イラストレーターの久保沙絵子が、毎月1冊をピックアップして、勝手にその本の表紙を制作する企画。イラストが描き上がるまでを追いかけます。3冊目は、アニメ化でも話題となった森見登美彦の代表作『四畳半神話体系』です。

久保沙絵子/イラストレーター。風景画をはじめ、超絶細密なタッチが特徴。雑誌やウエブなどで活躍中。
連載3作目の『四畳半神話体系』。この小説は、勉学に励まず、不満と後悔を力に変えて大暴れする京都の大学生の話です。キラキラとしたキャンパスライフとは程遠いのに、なぜだか無性に主人公の大学生生活が羨ましくなる1冊です。
著/森見登美彦
KADOKAWA (角川文庫)
小説の舞台は京都。
なかでも、鴨川デルタ(賀茂川と高野川が合流し、鴨川になる地点)がよく出てきます。
これは行かねば!ということで、先日、ポカポカ陽気の空の下でスケッチしてきました。
鴨川デルタを眺めながら、絵を描き、本を読み、お弁当を食べ、[出町ふたば]の豆もちを食べ(小説にも登場します)、三色団子を食べ……。気づけば絵を描いている時間よりも何か食べている時間の方が長かったのではないかと思いますが、続きはまた描きに行こうと思います。ちなみに、このスケッチの完成は、3冊目の最終回(4/23(水)公開予定)でご覧いただこうと思っていますので、お楽しみに。
『四畳半神話大系』との出合いは、私の最強の本の虫である友人が貸してくれたのがきっかけです。頼んでなくても本を貸してくれる、貸本屋さんみたいな友人です。(そうして溜まった友人の本は、わたしの本棚に10冊近くあり、積読ならぬ、立て読、しまっ読状態です)
文章が、渋さとおかしさの両方を兼ね備えているような感じで最初はなんとなく読みづらかったのですが、10ページくらい読めばなじんでクセになってきます。
大事なことはほっといて、どうでもいいようなことに一生懸命な主人公が、だんだん愛しくなってきます。先ほど出てきた本の虫とは別の友人で、この本を読んだことがきっかけで和歌山から京都の大学へ進学した人がいます。本が人の人生の航路を決めさせる。
すごいことです。
すごい本です。

久保沙絵子
大阪在住、雑誌やウエブなどで活躍中のイラストレーター。風景画をはじめ、超絶細密なタッチの作風が特徴。線の質感にこだわり、作品はすべて一発書き! 制作は、生命保険の粗品のスヌーピーのコップで白湯を飲みながら。また、街中でスケッチすることも。もし、見かけたらぜひ声をかけてください。
- Instagram@saeco2525
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