阪神間、それも六甲の周辺に、
コーヒーをもっとおいしく楽しむための工夫が詰まった
コーヒー店が、次々とオープンしています。
コーヒーと、インテリアと。
六甲[朔コーヒー(さくコーヒー)]
お気に入りのチェアで
果実味鮮やかなコーヒーを
「飲んだときに味のイメージが思い浮かぶ、鮮明な味作りを目指しています」という店主の加戸翔太さんは、スペシャルティコーヒーの醍醐味に触れたのを機に、会社員からロースターに転身。トップレベルの豆を吟味しながら、白ブドウ、ラズベリー、キウイなど、イラストでフレーバーを分かりやすく提案し、多彩な豆の個性を肩肘張らず楽しめると、早くも界わいの支持を得ている様子。一見スタンドスタイルだが、奥へ進むと北欧風のカフェスペースが。「何時間でもいてもらえるように」と、座り心地の良さで選んだデンマークのビンテージチェアは全て異なるデザイン。コーヒーと共に、お気に入りの席を選ぶのも、楽しみの一つに。
- 電話番号なし
- 住所神戸市灘区宮山町2-5-3
- 営業時間12:00〜20:00(土・日・祝11:00~19:00)共にLO
- 定休日月
- カード使用可
- 席数8
- アクセス阪急六甲駅から徒歩すぐ
コーヒーと、焼き菓子と。
六甲[日ごろ珈琲(ひごろコーヒー)]
滋味あふれるペアリングで
心地良い日常の余白を満喫
「高校時代から自分のお店のイメージは持っていました」。店主・吉田 玲さんが長年の思いを形にした店は、穏やかに時が流れるすがすがしい空間。まろやかな香味が染み入る、神戸・栄町[VOICE of COFFEE]による深煎りのオリジナルブレンドは、心地良い静けさと共にじっくりと味わえる一杯だ。四季の素材を盛り込んだお菓子は、大のベイク好きという妻・花織さんが月替わりで提案する。濃密な生地の余韻に果実の風味が香る、甘夏とピスタチオのタルト(下)や、しっとりした口溶けのパウンドケーキなど、いずれもしっかりと焼き込んだ生地が主役の逸品ぞろい。そんな素材が際立つ飾らぬ滋味と、コーヒーとの相性は言わずもがな! 吉田さん夫妻によるコーヒーとスイーツを楽しむ穏やかな時間が、ちょっとぜいたくな日常の余白を約束してくれる。
- 電話番号078-600-9324
- 住所神戸市灘区宮山町2-4-43 五光マンション1F
- 営業時間9:00〜18:30(テイクアウト〜19:00)共にLO
- 定休日不定
- カード使用不可
- 席数8
- アクセス阪急六甲駅から徒歩3分
コーヒーと、空間と。
大石[月珈(げっこう)]
D.I.Y.で理想の純喫茶を再現、
古くて新しい憩いの場
開店から1年とは思えない昭和レトロな空間は、全て店主の森さんがD.I.Y.で完成させた熱意の結晶。御影[コーヒーハウス井戸]で長年勤め、「店を持つなら自分が理想とする純喫茶を再現したくて」と4年掛かりで造り上げた。50年物のオーディオやイタリア製レジ、さらには店を閉じた喫茶店から受け継いだ家具・調度品が並び、老舗のような空間を演出。もちろんメニューも純喫茶仕様で、コーヒーは炭火焙煎で深くきりっと仕上げたブレンド一本に。人気のワッフルブレンド(上)は、カップに六甲道[ワーフルハウス]から仕入れるワッフルをのせて、中のキャラメルが溶けたら食べごろ。街外れにポツンと現れた古くて新しい一軒は、たとえ遠方でも訪れたい憩いの隠れ家だ。
- 電話番号050-5236-8590
- 住所神戸市灘区新在家南町4-9-17 マンション松村1F
- 営業時間8:15〜18:00LO
- 定休日なし
- カード使用不可
- 席数20
- アクセス阪神大石駅から徒歩10分
写真/沖本 明 竹田俊吾 取材・文/田中慶一