今月のイチオシ作品を、20年以上関西の演劇シーンを見つめ続けるフリーライター・吉永美和子が5作品をピックアップ!
文/吉永美和子
20年以上関西の演劇シーンを見つめ続けているフリーライター。地元の小劇団から伝統芸能まで、ジャンルを問わずに観劇している。趣味は旅行といろんなお茶をたしなむこと。
※チケットの販売状況、当日券については各HPやSNS等で最新の情報をご確認ください。
<今月の“超”劇推し!>
☑リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』

お年始にぴったりな、笑いと家族愛にあふれた朗読劇
関西在住の絵本作家・たなかしんの代表作を、俳優3人だけのリーディングアクト(朗読劇)に仕立て上げ、2021年に初演された『一富士茄子牛焦げルギー』。漫才のような関西弁の会話と、家族愛を直球で描いた内容で、多くの人を笑い泣きさせた作品が、アイドルグループ・AmBitiousの真弓孟之、劇団☆新感線の羽野晶紀、古田新太の組み合わせで再演される。「おかん」を交通事故で亡くして、「おとん」と初めての正月を迎えた「ぼく」。おとんが、初夢に出てきた富士山に「餅が焦げないようにしてほしい」と願ったことがきっかけで、夢と現実を超えた冒険が繰り広げられる。
これが3年ぶりの主演舞台となる真弓は「会話の掛け合いが他に見ないほどポップだけど、これを言葉だけで表現するのは難しい。『ぼく』の気持ちと合わせていきたい」と意気込みを語る。前回公演から続投するおかん役の羽野は「新しい家族を迎えて新鮮な気持ち」と期待し、初のおとん役に挑む古田は「こういうハートウォーミングな作品にあまり出ないので、俺でいいの? と。楽しい家族にして、ほろっとさせたい」と抱負を語った。身近にいる家族の存在がいっそう愛しくなるのが確実なこの舞台で、2026年の初笑いと初泣きを同時にかなえよう。
リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』
日程/2026年1月15日(木)~18日(日)
場所/サンケイホールブリーゼ
原作・劇中画/たなかしん『一富士茄子牛焦げルギー』(BL出版)
脚本/野上絹代
音楽/瓜生明希葉
演出/河原雅彦
出演/真弓孟之、羽野晶紀、古田新太
料金/S席7,800円(全席指定)ほか
チケット情報/https://www.ricomotion.com
問い合わせ/06-6923-3535(リコモーション)
☑劇団壱劇屋 イマーシブシアター『KING OF 高槻城』

高槻城を賭けた戦いに巻き込まれる、体験型の演劇
約1年前に、高槻市の公立劇場の地下エリア一帯を会場として、複数箇所で同時多発的に起こる芝居を、観客が移動しながら観劇するイマーシブシアターを実現した、門真の劇団壱劇屋。今回は地上に飛び出して、約1,500席の大劇場エリア一帯も加えた建物全体を使った新作を披露する。明治時代に廃城された高槻城が、令和に復活。その覇権を巡って、近畿2府4県の人々が壮絶な城取り合戦を繰り広げていく。メインの話を劇場で座って見てもよし、ロビーや廊下で繰り広げられるサブストーリーや謎アイテムを探しに行ってもよし。自分のペースと嗜好(しこう)に合わせて楽しめて、自分だけの「物語」を作り上げられる、唯一無二の演劇をぜひ体験してみて。
劇団壱劇屋 イマーシブシアター『KING OF 高槻城』
日程/12月25日(木)~28日(日)
会場/高槻城公園芸術文化劇場 南館全館
作・演出・出演/大熊隆太郎
出演/エディ、河原岳史、湯浅春枝、𠮷迫綺音 ほか
料金/一般4,000円 ほか
チケット情報/https://www.takatsuki-bsj.jp
問い合わせ/072‑671‑9999(高槻城公園芸術文化劇場)
☑大阪国際文化芸術プロジェクト『壽 初春歌舞伎特別公演』

