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編集長の竹村です。

映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』 が
ヒットしてますね。
関西の県民同士のあるあるを茶化したこの映画。
関西人なら「わかるわかるー」であったり、
「いやそれや言い過ぎちゃう?」な気持ちになったり。
身近で知ってるがゆえの楽しみもありますね。

この映画でいじられ倒しているのが、滋賀県。
中学と高校時代は、滋賀県で過ごした竹村です。

さて、滋賀ネタでいうと
2023年に本屋大賞にもノミネートされた
宮島美奈の『成瀬は天下を取りに行く』は、
がっつり滋賀・大津が舞台。

西武百貨店・大津店の閉店がエピソードとして登場したり、
その周辺のディテールの書き込みも細かくて
知ってる人以外に伝わるんか?な、なかなかのローカルっぷりです。

その西武は池袋が本店ですし、西武鉄道も関東圏。
京都や梅田には西武百貨店はないのに、突然なぜ滋賀に西武百貨店があったのか。
西武系だったプリンスホテルも大津の湖岸にドーンとそびえ立っております。
近江鉄道のマークもライオンズと同じのものが使われてます。
それは西武の創始者、堤 康次郎が滋賀の出身だったから。
故郷に錦を飾ったということでしょうか。

そんな西武百貨店・大津店、駅直結でもなく湖岸沿いにある、
いまから思えば謎の立地でしたね。

大津からなら京都まで十数分で着いてしまうし、
京阪で三条まで行けるので、
正直、大津に住んでても百貨店含めて、
遊びには京都に行ってました。
中高生だと車に乗れないし、アクセス的に京都の方が便利という。

とはいえ、西武百貨店・大津店には、もちろん行ったことはあって、
1990年くらいなので、西武自体もまだまだ勢いあった頃だと思います。
(渋谷系全盛期!)
この小説にでてくる人物ほどは、思い入れはなくて
記憶も薄ぼんやりはしてるんですが、土地勘はあるので
小説に出てくるディテールが手に取るように分かって面白いです。
(遊覧船のミシガンは乗ったことがないので、乗ってみたい!)

滋賀のことをそんなに知らなくても、
主人公の成瀬あかりに、ぐいぐい引きつけられるので
読んでみて欲しいです。
帯のコメントにもありますが、
人生のどこかで別れてきた「何か」、を思い出します。
甘酸っぱい青春を思い返す感じではない、のがミソなんですが、
それは人によって違うと思うので読んで感じてみてください。

続編『成瀬は信じた道を行く』も、
滋賀マックスで展開されますので、こちらもぜひ。

それではどうぞよろしくお願いいたします。

『成瀬は天下を取りにいく』
『成瀬は信じた道をいく』
宮島未奈/著 新潮社

※編集長日記、次回は3/8(金)更新予定です。
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