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ほっこり感もプラスする 和素材を巧みに織り交ぜて

パティスリーやレストランで経験を積んだ西澤拓実さんが自店を開くに当たって決めたのは、「甘すぎない、重すぎない、近所の人たちに愛されるお菓子を作る」こと。店の代名詞にもなっている「禅」を始め、日本人の口に合う和素材の名手として頭角を現している。仕上げの美しさも格別の生ケーキは、ほとんどが見た目から想像できない構成を持つものばかり。

例えば「蜜の箱」と題されたオペラ風のケーキは、甘やかに見えるが実は大人の味わい。西澤シェフの出身地である高知県の銘酒「美丈夫」のシロップを含ませたアーモンド生地と、オーガニックのハチミツ入りクリームが一体化して印象を残す。そんな個性派プチガトーと人気を二分するのがサクサクのクッキー生地をのせたシュークリーム。ユズみそや黒糖をアクセントにした数々の焼き菓子からも、技の多彩さが伝わってくる。

蜜の箱

きび砂糖を加えて焼いたアーモンド生地に、タスマニア島産の希少なレザーウッドハチミツを混ぜたクリーム、高知県産ユズの皮と果汁入りのガナッシュを重ねたひと品。580円

シュークリーム

試作を重ねて完成させた「手づかみで食べてほしい」シュークリーム。塩味を少し加えたクリスピーな生地と2層になったシュー生地には、タヒチ産バニラビーンズ使用のカスタードがたっぷり。1個 280円

ドーナツ、チョコ最中、フィナンシェ

宇治抹茶の苦みが楽しめるドーナッツ220円。よく焼き込んだ皮にミルクチョコを流し込んだ斬新なチョコ最中180円。高知県馬路村の名産・ユズみそ入り、香り高いフィナンシェ240円

店名は、庇(ひさし)の意味を持つ“梠”と、その通りであることを意味する“然”を合わせた造語。「庇のような店になる」との西澤シェフの思いが込められている。

写真/エレファント・タカ 取材・文/小林明子
※この記事は2022年3月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。
店舗情報
大阪・南森町
ronenロネン
  • 電話番号
    ☎︎06-6353-3530
  • 住所
    大阪市北区松ヶ枝町4-9 松田ビル1F
  • 営業時間
    11:00~18:00※売り切れ次第終了
  • 定休日
    月&不定
  • アクセス
    JR大阪天満宮駅から徒歩3分
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