に取っておきたくなるかわいさ。スタンプは夫婦二人の手作業で!

[Glück]のいいところ6
ちょっとおばあちゃん好みのあんぱん
定番のあんぱんも、中身は祖母の好みに合わせて“こしあん”に。「祖母も祖父と同じく厳しくて。祖母には、毎日、見た目も美しいものを厳選して届けています」

[Glück]のいいところ7
ちょっと小さなお店のシンボル
窓辺にちょこんとたたずむ木の人形たち。店のマスコットで、家具職人である祖父が店のために黒檀の木材を削って制作。ちなみに店のロゴはハットを被ったこの人形がモチーフに。

[Glück]のいいところ8
ちょっとおじいちゃん好みの山食
祖父のお気に入りは、山食。「パンの美しさと味は比例すると思っています。祖父からも毎日、指導が入るので手が抜けません(笑)」と温さん。

[Glück]のいいところ9
ちょっとシナモン多めのラインアップ
「僕がシナモン好きなもんで」と温さん。とはいえガツンとではなく、ふんわり上品に香らせるのが[グリュック]流。プチプチ食感の黒けしの実を巻き込んだシナモーン350円(中央)ほか。

写真/原 祥子 取材・文/吉田志帆
※この記事は2022年1月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。
店舗情報
神戸・二宮
Glückグリュック
  • 電話番号
    078-231-8645
  • 住所
    神戸市中央区二宮町2-10-20
  • 営業時間
    10:00~18:00
  • 定休日
    日・月
  • アクセス
    JR三ノ宮駅から徒歩15分
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