京都・平野神社［フルーツパーラー クリケット］

おいしさをひと口に凝縮！工夫満載のサンドイッチ

丸ごとフルーツゼリーをはじめ、季節替わりのスペシャルパフェや限定いちごプレート……。老舗パーラーならではの、フルーツを贅沢に用いたメニューのなかでも人気を集めるのがフルーツサンド。「凝縮された味」を感じられるよう、6カット×2組のひと口サイズで提供される。定番のリンゴやイチゴ、マンゴーにメロンのほか季節替わりの3種を加えてフルーツは7種が入っている。リンゴのサクサク感をアクセントに、フレッシュな酸味を活かすよう甘みのあるパンと軽く仕立てたホイップクリームでサンド。どこを食べてもじゅわりと果実の旨さが堪能できるひと皿。

［京都・下鴨］HOSOKAWA 下鴨本店

贈答用専門店が引き出す果物の底力

本店では２００７年のリニューアル時から登場したフルーツサンド。時季によっては赤字覚悟な静岡産マスクメロン、パイン、バナナ、パパイヤ、イチゴの計５種の断面がきれいに出現するよう、高さをそろえてカットする。果物の甘さを最大限に生かすべく「生クリームは果物とパンのつなぎ役。脂肪分の異なる２種の生クリームを合わせ、口溶け良く適度な硬さに仕上げたものを薄く塗っています。パンも塩味や甘みが少なく果物に寄り添う軟らかいものを選びました」と常務の細川 哲さん。計算された端正な味わいにうっとり。

［大阪・堀江］ミキフルーツカフェ

果物の存在感が際立つ三角形

創業１９６８年の老舗フルーツショップ。店主は小学生のころから店を手伝っていたという三木和也さん。副店長である妻・紀美子さんと共に大阪の中央卸売市場から仕入れるのは、国内外の旬の果物の数々だ。イートインの一押しメニュー・フルーツサンドは、ふんわり軟らかな食パンを８枚切りにし、甘さ控えめのホイップクリーム、そして看板商品のバナナをはじめとするその日食べ頃のフルーツを５～６種をサンド。「繊維が邪魔にならないように」とひと口サイズに丁寧にカットした果物を挟み、食べやすい三角形に。頬張った瞬間に広がるフルーツのみずみずしい香りにも感動！

神戸・西元町
［fruit cafe Saita! Saita!（フルーツカフェ サイタ サイタ）］

とびきりの目利きで作る香りも彩りも格別の一品

神戸市中央卸売市場の青果店で経験を積んだ採田さんが「旬の果物を気軽に楽しんでほしい」と店を構えて20年目。フルーツサンドは、定番のバナナ・パイン・キウイに加えて、イチジクや柿など季節の品々をバランスよくミックス。甘さを極限まで控えた生クリームをパンに薄く伸ばし、果物本来の持ち味を生かすのがポイント。山食の耳はあえて一部を残すことで食べやすく、パンの風味もほど良く感じられる。食べ頃の見極めもさすがで、甘やかな香りが弾けるよう。断面を上に「タテ食べ」して４〜５種の果物の味わいを楽しみたい。

滋賀・大津［丸二果実店（まるにかじつてん）］

絶妙な小ぶりカットもうれしいロングセラー

大正元年創業の老舗果実専門店。その喫茶コーナーで通年いただける名物サンド。９枚切りの食パンを使い、硬めに泡立てた生クリームと共にイチゴ・パイン・キウイ・マンゴーの４種を挟む、シンプルで懐かしいたたずまい。ハチミツでほんのり甘みをつけたクリームが、果物の味わいをさりげなく引き立てる。片手でもつまみやすく、ちょうど二口で食べられる小ぶりな８等分カットは「デートのときでも、スマートに食べてもらえるように」という気遣いから。優しさが詰まったひと品は、食べるごとにみずみずしい甘みと酸味、香りが広がる。

写真／岡本佳樹 白石卓也 原祥子　　取材・文／いなだみほ　本庄彩 SAVVY

※この記事は、SAVVY別冊　おいしいパンカタログ（2023/12/5発売）からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。