素顔の阿部サダヲに思わず涙、な取材一部始終
映画『なくもんか』主演・阿部サダヲさんの取材は
東京・六本木の某スタジオ内で行われました。
1日で何件もの取材をこなす超ハードスケジュールにも関わらず
撮影現場に「お願いしまーす」と軽やかに現れた阿部さんは
非常ににこやかで、かつ、こっちが恐縮するほど物腰低っ!
「大人計画」で注目を浴び始めたころから、
阿部さんのことを見知っている本日の取材ライターYですが
本当に外見も内面も、いつまで経ってもお変わりありません。
ファンキーでハイテンションなイメージが強い阿部さんですが
『なくもんか』では珍しく、周囲に振り回されるお人好しの役。
というわけで、今回誌面に掲載された写真は
「物静かで控え目な感じで」と、フォトグラファーの中島さんに
リクエストを出して、撮影していただいたのでした。
...いかがです? ちょっと見たことのない阿部サダヲだったでしょ?
ちなみに中島さんがこの撮影に使ったカメラは
デジカメ全盛期の今では珍しい、レアなフィルムカメラ。
数多くの撮影に立ち会っているはずの阿部さんも
「珍しいですね〜」と、撮影中無邪気にのぞき込んでました。
誌面で使われたカメラ目線ショットは、多分その瞬間の写真(笑)。

撮影終了後、わずか10数分程度で行われたインタビュー。
ごくごく基本的な質問は、この少し前に行われた
数社の媒体による囲み取材でフォローしたものの、
それ以外に知りたいことを、十分聞くことができるかしら...。
しかしその不安に反し、誌面に載せきれなくて涙を呑むぐらい
たくさんの面白話を、一生懸命お話しくださった阿部さん。
以下、映画を見る時にちょっと思い出してもらうと楽しくなる
とっておきのエピソードをご紹介いたします。
【普段、鏡は見ないけれど...】
阿部さん演じる祐太はいつもニコニコしているけれど
生き別れになった弟の祐介(瑛太)には
「あいつの笑顔は本当の笑顔じゃない」と指摘されてしまう。
本当の笑顔じゃない笑顔...かなり矛盾した表情ですよね?
「この表情だけは、かなり顔を作る研究をしましたね。
僕は普段、あまり鏡を見ないタイプなんですけれど
洗面所に行くたびに鏡を見て、笑ってみたりしてました(笑)」。
囲み取材では「役作りの苦労はしていない」と言いながら
影では結構、ストイックに努力してるんじゃないですか!
ちなみにいろいろ試したあげくに至った、笑顔の結論は
「笑顔って、その場の感情で出るものじゃないですか?
ご近所の人たちの前では営業スマイルで固めていても、
家族の前では、つい本当の笑顔や気持ちがこぼれるとか。
結局は、そういう表情の出し方をしていましたね」。
というわけで、シーンシーンで少しずつ
笑顔のニュアンスが違うようなので、ぜひ見比べて下さい。

【怪しい沖縄弁の参考にしたのは...?】
劇中に家族で沖縄に行くくだりが出てくるのですが、
旅行に浮かれる祐太は「なんくるないさー」などと
ことさらオーヴァーな沖縄言葉ではしゃぎまくります。
その台詞の一部に、沖縄弁特有の「...さー」の語尾を
あの卓球の福原愛ちゃんの「サー!」を意識して
発声してみたものがあるそうです(笑)。
どの台詞がそうか、じっくり耳を傾けてみましょう。
【漫才の指導は(東京では)伝説のコンビ!】
この映画のラストを飾るのは、祐太と祐介による
エコとエロが結びついた、18禁ギリギリな兄弟漫才です。
このシーンの指導をしたのは「ブッチャーブラザーズ」。
関西では聞き馴染みのない名前ですが、阿部さんいわく
「東京では伝説になりそうなぐらいすごい方たち」だそう。
関西に帰ってから調べてみたところ、伊集院光さんや
カンニング竹山さんなどの、東京の芸人たちがこぞって
リスペクトを公言する、本当にすごいコンビだったのでした。
そんな伝説的な巨匠(?)による指導の甲斐もあって、
きわどいネタで笑わせながらも、知らず知らずのうちに
ジーンと来るという、かなりの名シーンになっています。
この漫才を見るだけでも『なくもんか』は観る価値ありです!
「どちらかというと若者向けだった『舞妓Haaaan!!!』と違い
どんな年代の人にも楽しんでもらえる作品だと思う」と
この作品を自己評価してくれた阿部さん。
SAVVY読者の女性ならどんな楽しみ方ができそうですか?
と、少し困ってしまいそうな質問を振ってみましたところ
予想通り少し長めに考えて、こう答えてくださいました。
「まず瑛太君と塚本(高史)君の、漫才のシーンですよね。
カッコイイ男2人の漫才は、女性なら楽しめると思いますよ。
あと僕が思うに、多分その年代の方って、
ご両親との会話がなくなってきていると思うんです。
この映画は家族についていろいろ考えることができるので、
一緒に映画館まで観に行ったら、ちょっとした会話の
きっかけになるんじゃないでしょうか」。

取材の最後には、SAVVYを持ってニッコリというサービスカットを
全然お願いもしてないのに、率先してキメてくださった阿部さん。
今回の映画のタイトルに反してるなあ...とは思いつつも
「ちょっと泣いていい?」ってほどの、いい人ぶりでございました。
撮影/中島大輔 取材/吉永美和子
幼い頃、父に捨てられ生き別れた兄弟、祐太(阿部サダヲ)と祐介(瑛太)。兄・祐太は究極のお人好し。その人柄でハムカツ屋2代目店主として商店街の顔になっていた。祐太の結婚を機に、今や人気お笑い芸人となった生き別れた弟と偶然会うことになるのだが…。
監督/水田伸生
脚本/宮藤官九郎
出演/阿部サダヲ、瑛太、
竹内結子ほか
公開劇場/
TOHOシネマズ梅田
TOHOシネマズなんば
TOHOシネマズ二条
OSシネマズミント神戸ほか
『なくもんか』 公式サイト
http://nakumonka.jp
アベサダヲ◇'70年千葉県生まれ。'92年に「大人計画」に参加。キュートさと狂気を兼ね備えた演技で、舞台・映像両方から引っ張りだこ。現在、テレビドラマ『不毛地帯』(フジテレビ系)に出演中。












