名店で見つけた、華麗なカレー中華
大阪・肥後橋［中国料理 上海楼］のカレーラーメン

オフィス街の一画に趣ある門構えの路地があり、石畳の奥にたたずむのは1960年創業の中国料理レストラン。160席を超える規模のお店が隠れ家のように存在することにも驚くが、昼の人気メニューは、なんとスパイス香るカレーラーメン。10年ほど前に、毎日来店しても食べ飽きぬようにと、昼のサービスメニューとして開発。その人気ぶりから5〜6年前にレギュラーメニュー化された。意外に歴史は浅いが、常連の舌がカレー寄りであったことがその経緯から伺える。

鶏ガラ・豚骨のWスープに、カレー粉とカレールゥを用い、うま味も刺激もしっかりとしたスープに仕上げる。さらに和だしを加えることで、味わいの深みと余韻を持たせながら、なじみやすい味、安心感のある味わいに。

具材はシンプルに牛肉とタマネギのみで、あしらいに白ネギと生卵をのせて。これは好みで外すこともできるそうだが、両者のさっぱり感とマイルド感がバランスよく、味が変化していくのも楽しくておいしい。チーフ・山田敏一さんいわく、「とにかく夏でも冬でも、よく出るんです」とは、うれしい悲鳴！？

体に優しい中華がモットー。あっさりとした味わいながらもうま味しっかりの料理がそろう。気軽な定食から円卓を囲んだ宴会まで対応。お昼のピーク時を過ぎても次々と門の中に客が入る。スタッフのみなさんの制服がクラシカルでかわいい。

写真／エレファント・タカ　取材・文／曽束政昭

※この記事は2023年9月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。