SAVVY.jpの竹村です。
夏休みは、日本海に行くことが多かったです。
海に行く=日本海、のイメージがあります。
そんな京都は舞鶴に、新しい宿ができたので行って参りました。
宿泊施設ではあるんですけれど、
もうちょっと視野が広いといいますか、
街を再構築するためのアクセスポイントといいますか。
なんのこっちゃ、という感じですみません。
舞鶴をはじめ、福井などのエリアは、
繊維産業で栄えていました。
かつては反物を作る工場がたくさんあったり、
縫製工場もいくつもあって、大きなメーカーの拠点も。
舞鶴には、自衛隊の大きな基地もありますし、
かなりにぎわっていたようです。
とはいえ、時代の趨勢とともに、繊維産業はどんどん海外へと流出していきます。
聞けば、いま日本製の服の国内流通量は1%くらいだとか。
1%!って、ちょっと衝撃的でした。
そんな繊維の街、舞鶴の縫製工場[福井センイ]が、
一棟貸しの宿を始めたという。
その名も[SEW STAY]。
縫製工場だから、SEW=縫う、なんですね。
工場が宿になっているわけではなくて、
近くの民家をリノベーションして、一棟貸しの宿に。
平屋タイプと2階建てタイプの2棟。
軌道にのれば、増やしていきたいそうですが、
増やせるだけの民家が空いてるということか、と考えると
それはそれで、「うぅむ」となってしまう、
舞鶴のおかれた状況が透けて見えてきます。
さて、肝心の宿はといいますと、
かなり面白い感じでリノベーションされてます。
基本的にはズドンとぶち抜いて開放感ある間取りになっていて、
窓も大きくて、光もたくさんん入ってきて気持ちが良い。
目の前には川もあって、小鳥のさえずりが聞こえて豊かな気分になります。
その空間を、大きなシースルーのカーテンがゆるやかに区切っていて、
不思議な包まれ感があります。
このカーテンは、もちろん縫製工場でワンオフしたもので、
留める部分が、ボタンホールになっていたりして遊び心も。
残布を、やたらめったら巻き付けてソファーにしちゃったり。
「これ200kgくらいあると思います。もうちょっと大きくしてやろうかな、と思ってます」
と笑うのは、[福井センイ]の菅原一輝さん。
このプロジェクトの仕掛け人。
実は[SEW STAY]は、[SEW]というプロジェクトの一環で、
街を縫うように再構築するのが大きな目標。
地元のカフェやレストラン、食堂や、住民にランドスケープも含めて
縫い合わせていくのが[SEW]。
その、核となるのが宿泊施設ということですね。
ちなみに、このプロジェクトのクリエイティブディレクター・坂東拓海さんは、
大学を卒業したばかりの20代前半。
やる気と意欲に満ち満ちていて、未来はなかなか楽しそうだぞ、
とも思いました。
そして、そんな若者にまかせちゃう心意気もいいですね、と。
泊まった翌朝は、近所の喫茶店でモーニング。
地元のマダムたちが集まって、楽しそうでした。
なんというか、豊かな時間とはこういうことでしょうか。
さらに余談ですが、舞鶴はカレーラーメンだそうです。
自衛隊の軍艦カレーが発端だとか、そうじゃないとか。
そのカレーラーメン、「盛り上げるぞ!」な、いわゆるご当地B級グルメな感じではなくて、
「なんかみんなが食べるから、うちも出してます」の雰囲気もよくて。
なので、裏メニュー的に出してるお店も多いとか。
決して隠してるわけじゃなくて。
なんだかおもしろいですね。
それではどうぞよろしくお願いいたします。
SEW公式ホームページ https://city-sewing.com/
※〈編集日記〉は毎週金曜更新、次回は7/19(金)予定です
過去記事は、ハッシュタグ #編集日記 #編集長日記 をクリック。