［ワインショップFUJIMARU］の藤丸さんと一緒に全国のワイナリーを訪問し、その土地とワインの魅力を紹介します。 今回は長野県・東御市にある［ヴィラデストガーデンファーム＆ワイナリー］を訪ねて豊かな自然と絶景を味わいます。

藤丸智史さん／大学卒業後、ソムリエを経て海外でワイン作りを学び、大阪で［ワインショップFUJIMARU］を開業。現在はブドウ作りからレストランまで展開する株式会社パピーユの代表取締役。 Instagram @winefujimaru

vol.04
長野・東御
［VILLA D’EST GARDENFARM AND WINERY］

エッセイストであり画家の玉村豊男さんが2003年に開業した、東御市初のワイナリー。ブドウ栽培から醸造まで、恵まれた風土を生かしたワイン造りは国内外で高く評価される。現在は年間におよそ30,000本を生産。

ワインの一大産地を作った
始まりのワイナリー

　今回、藤丸さんと訪れたのは長野県・東御市。ブドウ栽培に適した気象条件がそろった千曲川の流域には、小規模ながら個性的なワイナリーやヴィンヤード（ブドウ畑）が密集し、「千曲川ワインバレー」が形成されている。そんな全国屈指のワイン産地で、藤丸さんが「この土地のワインを知るために訪れるべき」と向かったのは、高台にある温泉［湯楽里館］①。市内の街並みが眼下に広がる絶景の露天風呂があり、2階にあるワインミュージアムでは、この町のワイン造りの歴史やワイナリーが紹介されていた。これから向かう［ヴィラデストワイナリー］は、東御市で初めてワイン造りを行ったパイオニアということだった。

　ワイナリーのある丘陵地の一面には、整然と手入れされたブドウ畑が広がる。創業者の玉村豊男さんが、桑畑だった荒地を切り開いて作り上げた壮大な敷地には、野菜やハーブを育てているガーデンもあり、花々が色鮮やかに揺れていた。美しい庭園とブドウ畑の散策を終え、ワイナリーに併設されたレストランへ足を運ぶ。地元の食材を中心にした季節を感じるコース料理に、同じ土で育ったワインはこの上ない組み合わせ。「この景色を眺めるたびに、また来てみたいと思うんです」と、窓外の景色を眺める藤丸さんの視線の先には、新緑のブドウ畑と雄大な北アルプスの美しい景色が広がる。雲の隙間から差す柔らかい光が、「ワインの谷」の始まりの丘には、この日も爽やかな緑の風が吹いていた。

〜今月のワイン〜

ソーヴィニョンブラン 2022

2008年から栽培をスタートしたソーヴィニョンブランを使用。柑橘やハーブ系の華やかな香りとフレッシュな酸味が特徴で、軽やかな味わいの辛口白ワイン。3,850円（750ml）

壮大な景色を眺める、
丘の上のワインリゾート
北アルプスと千曲川を望む丘の上の耕作放棄地を開墾したワイナリー。12haの広大なブドウ畑のほか、花やハーブ、野菜を栽培するガーデンがあり、里山での自然豊かな暮らしとワインの魅力を体感できる。営業時間内であればブドウ畑やガーデンは自由に散策ができ、前日までの要予約でワイナリーツアーも参加可能。

SPOT TO STOP ①
［湯楽里館（ゆらりかん）］

ワインミュージアムを併設する絶景温泉
ブドウ畑に囲まれた丘の上にある日帰り温泉。露天風呂からは、北アルプスが眺望できる爽快な絶景が広がる。施設内には地元の特産品を取り扱うショップがあり、自社でのホップ栽培を手掛けるオラホビールの工場も隣接。2階のワイン&ビアミュージアムでは、東御市のワインやビール造りの歴史を学べる展示や、試飲も楽しめる。

SPOT TO STOP ②
［ツルヤ かのう店］

ご当地スーパーで、現地ならではのお土産を
長野県内に37店舗を展開する地域密着型のスーパーは、地元客だけでなく観光客をも魅了してやまない。信州産ブルーベリーやりんごバターなど、ジャム279円〜だけでも50種類以上（！）がずらりと並び、ボトル入りなめ茸359円や、くるみのたれ399円など、数多に展開するオリジナル商品が充実で、お土産探しに立ち寄りたい！

なめたけは、ボトル入りで、使いやすい。ご飯に乗せたり、お味噌汁に入れても！　くるみのたれはこの地方の定番。

【大阪からのアクセス】
大阪→長野／電車　ＪＲ大阪駅→特急サンダーバード・敦賀駅→北陸新幹線・長野駅→しなの鉄道・田中駅。大阪から約5時間、片道料金17，000円〜
※長野県内の移動はレンタカーが便利

写真／西島 渚　取材・文／関戸ナオヒロ
協力／パピーユ　www.papilles.net