パンの消費量が全国的にも多い滋賀県。
そのため、どのパン屋さんもおいしいのはもちろん、
さらに“食べたい!”となる魅力がありました！

#2 素材重視のこだわりパンに注目！

☑小麦から具材まで丸ごと滋賀産
大津［Pain Prunelle（パン プリュネル）］

身体も心も喜ぶ
地産地消ならではのおいしさ

開店の際、顔が見える地元の生産者探しから始めたという店主・松岡 瞳さん。実際に畑にも足を運び、ほれ込んだのが長浜［SHIBATA GROUND MUSIC］の無農薬ニシノカオリ全粒粉。特に情熱を注ぐカンパーニュをはじめ、ハード系パンの大半やスコーンなどの焼き菓子に使用し、自然な香ばしさと甘みを楽しませてくれる。総菜パンに合わせる野菜ももちろん滋賀のものを使い、無農薬・減農薬栽培の旬野菜を盛り込んだタルティーヌやサンドイッチもお見逃しなく。「一人でも多くの人に食べてもらいたい」との思いから、全ての生地が卵不使用なのもうれしい。

1.ニシノカオリ全粒粉を粉全体の40%使用。注文後に製粉してくれるので風味が格別によく、素朴な甘みが際立つ。ぱさつきにくく日持ちがいいので、じっくり楽しみたい。柴田さんちのカンパーニュ（ホール）1,300円
2.近江八幡の農家が手がける希少なもち小麦を粉の1割加え、もっちり＆エアリーな独特の食感に仕上げた高加水パン。そのままでも、サンドイッチにしても味わい深い。 近江園田ふぁーむさんのもち小麦リュスティック250円
3.濃厚な甘みと酸味がはじける大津[とまとのこいさん]から届く採れたてのトマトを使い、もっちり生地に北海道[花畑牧場]のモッツァレラとジェノベーゼソースを合わせてピザ風の味わいに。 トマトとモッツァレラ260円

写真／伊藤 信　取材・文／本庄 彩

☑名水で仕込むしっとり食パン
大津［BREADER（ブレッダー）］

琵琶湖のある街だから実現した
水が主役の名物パン

「滋賀県らしさがあって、個性的なパンを」という地元の声に応え、店主・藤井僚也さんがたどり着いたのが“針江の生水（しょうず）”。高島市新旭町針江地区の人が今も利用する集落の中を巡る伏流水で、長い年月を経て湧き出るため超軟水の水質が特徴。そんな名水で仕込むこちらの食パンは、ずっしりとしたその重さに驚くはず。生地の量を通常の2倍も用いることで、口溶けのまろやかさとさっくりとした食感を実現。売り切れることもあり、購入の際は事前予約を。現在店舗販売は不定期につき、お隣［What’s The Life Style］で販売中。

1.蜂蜜や練乳を加えた甘さが際立ちながらも、すっきりとした後味としっとりとした口溶けが特徴の食パン。No.2 STANDARD1斤780円
2.カカオを2つの生地で挟むように成形することで生まれる断面のラインは、琵琶湖の水面をイメージしたもの。食パンの表面は、ビターココアで描くダークな柄で琵琶湖の朝もやを表現。牛乳と生クリーム、そして名水で仕込むシンプルなNo.1 BIWAKO 1斤1,000円
3.隣接するカフェレストラン［What’s The Life Style］では、2種類の食パンと一緒に食べたいフードの持ち帰りも。左から鶏むね肉とブロッコリーのグリーンカレー800円、ボストン風クラムチャウダー、松坂牛すじと7種野菜のスープ各750円

写真／岡本佳樹　取材・文／土橋健司

☑貴少なプラントベースドのパン
守山［4eyes bakery（フォーアイズ ベーカリー）］

みんなに優しいから
選びたい、健やかな味わい

乳製品や卵といった動物性食材を使わない、ビーガンパンの専門店。店主の伊藤 豪さんは独立にあたって「より多くの人が安心して楽しめるパンを」という思いでこのスタイルを選び、自身もビーガン生活を始めて体が整った感覚があるそう。バターの代わりにオリーブオイルや太白ゴマ油で生地のふんわり感を出したり、メロンパンは皮付きのアーモンドプードルを使ってクッキー生地を仕立てたり、幅広いアプローチで焼き上げた約30種が並ぶ。軽やかなおいしさはビーガンの人はもちろん、そうでない人も足を運びたくなる。

1.塩を利かせたチャバタに、豆乳クリームとあんこを合わせたなめらかなあんこクリームをサンド。生地に練り込んだオリーブオイルが、風味に奥行きをもたらす。オープン当初から不動の人気。あんこクリーム240円
2.ライ麦生地のセーグルレーズンに、厚切りの豆乳バターをサンドした一品。クルミやレーズンがたっぷり入ったパンと、癖のない豆乳バターが一体となって幸せな余韻。ぜひ冷やしてどうぞ。豆乳バターサンド210円
3.全粒粉を少量加えた定番の食パンに豆乳バタークリームを塗り、オーブンで焼き上げて。カリッと香ばしい食感と優しい甘みが広がり、中はふんわりもっちり。レーズン食パンバージョンも。豆乳バタートースト200円

写真／エレファント・タカ　取材・文／本庄 彩