vol1かわいい旅台湾編_HE-100

FM802DJ 土井コマキさんの旅連載、第2弾がスタートしました!今回の旅先は台湾、4月に訪れた5泊6日のかわいい、おいしい、楽しい旅のようすをお届け。

土井コマキです。ワタクシ、海外の音楽フェスに行くのにハマってしまっていまして、今回の旅のきっかけは、3月末に台湾南部の都市・高雄で開催された「大港開唱 MEGAPORT FESTIVAL」という野外フェス。満島ひかり×SOIL&”PIMP”SESSIONS、ZAZEN BOYSなど日本のアーティストも出演し、なんと大トリはASIAN KUNG-FU GENERATION。

会場は、高雄の港の側の広い「駁二藝術特區」の一帯。巨大な旧倉庫群をリノベーションした複合型アートスペースで、ギャラリーやライブハウス、カフェレストラン、雑貨店、ウォールアートなどのパブリックアートもあちこちにたくさんあります。高雄は、10年ぶりくらいに行ったのですが、ずいぶん開発が進んでいました。「高雄流行音樂中心Kaohsiung Music Center」という大きなホールを備えた建物が出来て、路面電車も通って便利になり、ますますおしゃれでカルチャーに強いエリアになっていってました。

フードエリアがめっちゃ充実していて、多分日本とは衛生管理のルールが違うので、すてきな小さいキッチンカーも多いし、フードの種類も幅広い。こちらのジェラートは台湾らしく鉄観音烏龍茶とマーコット。めっちゃ映えるお店だらけです。

プリクラコーナーもオシャレな設え。撮りたかったけど大行列でした。

フェスといえばの写真スポット(?)なの?ユニークすぎる!廟?昼間に「夜になったら意味が分かるかな?」と思ったのだけど、ネオンがギラギラしてもやっぱり謎だった。かわいいけど!

フェスグッズあれこれ。嬉しくて持ち帰ってきたオリジナル缶の台湾ビール。箱に入ってる物は、なんと石鹸。しかも洗濯石鹸。重い&面白い(笑)。

フェスに行く前に台北に寄り道。地元ラジオ局HIT FMのDJオースティンさんに連れて来てもらったのが、カフェ[聲色 Sounds Good]。大安森林公園の近くです。

おお、本物のレコードが!

ドアノブはラッパ型ですよ、ドアを開ける前からトキメキますよね。

壁一面のレコード棚には、オーナーのコレクションの古今東西のレコードがビッシリ。脈絡がないように見えるラインナップにはオーナーさんのフィルターがあるはずで、それを妄想するのが楽しいです。他人のレコード棚とか本棚って面白いですよね。しかも、好きなレコードを店内でかけてもらえるんですよ。寝転んでいるカワイコちゃんはスタッフさんの愛犬です。

この時はニーナシモンが良い音でかかってました。私は関西出身としてEVISBEATSのLP「That’s
Life」をリクエスト。良い音が漂って「整うわ〜」という感覚。スピーカーの前は三角形の頂点で聴けるソファー席、他にもカウンター、窓辺の明るいテーブル席、私が座ったのは店内を見渡せる隅のシックなテーブル席。良い音でレコードを聴けるけど、音に集中すると言うよりは、良い音の中でリラックスして食事やおしゃべりを楽しめる良いカフェです。

7インチのレコードがメニュー表の表紙に!

レコードと好相性のメニューたち。コーヒー、お茶、フレッシュジュース、スイーツ、サンドイッチ、なぜかサケ茶漬け、グラスワインやカクテルも少しある。プレスリーが愛したというエルビスサンドイッチも。

私は、お薦めしてもらったオープンサンドセットとお茶をオーダー。ジューシーな鶏もも肉のグリルがほんのり台湾風味でした。お醤油が違うのかな。さっぱりしたサラダとスクランブルエッグにサワーブレッドもちょうどいい塩梅、ヨーグルトにさりげなくドラゴンフルーツが乗っててうれしい。ボリューム満点でした。

オースティンさんはバナナケーキとハンドドリップコーヒー。カップもかわいい。アイスがトロけていておいしそうだった。一口ちょうだいと言いたかった!

かわいい年代物のオーディオ機器があちこちにディスプレーされています。全部オーナーのコレクション。

このカフェのすごいところは、なんと地下に本気のリスニングルームがあるのです!全てオーナーのコレクションのオーディオ機器が、この階段の下に!(写真は階段を下から見上げたカットです…)

すてきな佇まいに思わず吐息。なんてすてきな真紅の蓄音機。ウォン・カーウァイ監督の映画「花様年華」のポスターと相まって、置いてあるだけでドラマチック。まさかのエディット・ピアフ「La Vie En Rose」をかけてくれて泣きそうになりました。うっとり。ナイスチョイスすぎる。恥ずかしながら本物の蓄音機の音を初めて生で聴きました。

そしてこちらが照明を落としたリスニングルーム。去年7月に発表された、台湾のグラミー賞と呼ばれる「金曲獎」で最優秀新人賞に輝いた洪佩瑜のLP「明室」を聴かせてくれました。そこで歌ってるみたい……。

リスニングルームの座席はこんな感じ。ゆったりくつろいで座れる階段状のフロアです。体の緊張を解いて、音に身を委ねます。カセットテープもすごいアンプとスピーカーを通して聴けます。ただ、この部屋は常に解放されているわけではなく、テーマを決めて予約制のリスニングパーティが行われています。坂本龍一のリスニングパーティも開催されたそう。ぜひ体感してみてほしいです。詳しくはお店のSNSをチェックしてみてください。

まったく予備知識を持たず、連れて行ってもらったカフェで、しかも秘密めいた地下室で、こんなに素敵な音楽体験が待っていて感激しました。本当に特別な「音」と「気持ち」に包まれてお茶できるカフェなので、また行きたい!次はデザートとお茶漬けを食べたいです。

高雄でも台湾らしさのある良いカフェにいろいろ行ったので、その情報は次号でお届けします!

著者

FM802 DJ 土井コマキ

奈良生まれ。 2000年1月に、FM802「Around the MARK’E SONIC STYLE」のアシスタントDJとしてキャリアを本格スタート。その他、VJ、MC、書き物、イベント企画など、徒然なるままに「断らない」をモットーに、音楽を真ん中において活動中。2004年4月放送ビンタンガーデン「10年目の復活・春一番」で、日本民間放送連盟賞 近畿地区 エンターテインメント番組部門 優秀賞を受賞。最近のマイブームはタイ。

  • Instagram
    @doikomaki

※〈FM802DJ 土井コマキのかわいい旅へ 台湾編〉は、Peachで行ってきました。
毎週火曜更新!次回VOL.2は、6/11(火)17:00公開予定です。

Share
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
SAVVY1月号『よしもと漫才劇場となんば』
発売日 2024年11月22日(金)定 価 900円(税込)