元タカラジェンヌの支配人・憧花ゆりのさんを直撃。
宝塚ホテルの“今”
老舗ホテルが移転オープン
宝塚の新ランドマークへ! 〈後編〉
2020年6月、[宝塚大劇場]西隣に、同劇場のオフィシャルホテル[宝塚ホテル]が移転。オープン以来、注目が集まっています。今回は弊誌2022年7月号(『北摂特集』)でご紹介した[宝塚ホテル]の魅力を、「SAVVY.jp特別版」として深掘り!ホテルジャーナリストの松澤壱子さんが[宝塚ホテル]、そして支配人で元タカラジェンヌの憧花ゆりのさんの“今”に迫りました。そのトークの模様を、前半・後半に分けてお届けします!
元宝塚歌劇団月組娘役スター(2000〜2018)。『エリザベート-愛と死の輪舞-』の皇后ゾフィーなど重要な役どころを演じ、豊かな表現力でファンを魅了した。2020年6月、[宝塚ホテル]支配人に就任。
ホテルジャーナリスト。世界のホテル、レストランの取材を中心に活動。著書に『世にも美しいホテル-心満たされる場所-』(ぴあ)など。IG@mbichiko
自分ならではの方法で
オンリーワンのホテルに
松澤(以下、松) 支配人というと、生え抜きのホテリエから選ばれるのが一般的ですが、憧花さんの場合、異業種、しかもタカラジェンヌからのご就任。人知れぬご苦労があったのではないでしょうか?
憧花(以下、憧) 最初は右も左も分からなくて、戸惑うことも多かったですね。でも、変に取り繕わず、例えば「挨拶をしっかりする」「分からないことは分からないと言う」など、自分にできることから始めました。
松 まぁ、そんなときも!
憧 そのうち、同僚たちがアドバイスをくれるようになって、ホテルの中に自分の居場所ができてきたんです。
松 立派なキャリアを鼻にかけず、謙虚に学ぼうとする姿に、みなさん応援したくなったんでしょうね。今はだいぶ支配人業にも慣れてらしたのでは?
憧 そうですね。だからこそ、これからは“元タカラジェンヌの支配人”というところから一歩進んで、自分にしかできない仕事を作っていきたいなと。
松 その挑戦の一つが、8月から始まったトークイベント&アフタヌーンティー「Suu’s Room」だったのですね。
憧 はい。「徹子の部屋」ならぬ「すーさん(憧花さんの愛称)の部屋」で、「Suu’s Room」です(笑)。
松 最高!
憧 就任以降、ホテルと宝塚歌劇をどうつなげられるかを模索していたのですが、ある日、松澤さんにお話ししたら「トークイベントをしてみては?」と言っていただいて。
松 そうでした!
憧 トークイベントで、どうしたら[宝塚ホテル]の魅力をお伝えできるかを考えたとき、第1回目はホテル業界に精通されている松澤さんと対談するのが良いなと思ったんです。
松 そんなつもりで提案した訳ではなかったので、最初は恐れ多い! とお伝えしたのですが、このイベントへの意気込みを伺って、対談を通して[宝塚ホテル]のファンがさらに増えればと思ってお受けしたんです。
憧 おかげさまでチケットは即完売。大好評をいただきました。
松 今後もいろいろなゲストをお招きするんですよね?
憧 はい。来年2月には、宝塚歌劇団の演出家・稲葉太地先生をお招きします。
松 わぁ、楽しみ!
憧 松澤さんの回はアフタヌーンティーを挟み、前半と後半で互いにインタビューし合う形にしましたが、スタイルはゲストによって変える予定です。例えば、ゲストの方が音楽家だったら前半をトーク、後半をライブなど、柔軟に変えていきたいと思っています。
松 引き出しの多い憧花さんならでは! 斬新なアイデアはもちろん、新たな挑戦を受け入れられたホテル側もすばらしい!
憧 本当にありがたかったです。
松 これからどんな風に進化していくのか、楽しみです。
憧 ありがとうございます。[宝塚ホテル]と宝塚大劇場の架け橋になれるよう、来年もいろいろなことに挑戦していきたいです。
[宝塚ホテル]が“唯一無二”と言われるのは、単に[宝塚大劇場]のオフィシャルホテルだからではなく、こんなアイデアマンの支配人と、彼女を守り立てるスタッフの存在によるところも大きいのでしょう。ホテルという劇場で、これから憧花さんがどんな“夢のつづき”を描くのか、ますます注目です!
写真/岡本佳樹
- 電話番号0797-87-1151
- 住所宝塚市栄町1-1-33
- 営業時間チェックイン14:00/チェックアウ
- 料金1名1室26,620円〜
- アクセス各線宝塚駅から徒歩4分
※この記事は2022年8月号の記事を再編集しています。記事に掲載されている展示内容や、店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。