interview

テレビ画面越しからでも、大人の色気や渋みが漂う大谷亮平。なんとなく寡黙でクールな人だろうと思っていたけれど、年下の共演者をリスペクトする姿勢や、俳優の仕事のほか小学生の頃から続けているバレーボールに今でも挑み続ける、いい意味でギャップの多い熱い男だった。

藤原さんの力強い演技で、
噓なく役に入り込めた

編集部(以下・編) 『ロンダリング』のオファーが来たとき、少し悩まれたそうですね。
大谷亮平(以下・大) 僕は霊感もないし、そういう話は疑ってかかるタイプ。だから、主人公に非業の死を遂げた霊の声が聞こえる特殊能力が備わっている設定を聞いて、どう向き合えばいいかなと。僕は霊にリアクションする藤原丈一郎さんを見て芝居をするので、反応が嘘っぽいと設定が崩れてしまうかも……と心配していましたが、最初に撮影したシーンの藤原さんが本当に苦しんでツラい演技をしていたので、僕もそこでスイッチが入りました。藤原さんって、キラキラした爽やかな青年というイメージでしたが、役をまとうと力強くて男らしく、エネルギッシュで芝居も熱い。覚悟を持って演じているのが分かって、すごくうれしかったですね。
編 大谷さんが演じる冷徹な不動産会社の社長、天海吾郎についてはどんな印象を?
大 初回から怪しげで、ダークな世界観を持っていて、にこにこしていても裏があると思われる役。監督から、天海にはいろんな過去があると聞いて、ただドライで冷たい人間にはしたくないと、台本を読んで自然と感じた感情を芝居に取り入れています。終盤にかけて冷徹さの中に隠された人間味を、少しずつ出していければと思っています。
編 大谷さんが手に入れたい特殊能力はありますか?
大 空を飛んでみたいですね。ペダルを踏むような感覚で上に登っていく夢をすごく見るんですよ。必死に踏み込んでいるのに上がりきれなくて。
編 それはお仕事で追い込まれているときに見るとか?
大 仕事に関係なく、何回も見るんです。下に着かないように必死にペダルを踏んで、なんとか空を飛べている夢なので、空を飛ぶことに対する憧れがあるのかもしれません。
編 そんな必死な姿、テレビで拝見する大谷さんからは想像がつかないですね。

流されない、留まらないよう
やりたいことを取捨選択

編 大谷さんは12年間韓国で芸能活動をされていましたが、渡韓当時は言葉も話せなかったと伺いました。恐れずチャレンジするその姿勢に憧れますが、何かに挑戦したいけど迷っている、そんな読者にアドバイスをお願いします。
大 僕は人生の優先順位が大事だと思っていて、いろんなことが複雑になったときは、一番優先順位が高いのは何かを考えています。挑戦することより、失敗したときの怖さの優先順位が高ければ、やらなかったらいい。そうじゃないと、人間関係や自分が行動を起こすことで周囲に迷惑をかけるかもと、いろいろ流されてしまうし、そういったことで決断を悩む人はとても多いですよね。これは先人の言葉ですが、「多少迷惑をかけても、不安に思っても、後から考えるとたいしたことじゃなかったと思う」と。それを信じて、思い切ってやってみたらいいんじゃないかなと思います。
編 優先順位、確かに指標になりますね。
大 相手にどう思われるかが頭をよぎることもありますが、わがままじゃないのであれば、自分の思いを優先させる。迷惑をかけないのであれば、自分の意見を押し通すのもいいと思う。僕は反省会じゃないですけど、夜な夜な仕事や作品のことなどを考えています。今まで流されてしまって何年経った、同じ場所に何年留まってしまった、そういったことがないように。年齢を重ねるほど人生を逆算しちゃうし、時間も貴重になってくる。そんなことをしている場合じゃないと自分に言い聞かせて、切ったり、また始めたり。整理だけして終わることも多いですが、そういう時間を持つことも大切な気がしています。

バレーボール選手として
大会にも出場中です

編 大谷さんは、大阪の強豪校でバレーボールに打ち込まれていたので、根性や諦めない力も備わっていますか?
大 バレーボールの経験を生かせているか尋ねられることもありますが、芸能界とでは必要とされる力の分野が違うなと。すごく厳しい部活を経験した自分でもこんなにしんどいのに、高校時代、部活をしていなかった人達がなんでこんなに頑張れるの? 俺の方が疲れているじゃないか! なんて思う撮影もありますね(笑)。
編 バレーボールは今でもされるのですか?
大 小中高と一緒にやっていた友人と、大学卒業後から20年以上続けていて、40歳を超えてからはシニアの枠で大会にも出ています。シニアの大会だと、上には50代、60代の方もいて、40代なんてド新人で超若手です(笑)。
編 大谷さんという素性を隠さず、大会に出場を?
大 どうやって隠すんですか(笑)。バレーボール関連の仕事をさせていただくこともあるし、強豪校出身ということを知っている方に落ちぶれたと思われるのもイヤなので、結構頑張っていますよ。痛いことも多いし、しんどいけれど、チームスポーツならではの良さがありますよね。仕事をしながらも、試合1週間前になれば各自で調整を始めたりする、みんなで目標に向かっていく感じとかも好き。何より面白いから、小学校から今まで続けることができているんでしょうね。
編 大谷さん主演のバレーボールドラマ、ぜひみて見たいです!

Profile
大谷亮平
RYOHEI OTANI
1980年生まれ、大阪府出身。大学卒業後、モデル活動を開始。2003年に出演した韓国のCMで注目を集めブレイク。韓国のテレビドラマや映画にも多数出演し、「ソウルドラマアワード2018」ではアジアスター賞を受賞するほど。2016年からは日本に拠点を移し、俳優として多方面で活躍中。

TV INFORMATION
『ロンダリング』
毎週木曜0:15〜放送中(カンテレ)

社会の闇に足を踏み入れ、非業の死を遂げた人々に寄り添い奮闘する社会派ミステリー。死者の声が聞こえるという特殊能力を持つ売れない俳優・緋山鋭介を藤原丈一郎(なにわ男子)が演じ、緋山がアルバイトをする不動産会社「アマミ不動産」の社長・天海吾郎に大谷亮平が扮する。
出演/出演/藤原丈一郎、菅井友香、橋本 涼、久保田磨希、大谷亮平 ほか

※この記事は2025年10月号からの転載です。記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。

写真/沖本 明 取材・文/西村円香

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