実験的かつ意欲的なアート展示が実は多い大阪。
2025年にぜひ押さえておきたい2展を紹介します。
『Osaka Directory Supported by RICHARD MILLE』
期間:開催中~2025年1月19日(日)、1月25日(土)~2月24日(月・休)
場所:大阪中之島美術館 2階 多目的スペース
関西ゆかりの若手注目アーティストが
[大阪中之島美術館]に続々
話題の展覧会が続く[大阪中之島美術館]にあって、もっと注目されてもいい好企画が続いている。関西ゆかりの若手作家を紹介する本シリーズは、企画のないときにはただの通路になる2階の一角を使って、個展形式での展示を無料開催。そんなオープンな場での開かれた企画でありながら、作家のチョイスはとても意欲的で、様々ある現代美術シーンの中でも先鋭的な若手が次々と選ばれているのが面白い。ゆえに、短いテキストで作家を紹介するのもなかなか難しくて、絵画や彫刻といったジャンル分けも意味をなさない作家がほとんど。間違いないのは、地元の若手にチャンスをという身内目線の甘さではなく、世界に通用するような若手がここにいる! という美術館の本気が伝わってくること。現代美術ファンなら見逃すな。
Osaka Directory 8
Supported by RICHARD MILLE
谷中 佑輔
開催中~2025年1月19日(日)
Osaka Directory 9
Supported by RICHARD MILLE
KOURYOU
2025年1月25日(土)~2月24日(月・休)
『Osaka Directory Supported by RICHARD MILLE』
期間:開催中~2025年1月19日(日)、1月25日(土)~2月24日(月・休)
場所:大阪中之島美術館 2階 多目的スペース
- 電話番号06-4301-7285(なにわコール)
- 開場時間10:00~17:00
- 休館日月(1/13、2/24は営業)&12/31・1/1・1/14
- 観覧料無料
- アクセス京阪渡辺橋駅から徒歩5分
『Study:大阪関西国際芸術祭2025』
期間:2025年4月13日(日) ~ 10月13日(月)
場所:大阪・関西万博会場、ベイエリア、中之島エリア、船場エリア、西成エリア、JR大阪駅エリア、松原市 他
いよいよ本番を迎える
アートフェスティバルでは
地元大阪の出展者に注目です
日本各地で開催されている芸術祭やアートフェスティバル。けれど、大阪で開催されてきたのは意外と小規模で、エリアをまたいでまで行われるものはほとんど見かけない。「大阪・関西万博」を契機として大規模なアートフェスティバルの開催を目指すことを宣言して2022年から毎年開催してきた『Study:大阪関西国際芸術祭』は、そういう点で貴重な大阪での試み。
万博と会期を合わせて開催される今回は、まさに本芸術祭の本番到来といえるが、その会場として、惜しまれつつも2010年に閉館した安藤忠雄建築の[旧サントリー・ミュージアム]、中之島にひそむ黒川紀章建築の[大阪国際会議場]が決定したのはうれしいニュース。
そして、まず発表された出品作家第1弾には、ロン・ミュエク、マウリツィオ・カテランら、海外の芸術祭や美術館でも常連のスター作家の名前がずらり。ここに加わるのが、動物園前商店街に拠点を持つ[ココルーム]が開いてきた「であいと表現の場」である釜ヶ崎芸術大学、新世界の[kioku手芸館 たんす]に集まるおばちゃんらと美術家の西尾美也が協働したファッションブランド・NISHINARI YOSHIOといった、大阪の西成を拠点に活動してきた面々。大阪ローカルに深く根差して活動を継続してきた彼らのあり様が、地元民はもちろん、国内外の来訪者にいかに受け止められるのか、とても楽しみだ。
『Study:大阪関西国際芸術祭2025』
期間:2025年4月13日(日)~ 10月13日(月)
場所:大阪・関西万博会場、ベイエリア、中之島エリア、船場エリア、西成エリア、JR大阪駅エリア、松原市 他
- 問い合わせ
- 開催時間未定
- 休館日未定
- 料金前売3,000円、当日3,500円
文/竹内 厚 写真/西島 渚(背景)