interview_HE-100

“将来の夢は隠居!?
理想は所ジョージ的な働き方”

昨年末に開催された『M-1グランプリ2023』で、過去最多エントリーとなる8540組の漫才師たちの頂点に立った令和ロマン。緻密な分析と勝つための戦略を考えるのも得意な彼らが、『CHEF-1グランプリ2024』のスペシャルサポーターに就任。料理人の熱い戦いを間近で見てきたばかりの二人に感想や攻略方法を聞いてみた。

笑いの量で決められない、料理の審査って難しい!

編集部(以下、編)4代目スペシャルサポーターということで、選ばれた際の感想や意気込みを教えてください。
髙比良くるま(以下、く)この日のために、芸人になったんだなと思いました。
松井ケムリ(以下、ケ)嘘つけ!とは言いづらいけど、そんなことないだろ。
く でも、僕らはごはんを食べることがすごく好きなのでぴったりだと思いました。
ケ 確かに、人一倍ごはんを食べます!
編 今年は「ハンバーガー・サンドイッチに革命を起こせ!」がエントリー課題ですが、お二人は東京の高級フレンチ[ガストロノミー ジョエル ロブション]で最高級ハンバーガーを食べられたそうですね。
ケ おいしかったですねぇ……。ワインも一緒に飲ませてもらって。
編 普段からちょっと高級なお店で食事をされることも?
く スペシャルサポーターに就任してから、めっちゃ行くようになりました。料理の勉強をしておかなきゃなと、毎週のように食べに行っていました。
編 つい先ほどまで、準決勝の様子をリポートされていましたが、料理人同士の熱い戦いを間近で見た感想は?
く 料理人といっても、みなさんジャンルが全然違うじゃないですか。それがすごいなって思います。漫才は『M-1』、コントなら『キングオブコント』と戦う場所が分かれているけど、『CHEF-1』は全部が合わさっていて、ピン芸、漫才、コントとが同じネタで戦ってるようなもんでしょ。
ケ それを審査する人もすごいよね。
く お笑いだったらウケ量という一応の基準はあるけど、料理はそれがないので、マジですごい。
編 『M-1』王者から見て、何か必勝法はありますか?
く お題からそれすぎない方がいいですね。革命がテーマなので、新しい部分も見せなきゃいけないし、味も大事にしないといけない。そのバランスの見極め方が大事で、すごく難しいと思うんですよね。さや香さんが決勝2本目で披露した見せ算のような、見せごはんや、見せラーメンを出さないことも大事。
ケ 見せ算ライスって何だよ!そんなお題ないよ!僕は、ウニや鰻など、審査員をうならせる良い食材を見つける重要性を感じましたね。  

自分たちを見に来てくれる期待に応えられる漫才を

編 『M-1』優勝後、お二人の人生や、漫才に取り組む気持ちに変化はありましたか?
く 人生は270度くらい変わりましたね。
ケ あと90度は!?
く 自分たち目当てで劇場に来てくれる方が現れ出したので、そういう方の期待に応えるという側面は意識しています。難しいですけどね。以前は、劇場であまり同じネタをやらないようにしていたんですけど、『M-1』のようなネタを見たいと思ってくださるお客さんがいるならと合わせたネタをしようと、そこは気楽に。逆に僕ら目当てじゃないお客さんが多いと、今まで通りに戦わなきゃなと思っています。
編 大阪の劇場出番も増えましたが、合間によく行く場所や好きなお店はありますか?
く やっぱり[なんばCITY]かな。誰かの誕生日プレゼントを探すときもここ。ダブルヒガシの(大東)翔生さんへの誕生日プレゼントも買いました。
ケ 僕は喉の調子がずっと悪くて、咳も止まらなくてヤバイなと思っていたときに、[なんばCITY]の中にある[成城石井]で買ったマヌカハニーに助けられました。あと、[洋食屋 カトリーナ]にもたまに行くのですが、芸人のサインの量に笑っちゃう。壁がサインでできていますもんね。
編 その中には、ケムリさんのサインも?
ケ いえ、僕、大阪のお店でサインを求められたこと一回もないんですよね……。
く なんで?
ケ 特に変装もしていないんですけど、一切求められない。
く サインを書かなそうと思われているんじゃない? 声をかけにくいとか。
編 これから先、令和ロマンとして、どんな芸人道を進んで行くかなど、将来について考えていることはありますか?
く ゆくゆくはダブル所ジョージさん状態になりたい・・・・・・。
ケ お互いに趣味を楽しんで、良い休み方をしてな。
く 僕は所さんみたいに世田谷ベースを守って、あなたは奥多摩川の方を守って。
ケ 遠いなぁ! 俺のベース、奥多摩はかわいそうだろ。まぁ、本当の将来は隠居がしたいです。
く ゆりやんさん……あ、リトリさんがアメリカに行くので僕も付いて行くというのもありかも。
ケ リトリさん? ゆりやんレトリィバァさんのことね。来年以降アメリカに行くの?いいじゃん。でも、英語はしゃべれないよね。
く 大丈夫、ハキハキ日本語はしゃべれるから。
ケ 一番意味ねーだろ! NGK([なんばグランド花月])でトリを取りたいっていうのは、やっぱりありますね。あと、師匠みたいにNGKの出番を1週間もらって、あとは全部休みたい。
く そんな師匠はいないんだよ、全部休みの人なんていないんだよ!NGKでネタやったあとに、[祇園花月]とかにもちゃんと出てるんだよ!

Profile
令和ロマン
2018年結成、髙比良くるま(写真左)と松井ケムリによるお笑いコンビ。慶応義塾大学のお笑いサークルの後輩・先輩として出会い、ケムリの大学卒業に合わせて共にNSC東京校に入学する。2023年の『M-1グランプリ』では、初の決勝進出から優勝を果たすなど、今、最も勢いのある若手漫才師。

テレビINFOFRMATION
「ザ・プレミアム・モルツpresents CHEF-1グランプリ2024」
7月14日(日)放送/18:30~20:30/ABCテレビ・テレビ朝日系列

全国から40歳未満の若手料理人が日本料理やフレンチなど六つのジャンルに分かれて戦う真剣料理バトルが今年も開催。日本各地の食材を使い、常識を覆す想像力や発想力で既存の料理に革命を起こす。新たな料理が生まれる瞬間は見逃せない。山里亮太と松下奈緒がMCを務め、国民代表審査員としてGACKTが続投。

写真/浪華漠然 取材・文/西村円香

※この記事は、2024年8月号からの転載です。

Share
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
SAVVY11月号『神戸』
発売日 2024年9月21日(土)定 価 900円(税込)