中国アート、こう楽しもう!
1万3000km以上の距離をゆく交易路で生まれた宝物の巡回展が京都に。
中国で最高級とされる一級文物44点を含む展示物から東西の交流を探ろう。
『日中平和友好条約45周年記念
世界遺産 大シルクロード展』
1万3000km以上の距離をゆく交易路で生まれた宝物の巡回展が京都に。
中国で最高級とされる一級文物44点を含む展示物から東西の交流を探ろう。
『日中平和友好条約45周年記念
世界遺産 大シルクロード展』
期間:開催中~2月2日(日)
場所:京都文化博物館
中国の東西の出土品がずらり!
[京都文化博物館]でシルクロードの宝物に出合う
「塩の道」や「王の道」、オイル・ルートなど、世界には名だたる道が数多く存在する。なかでも、地球のおよそ4分の1周という広大さ、知名度の高さで知られる道が「シルクロード」。紀元前2世紀から15世紀中頃まで、文化や経済、宗教に政治など、東西交流に大きく貢献したと言われ、その発展の軌跡を伝えるものが本展だ。往来・融合・仏教東漸(とうぜん)の3章に分け、分かりやすい見どころパネル付きで驚くほど精巧で美しい発掘物の細部に宿る交流の歴史を伝えてくれる。ぜひ日本史年表を手元に用意して、その文化・技術力の高さを実感してみたい。『NHK特集 シルクロード』そのものの石坂浩二の音声ガイドも頼りにしつつ、京都にたどり着いたシルクロードを歩こう。
一.西方の影響を色濃く受けた唐代の作品
動物の角から作る角杯を模した酒杯。多色の釉薬を用いた彩りに目を奪われるが、実は左右別々に作って結合したのではと言われる結合面にも注目を。
唐時代の女性の最先端ファッションを描いた三彩。
精巧な狩猟図が側面に描かれた金の打ち出し成形杯。
二.北方や西方の文化を伝える遺物
最古の靴とされるが、アッパー部分の毛織物にはなんと2種の異なる織技法が。
瑪瑙(めのう)のキラキラとした輝きに隠れた虎の姿を見つけられる? 毛並みなどを表現した彫り込みがとにかくすごい。
壁画などに見られる車馬儀仗隊の貴重な青銅製作品。
腰布1枚をまとった姿について、ギリシア文化の影響を唱える学者も。東西の文化的交流をうかがわせるキュートで貴重な坐像。
三.交易を通じて広がった信仰
仏教があつく信仰された歴史そのもの! 塑像の中から発見された経典。
ウエストはほっそり、お顔はふっくらとした曲線美。柔和ながらも威厳を備え、当時の写実と理想の融合表現の菩薩坐像。
『日中平和友好条約45周年記念
世界遺産 大シルクロード展』
期間:開催中~2月2日(日)
場所:京都文化博物館
- 電話番号075-222-0888
- 住所京都市中京区三条高倉
- 開室時間10:00~18:00(金〜19:30)※最終入場は各30分前
- 休館日月
- 入場料1,600円
- アクセス市営地下鉄烏丸御池駅から徒歩3分
写真/伊藤 信 取材・文/土橋健司