25年以上もの長きにわたって上沼恵美子が担当してきた大阪発の料理番組を、DAIGOが担当し始めておよそ8カ月。ほぼ料理経験のなかったというDAIGOが日々、着実に成長する様子も伝える(伝わってしまう)新感覚な料理番組『DAIGOも台所 〜きょうの献立何にする?〜』について、DAIGO自身はどう捉えているのか。まっすぐなその言葉を聞きました。
自分のレベルアップにもつながって、
台所との距離感がぐっと縮まった
ほぼ料理経験がなかったけど
少しずつ手際がよくなってきた
編集部(以下編) 放送が始まった2022年4月、初々しいDAIGOさんの料理姿が話題となって、その4月にはもう『衝撃の台所デビュー週よ もう一度!』と題したスペシャル番組まで放送されました。
DAIGO(以下D) これまでの人生で台所に立つ機会がほとんどなかったので、最初の頃は計量だけでもすごく時間がかかったりしてましたけど、だいぶ慣れてきました。番組では1カ月に25品くらいは実際に作ってますので、それを半年以上……それだけやっていれば、さすがに誰でも手際はよくなるだろうって気もしますけど(笑)。
編 この番組の出演オファーを受けたときのことを教えてください。
D 「自分で大丈夫なのかな?」とびっくりしました。あまりにも僕の料理経験がなさすぎて、正直どうしようかとちょっと悩みもしました。けど、妻に相談したら即答で「いいじゃん!」って感じで。家族の後押しが大きかったですね。
編 番組が始まってからご自宅でも料理は実践されてますか。
D もちろん、この番組で教わった料理を家でも作っています。餃子の皮を使ったクリスピーピザとか、レンジで簡単に作れるカレーとか。牛肉とレンコンの甘辛炒めを作るときは、豆板醤は家にあったけど甜麺醤がなかったので、甜麺醤を買いに走りました。
編 ご家族の反応はどうですか。
D 妻にはすごくおいしいと評判だし、盛り付けに凝ってるよね、って言われたりもします。番組収録で先生方の料理する様子を間近に見て、盛り付けにもこだわってやってらっしゃるので、そのあたりも影響を受けてるなと思います。やっぱり自分が作ったごはんをおいしいって食べてもらえるとすごくいい気分になりますね(笑)。料理を作る充実感みたいなものも感じられるようになってきました。
切ってる感触の中でも
タマネギの薄切りが今は楽しい
編 番組の最後は、DAIGOさんの皿洗い風景が定番となっています。料理のいろんな段取りの中でお好きな部分ってありますか。
D 材料を切ることかな。タマネギを薄切りにするのが今はいちばん楽しいと感じます。線維に沿って切るのが好きなので。あの感触が好き。うん、豆腐だとやっぱり物足りないんですね。鶏肉は皮があるから切りづらくてちょっと苦手。
編 DAIGOさんが慣れない料理に奮闘する姿から皿洗いまでの様子を見せていることに番組からのメッセージも感じます。
D そうですね。料理は必ずしも女性がやるべきという時代じゃないので、こういう機会をいただいて、自分としても料理を学べてとてもありがたいと思っています。そして、毎日の献立に悩む人が少なくないと話に聞いていますので、だからこそ「今日はこれ作ろう」ってきっかけの番組になればいいなって。作らせていただいてる料理、すごくおいしいんですよ。
編 放送時間内では食べる様子があまり映っていませんが、収録を拝見しているとカメラが止まってもずっと食べてましたね。
D ほんとにおいしいから(笑)。そんな料理を毎日紹介してますから、ぜひみなさんにもチャレンジしていただきたいです。
料理を作って完成させるまでの
エンターテインメントとして
編 番組収録のことでいえば、金曜の放送回はDAIGOさんがアドバイスを受けながら一人で料理にチャレンジする日となっていますが、うそ偽りなくライブ的に料理されていて驚きました。何かを焼いたりチンしたりする時間も待ちながらで。
D そうなんです。本当はノーカットで放送してもらいたいくらいですけど、さすがに尺があるので(笑)。いつかは生放送とかもやってみたいですね。料理が出来上がる前に番組が終わっちゃう気もしますけど。
編 ハロウィンでは、SNSでロックな料理人姿の仮装を披露されてました。
D さすがに自分が料理人だという認識は全然ありません。でも、料理や台所との距離がぐっと縮まっているのは感じています。一人の男として料理がやりがいになってきてますね。僕は普段、ロックミュージシャンとして活動していますので、エンターテインメントという点では、この番組『DAIGOも台所』とも通じるところがあるかもしれない。料理を作って完成させるまでのライブですから。
編 DAIGOさんとともに成長する、新しい形の料理番組になっていると感じます。
D この番組はまだまだ可能性を秘めていると思いますので、いろんなゲストに来てもらいたいですし、ライブクッキングみたいなイベントもできるかもしれない。僕もRIC!料理を学びながらいろんなことに挑戦していきたいですね。
写真/エレファント・タカ 取材・文/竹内 厚
Profile
DAIGO
1978年生まれ。ロックバンドBREAKERZでの活動と並行してソロでも活動。朝の情報番組『ZIP!』では木曜パーソナリティーを担当。大の競馬好きとして『馬好王国〜UmazuKingdom〜』『みんなのKEIBA』のMCも務めている。
TV
『DAIGOも台所 ~きょうの献立 何にする?~』
月〜金 13:30〜 (ABCテレビ)
月~木曜日は、献立の悩みについてのお便りをもとに、辻調理師専門学校の先生が絶品の家庭料理を提案。DAIGOは先生とマイペースに会話しながらアシスタントを務める。金曜日は料理コラムニスト・山本ゆりが教えるレシピにDAIGOが一人でチャレンジ。番組発のレシピ本も、既に第2弾まで発売中。
※この記事「〈interview〉大阪発の料理番組を始めて8ヵ月。DAIGOの心境は」は、2月21日(火)までの期間限定公開です。また、この記事は、2023年3月号からの転載です。