hd_osakashiritsu museum

2年以上前からの大改修を経て、2025年3月にリニューアルオープンを果たす[大阪市立美術館]。1936年の開館以降、長らく大阪市民に愛された歴史ある建物の重厚な趣はそのまま開放感あふれる空間に。一足先にお邪魔してきました。

※大阪市立美術館は2025年3月1日リニューアルオープン

大阪市立美術館って?

1936年に、住友家の本邸のあった茶臼山に開館。住友家の他、市民個人からの寄贈にも恵まれ、コレクションには国宝や重要文化財も多く含まれる。特に、中国の絵画や石仏などが充実する。館裏手にある、七代目小川治兵衛による庭園・慶沢園も見どころ。今回のリニューアル工事では、耐震補強に加え、新エントランスやカフェ、ミュージアムショップも新設する。

新しくなった空間で、
粒選りの名品が待ってます!

“大市美”と言えば……な所蔵品がお目見え!

日本と東洋の美術品を中心とする[大阪市立美術館]のコレクションはなんと総数約8700件にものぼる。このたび、その中から約200件を館内全フロアに展示。リニューアルした美術館からの挨拶代わりの展覧会とあって、今まであまり紹介されることのなかった“珍品”も登場予定とのことで待ち遠しい!
※会期中、一部の作品は展示替えあり。

江戸時代の銘品から……

勝部如春斎《小袖屏風虫干図巻》 江戸時代・18世紀 大阪市立美術館蔵

左/《青磁染付 青海波宝尽くし文皿》 鍋島焼 江戸時代・18世紀 大阪市立美術館蔵(田原コレクション) 
右/《魚介蒔絵杯》(3枚のうち)銘 羊遊斎 江戸-明治時代・19世紀 大阪市立美術館蔵(カザールコレクション)

関西ゆかりの作家も!

佐伯祐三《教会》 大正13年(1924) 大阪市立美術館蔵

上村松園 《晩秋》 昭和18年(1943) 大阪市立美術館蔵(住友コレクション)

おおらかな中国美術

左/《石造菩薩立像頭部》[中国河南省・龍門石窟賓陽中洞将来] 中国・北魏・6世紀 大阪市立美術館蔵(江口治郎氏寄贈) 
右/《青銅鍍金銀 羽人》 中国・後漢時代・1~2世紀 大阪市立美術館蔵(山口コレクション)

《Exhibition 1》
大阪市立美術館リニューアルオープン記念特別展
『What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!』
期間:2025年3月1日(土)~3月30日(日)
観覧料:1,800円 休館日:月
HP:www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/whats_new/

大阪ゆかりの作品含め約130件の国宝が登場!

大阪・関西万博の開催に合わせ、縄文から江戸まで、絵画・彫刻・書跡・刀剣など、各時代を代表する国宝を集めた展覧会を開催。大阪にゆかりのある国宝も含めて、一度に目にすることの難しい美術品の数々を、大阪で鑑賞できる貴重な機会!
※会期中、一部の作品は展示替えあり。

見よこの曲線美!

国宝 土偶(縄文のヴィーナス) 縄文時代
長野・茅野市(茅野市尖石縄文考古館保管) 画像提供:茅野市尖石縄文考古館

教科書でも見たあの輝き

国宝 金印「漢委奴国王」 弥生時代
福岡市博物館蔵 画像提供:福岡市博物館

国宝 孔雀明王像 平安時代
東京国立博物館蔵 画像提供:東京国立博物館 Image: TNM Image Archives

美しい仏様と邂逅

国宝 薬師如来坐像 平安時代 大阪・獅子窟寺蔵
撮影:佐々木香輔

国宝 普賢菩薩騎象像
平安時代 東京・大倉集古館蔵

日本の四季を写した障壁画

国宝 桜図 長谷川久蔵筆 桃山時代 京都・智積院蔵

国宝 楓図 長谷川等伯筆 桃山時代 京都・智積院蔵

《Exhibition 2》
大阪・関西万博開催記念
大阪市立美術館リニューアル記念特別展
『日本国宝展』
期間:2025年4月26日(土)~6月15日(日)
観覧料:2,400円 休館日:月(4/28、5/5は開館)
HP:tsumugu.yomiuri.co.jp/kokuhou2025/

撮影:佐々木香輔
店舗情報
大阪・天王寺 2025.3 RENEWAL
大阪市立美術館
  • 電話番号
    06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)
  • 住所
    大阪市天王寺区茶臼山町1-82
  • 開館時間
    9:30~17:00※最終入館~16:30
  • 休館日
  • アクセス
    大阪メトロ天王寺駅から徒歩10分
  • 《中央ホール1階》 耐震補強のためシャンデリアを下ろして吹き抜けの明るい空間に。工事によりシャンデリアと同時期に張られたとされる天井をはがした際、オリジナルの天井が現れるなど新たな発見も。より開かれた美術館を目指し、こちらは無料ゾーンとして開放予定だ。
  • 《中央ホール2階》 外には天王寺動物園など公園の風景が広がる窓辺。美術館の前面にあしらわれたステンドグラス風の窓ガラスを間近に見ることができる。天気のいい夕暮れ時には、西向きの窓から光が差し込み、中央ホールの床や壁に映り込む様も美しい。
  • 《特別室》2階にある通常非公開の部屋。裏手にある慶沢園を望むバルコニーや水回りなども備えた要人接遇のための部屋。窓枠など一部は変えずに全面改装。壁面の金銀のあしらいは、今回の改修工事により現れたオリジナルの壁の模様を生かしたもの。 ※特別な許可を得て撮影をしています。

写真/横浪 修(人物)

※この記事は2025年2月号からの転載です。記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は掲載時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。最新情報をご確認の上お出かけください。
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SAVVY2月号『関西美術館さんぽ』
発売日:2024年12月21日(土)定 価:900円(税込)