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INTERVIEW CINEMA 誌面で紹介できなかった裏側をご紹介

カッコイイ童貞、カッコイイ50代

田口トモロヲ
09.08.11 UPDATE

みうらじゅん氏の功績と言ってしまおうか。
「童貞」もとい「DT」というものが、
そうゆう男性を指すタブー用語ではなくて、
もはや"カルチャー"、ひいては目指すべき"精神"として
世の中に定着しはじめているという、奇妙かつ巧妙かつ、
例えば田舎の父親なんかが聞いたら絶対に理解できないであろう世の流れ!!
たとえ理由が「モテたい」「さわりたい」なんて不純なものであっても、
何かにまっしぐらに一生懸命になって、小さなことで一喜一憂して、
汗書いてベソ書いて、でもなんかキラキラ楽しかったあの頃!
その、あの頃のあの状態が、つまり「童貞」ってものであるのならば、
50歳すぎた田口トモロヲ監督だって、立派な童貞だ。
監督は言う「いつまでも童貞高校マインドをキープ・オン!」
スローなんて言葉で逃げてばかりのぐうたら草食系なぞ勝負にならない、
今一番カッコイイのは、がむしゃらに熱くなれる童貞(精神)男子だ!

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...なんてことを、インタビュー中ずっと考えていた。
(草食系が大好きだった私としてはほんと革命的な瞬間なんです)
目の前には黒いジャケットでさらりとキメたトモロヲさん。
口元をグッと結んだような笑顔や、よく動く眉も、
なんだかロックンロールっぽくてクールだ。
でも、全然、自然体。自分をシュッと見せようとか、
もちろん今更トモロヲさんがそんなこと思うハズないんだけれど、
「50過ぎたんで、死を前に焦ってるんです。
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃって」
みたいな、ある意味での必死感が垣間見られて面白い、とゆうか、かわいい。
(ちなみにトモロヲさんは、イラストレーターの安斎肇さんらと
「ラストオーダーズ」というバンドを結成。
バンド名も先を急いでる感じでイイ)
 
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みうらじゅん氏は、トモロヲ監督の、親友。
そんなじゅん氏の自伝的小説を映画化したのが『色即ぜねれいしょん』だ。
主人公はもちろん童貞真っ只中の高校生・乾 純。
編集Jは、どうしてもこの名前の由来を聞きたかった。
なぜなら編集Jの名前はずばり、主人公とほぼ同姓同名、
もう、どう考えても主人公とは、
何らかの因果関係があるとしか思えない名前のカブリっぷりなのだ。
「みうらじゅんの高校時代のあだ名が"いぬ"で。
だからこの名字にしたみたいよ」
さらりと答える監督に、思い切って名刺を差し出してみる。
「...え? ほんとに? いや〜これはスゴイな〜。へ〜」と感心する監督。
「劇中で主人公のおじいちゃんの話もちょっと出てくるんですけど、
おじいちゃんが奈良の天理にいるっていう設定になってて。
実はそれもカブってるんです。私の祖父母も天理におりまして...」
「うわ〜それはもう、運命ですよ。これは私の自伝映画です! って、
すぐみんなに広めて下さい。まず、前売り券を100枚買わなきゃ!!」
(この必死感も童貞マインドですか?)
「いえ、私の青春、あんなことになってないですから!」
と、思わずムキになって言い返してからちょっと後悔。
恥ずかしいまでの童貞マインドこそが、
カッコイイんだってさっき感じたんだっけか。
だから...たとえば(仮の話ですが)自分の高校時代が、
男子触りたさで大変なことになっていたとしても、
まぁそれはそれでイイのだ。
いまやDTもSJも目指すべきマインド。誇るべき過去なのだ。
ひとりでぐるぐる考えていると監督が最後にひとこと、
「あの〜名刺、もう1枚もらえますか...?」

旅立っていった私の名刺。
1枚はかっこいいガムシャラ50代のトモロヲさんの懐へ。
もう1枚は(きっと)童貞マインドの教祖、みうらじゅん氏のもとへ!
(みうらさん、私の名刺もスクラップして下さい!)
 
 
撮影/西岡 潔


©2009色即ぜねれいしょんズ
『色即ぜねれいしょん』公開中

京都の仏教系男子校に通う乾純は、ロックな生き方にあこがれているが、実際はロックとはほど遠い平凡で退屈な日々に悶々としていた…。

監督/田口トモロヲ
原作/みうらじゅん 
出演/渡辺大知ほか
公開劇場/
梅田ガーデンシネマ、
なんばパークスシネマ、
MOVIX京都、
シネ・リーブル神戸

たぐちともろを◇メインの顔は俳優だが、実は『プロジェクトX〜挑戦者たち』をはじめとするナレーションでも活躍。パンクバンド「ばちかぶり」時代は、過激なパフォーマンスでカリスマ的人気を集めた過去も…。

SAVVY9月号P130掲載