豪快で優美、コメディーも? 歌舞伎の魅力を凝縮した公演
大阪府・大阪市・大阪文化芸術事業実行委員会が主催する、「大阪国際文化芸術プロジェクト」の歌舞伎公演。今回も、映画『国宝』の歌舞伎指導で改めて注目が集まった中村鴈治郎や、映像でも活躍する片岡愛之助などの名優が勢ぞろいした。『菅原伝授手習鑑』『仮名手本忠臣蔵』などの“これぞ歌舞伎”な古典から、コメディータッチの作品まで、バラエティーに富んだ演目がそろっている。なかでも、『国宝』で歌舞伎に興味を持った人なら『京鹿子娘道成寺』(夜の部)はぜひ生で見ておきたい一作。上方落語の大ネタをベースにした『らくだ』(昼の部)も「歌舞伎でこんなに笑えるの?」と、驚きながら大笑いできるはずだ。
大阪国際文化芸術プロジェクト『壽 初春歌舞伎特別公演』
日程/2026年1月7日(水)~25日(日)
会場/大阪松竹座
出演/中村鴈治郎、片岡孝太郎、片岡愛之助、市川中車、中村壱太郎、中村種之助、中村歌之助 ほか
料金/一等席16,000円 ほか
チケット情報/https://www.kabuki-bito.jp
問い合わせ/06-6214-2211(大阪松竹座)
☑7年ぶりに帰ってきた、シェイクスピアmeetsミュージカル

ミュージカル『サムシング・ロッテン!』
往年の名作ミュージカルとイギリスの劇作家・シェイクスピアの作品を合体させて、はちゃめちゃだけど胸熱な世界を作り上げた作品の日本版が、7年の時を経て再演。舞台は、シェイクスピアが活躍した時代のイギリス。売れない作家・ニックは、予言者の言葉に従って、まだこの時代には生まれてない「ミュージカル」に挑戦。一方スランプのシェイクスピアも、ニックの劇団に潜り込んで、新作のネタを拾おうとするが……。ニックは初演に引き続き中川晃教、シェイクスピアは新たに加藤和樹が演じる。登場人物たちが大真面目に空回りする姿を笑いつつ、歌と踊りの迫力と、あふれんばかりのミュージカル愛・演劇愛に胸を打たれるはず。
ミュージカル『サムシング・ロッテン!』
日程/2026年1月8日(木)~12日(月・祝)
場所/オリックス劇場
脚本/ケイリー・カークパトリック、ジョン・オファレル
演出/福田雄一
出演/中川晃教、加藤和樹、石川 禅、大東立樹(CLASS SEVEN)、矢吹奈子、瀬奈じゅん ほか
料金/夜公演S席14,000円(全席指定)ほか ※昼公演は+1,000円
チケット情報/https://www.s-rotten2526.jp
問い合わせ/0570-666-255(大阪公演事務局)
☑PARCO PRODUCE2025 『シャイニングな女たち』

吉高由里子が挑む、
生きづらい女性たちの群像劇
これまで数多くのドラマや映画で主演を務めてきた俳優・吉高由里子が、重厚な人間ドラマを得意とする劇作家・演出家の蓬莱竜太の新作で、3年ぶりに演劇作品に出演する。他人のお別れの会に紛れ込んで、ビュッフェを食べる行為を繰り返す金田海(吉高由里子)が、たまたま大学時代の部活仲間のお別れの会に遭遇。「なぜ私は呼ばれなかったのか?」という謎が、輝いていたはずの過去の話を交えながら明かされていく。現代社会の生きづらさと「主観の不確かさ」を描くという本作。ミステリアスな役柄が特に光る吉高と、さとうほなみや山口紗弥加らの多彩な女性たちが創り上げる世界は、ぞくっとしながらもほんのり共感できるものになりそうだ。
PARCO PRODUCE2025 『シャイニングな女たち』
日程/2026年1月9日(金)~13日(火)
場所/森ノ宮ピロティホール
作・演出/蓬莱竜太
出演/吉高由里子、さとうほなみ、桜井日奈子、山口紗弥加 ほか
料金/12,500円(全席指定)
チケット情報/https://stage.parco.jp
問い合わせ/0570-200-888(キョードーインフォメーション)
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