SAVVY.jpの竹村です。
急に梅雨があけて、急に蒸し暑いです。
今回はSAVVYではなく、弊社からだしているもうひとつの雑誌『Meets regional』 にまつわるお話です。
「地域に出会う」の誌名どおり、街に密着して深掘りしていく雑誌です。
『SAVVY』の編集長をやる前は、『Meets regional』の編集長を5年ほどやっておりました。
いまはどちらの長でもなく、ふわりとしております。
さて、発売中の『Meets regional』は京都特集です。
その特集担当が20代の若手の編集部員で、日々飲み歩いている、
まさに雑誌を体現するかのような人なんですね。
そんな部員が、いま一番はまっている街・京都にがっつり向き合って作った一冊です。
で、その表紙にもなっているお店の原稿を突如頼まれました。
理由は、詳細が明らかにされていないお店で、そこに私がわりと初期から行っていて、
それなりに知っているのでは、というとこでしょうか。
お店の紹介は本誌を読んでいただくとして、
3600文字(原稿用紙8枚分)という、昨今の雑誌にしてはなかなかのボリュームです。
今、お送りしてる原稿はだいたい1000文字前後で、わりと長めではありますが、
通常『SAVVY』では、長くて600文字。だいたい200〜300文字くらいが多いです。
なのでじっくり語るというより、できるだけソリッドに要点をおもしろく伝える、
書き方が多いです。
ですが、今回は担当に「よりエモい感じで、エッセイぽく」とのオーダーがありまして、
しかも(普段に比べると)長文。これは、そうそうひと筋縄ではいかない。
ということで、がっつりと1日、原稿と向き合いました。
その原稿の性格上、改めて取材しちゃうとそれに流されてしまうので、
あえて取材はせず、写真の撮影にも立ち会わず。
まっさらな状態で店と原稿に向き合うことにしました。
とはいえ、「さあ書くぞ」と机に向かうのではなく、
オーダーされてから、なんとなくずっと原稿のことを考えています。
このエピソードはいれたほうがいいとか、こんなことを店主が言っていたなとか
パーツをばらばらと頭の中で集めていきます。
で、それをなんとなく組み立てて、組み直してを繰り返します。
そういうのを、電車に乗ってるときとか、仕事の合間とかにぼんやりと考え続けます。
マルチタスクと言うと格好良さげですが、単に集中力がないとも言えます。
そうこうして、ざっくりと原稿の大枠ができてから机に向かいます。
で、今回は土曜日の午後をまるっと使って書き上げました。
頭の中にあるものを、ザーーーと書いていって、
この表現だと意味が分かりづらいかな、ここはもう少し説明した方が良い、
ちょっとくどすぎる、自分よがりすぎるかも、とディテールを調整していきます。
職業病として、書いていて、だいたい200文字、みたいな感じで文字量は分かりますが、
さすがに3600文字になると、ちょっと分からない。
ですので、文字数も数えながら調整していきます。
そんな感じで、かなりがっつりと原稿に向き合った案件でした。
普段も向き合ってないわけでもないんですが、改めて編集者になりたての頃の
初めて原稿を書くような感覚でした。
ちゃんと向き合うって大事だな、と実感した次第です。
何事もそうなんだろうな、と改めて学びがありました。
ありがとうございます。
それではどうぞよろしくお願いいたします。
『Meets Regional』
https://www.lmagazine.jp/meets/