SAVVY8月号から編集部の気になる新刊をご紹介!
『炒飯狙撃手』
著/張國立 訳/玉田 誠
ハーパーコリンズ・ジャパン 1,390円
2024.3 発売
中華鍋と銃の二刀流で戦う台湾発ミステリー
主人公は正体を偽り、イタリアのチャーハン専門店で腕を振るう台湾の工作員。ある日指令を受けローマで標的を狙撃するが、その後一転し、追われる立場に。もう一人の主人公である老刑事の抱える事件と共に物語が動き出す。
『T/S』
著/藤田貴大
筑摩書房 2,200円
2024.4 発売
表現を志す人、人生にもがく人に
2007年に演劇カンパニー「マームとジプシー」を立ち上げ、以降、劇作のほか文筆の場でも活動を重ねてきた著者による自伝的エッセイ。20代で演劇の世界に飛び込んだころから変わらないみずみずしい眼差しが光る。
『ノイエ・ハイマート』
著/池澤夏樹
新潮社 1,980円
2024.5 発売
ある日突然、故郷を失うということ
タイトルはドイツ語で「新しい故郷」。クロアチアの女性、満州から引き揚げる日本人、トルコに流れ着いたシリアの小さな男の子ら、戦争や迫害、貧困を逃れ、難民とならざるを得なかった世界中の人々の姿を20章でつむぐ。
『恋と誤解された夕焼け』
著/最果タヒ
新潮社 1,430円
2024.5 発売
日々の中のきらめきを拾い出す43編
中原中也賞を受賞した第1作目『グッドモーニング』からはじまり、映画や街、写真とのコラボレーションなども行ってきた著者の第12詩集。時に言葉の端々から映像が浮かび上がるような詩の世界を、毎日のお供にどうぞ。
『寝煙草の危険』
著/マリアーナ・エンリケス 訳/宮﨑真紀
国書刊行会 4,180円
2023.5 発売
スパニッシュ・ホラーの神髄を味わう1冊
庭から現れる赤ん坊の幽霊、死んだロックスターの体をむさぼるファンの少女など、湿度&熱気強めの恐怖小説12編。近年世界的に流行中のスペイン語圏ホラーの中でも、飛ぶ鳥落とす勢いの作家の一冊で早めの暑気払いを。
『義経千本桜』
訳/いしいしんじ
河出書房新社(河出文庫) 880円
2024.6 発売
新訳&文庫でトライ ドラマチックな名作古典
源平合戦が決着後、兄・源義朝との不和から都落ちする義経に復讐をすべく、平家の生き残りが後を追う。桜満開の吉野を舞台に平知盛、弁慶、静御前、狐忠信らが活躍する浄瑠璃の名作が、軽やかな日本語でよみがえる。