補正_224西垣さんインタビュー_本データ049A5409_HE

小さな努力の積み重ねが
俳優としての道筋を作る

 3カ月後に結婚する娘と余命3カ月の父親。そのかけがえのない3カ月を描くドラマ『春になったら』。西垣匠が演じるのは、二転三転する状況に振り回されながらもひたむきに結婚式の実現に向け尽力する、新人ウエディングプランナーの黒沢 健。これまでも爽やかなイケメンやクセの強いヤンキーなど、さまざまな役に挑んできた彼は、どんな思いでこの役と向き合い、今、何を思うのか。

結婚する友達から
情報収集して役作りを

編集部(以下 編) 初めて任された結婚式なのに全然思い通りに進まず、振り回される黒沢がかわいらしくて、笑いながら拝見しています。
西垣匠(以下 西) 黒沢はキャパが狭くて、すぐに音を上げちゃったりするところもある、すごく後輩感のあるキャラクターです。わざとらしくならないように、ちょっとかわいらしさも出すようにして、振り回されている感じが際立つように演じています。でも、僕自身、結婚式に参列したことがあまりなく、そろそろ地元の友達が結婚し始めているので、「どんな感じだったか教えてくれない?」と聞いて情報をもらっています。

 結婚願望が芽生えたりしますか?
西 ちょっとずつは意識をするようになってきましたけど、結婚している方から夫婦の裏側みたいなことをうかがったりすると、うーん……ってなったりもしますね(笑)。人前に立つお仕事をしているので、自分の結婚式でも俳優のスイッチが入ってしまいそう。身内だけの少人数で静かに挙げたいですね。
 主役を務める木梨憲武さんとの共演はいかかがですか?
西 お芝居がすごく自然で、セリフを言っている感じがしない。良い意味で、何も着色しようとしない、ありのままのお芝居をしようとされるのがすごくすてきですし、現場の雰囲気作りもしてくださる。スケジュール的に大変な所があっても乗り越えられているのは木梨さんの明るい人柄のおかげだと思います。
 ドラマでは、父と娘が互いのやりたいことリストをかなえていきますが、西垣さんが今やりたいことは何ですか?
西 海外旅行ですね。僕、マーベルがすごく好きで。アベンジャーズが初めて戦ったのってアメリカのニューヨークじゃないですか。だから行ってみたい! あとは、ゲームがしたい!欲しいゲームがたくさんあって、ゲームの発売リストもずっと追っているほど(笑)。腹筋も割ってみたいですね。ガチガチにトレーニングして、朝までゲームをしたい……!
 健康なのか不健康なのか分からない生活ですね。トレーニングなど、ストイックにできるタイプですか?
西 夜はあまり食べ過ぎないようにしたり、週2回はトレーニングをし、暗闇ボクシングにも行き、家で腹筋ローラーをしたりと、なるべく体を動かすようにしないと体力がなくなっちゃうので、気を付けてはいます。
 食べ物ではラーメンがお好きで、大阪にも気になるお店があるそうですね。
西 関西テレビの近くにあるラーメン屋さんが気になっているんです。
 ラーメンは、どんなときに食べるのですか?
西 食べたいけど、そんな頻繁に食べることはできないので、作品がクランクアップしたとき、あとは自分に糖質が足りてないな、エネルギーが枯渇してボーッとするなというときにも行っちゃいますね。
 ちゃんと節制されていて偉いです。そんな西垣さんが自分を甘やかす方法は?
西 そうだなぁ……。でも、そんなに自分を追い込んでいる気もしないんです。わりと伸び伸び生きている気がしているので。節制はしているけど、無理してやっていると思っていないです。 

フェンシングを辞めたから
俳優としての今がある

 本作『春になったら』は、父親が自分の娘に余命を打ち明けるという衝撃の告白からスタートしていますが、そんな西垣さんご自身がこれまでに周りの人に衝撃を与えたことはありますか?
西 フェンシングを辞めると告げたときですかね。小学3年生から大学まで続けていたし、父がコーチをしていることもあり、すごく悩みました。練習がきついわけではなかったのですが、大学時代は父の職場の近くに住んでいたので通学が1時間半ほどかかる。朝6時に出て、練習をして夜12時過ぎに帰宅する生活を4年間続けるのは少しきついかもと思って、辞めたいと。
 日本代表にも選ばれるほどの腕前なのに、反対はされなかったんですか?
西 父は「いいよ。でも、フェンシングを辞めて、大学でちゃんと友達できるの?」と心配を。母はちょっと渋りましたけど、あなたが決めたなら、と。でも、あの告白がないと、今、俳優としてここにはいないですね。
 これから俳優として目指す道は?
西 ドラマ、映画、舞台、どこでも活躍できる俳優になりたいですね。ありがたいことに、全て一度は経験させていただいていて、それぞれに魅力があるし、演じ方も違っていた。けれど、真ん中の1本の筋は全部つながっていると思っています。そのために作品をたくさん見たり、今日はこういう風にしてみようと新しい演技にチャレンジをしたり、台本を読んで予習したり、オンエアで自分の演技を見て復習したり、反省したり。俳優ならみんながやっていることだと思うのですが、そういう小さなことを積み重ねることで、次へとつながっていくと思っています。

Profile
西垣 匠
にしがきしょう
俳優。2021年ドラマ『夢中さ、きみに。』で俳優デビュー。その後、『みなと商事コインランドリー2』や映画『マイホームヒーロー』、劇団☆新感線の舞台『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』にも出演。1999年5月26日生まれ、石川県出身。特技は小学3年生から始めたフェンシング。

『春になったら』
放送中

3カ月後に結婚する娘・椎名 瞳(奈緒)と、3カ月後にこの世を去る父・椎名雅彦(木梨憲武)が、「結婚までにやりたいこと」と「死ぬまでにやりたいこと」をかなえていく、かけがえのない3カ月を描く。奈緒と木梨憲武のナチュラルな演技で、笑って泣ける温かな雰囲気のドラマになっている。

出演:奈緒、木梨憲武、深澤辰哉、⾒上 愛、西垣 匠、光石 研、
筒井真理子、小林聡美、濱田 岳 他 /月曜22:00〜(カンテレ)

写真/沖本 明 取材・文/西村円香

3月23日(土)発売、SAVVY5月号「北摂」特集から、西垣 匠さんのINTERVIEWをひと足先に公開!本誌には別カットも掲載してるのでチェックしてくださいね。

SAVVY2024年5月号「北摂」特集|3月23日(土)発売|900円(税込)
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SAVVY1月号『よしもと漫才劇場となんば』
発売日 2024年11月22日(金)定 価 900円(税込)